Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜   作:犬社長

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遂に主人公のオトモの登場です!!





04〈Buddy〜相棒〜〉

 

 

 

 

ーーーーーーーー荒れ果てた街に静寂が戻る。

 

 

 

 

 トイレ達との初戦闘を終えた俺は、倒したトイレの便座の上に腰掛け、少し休息を取っていた。

 

(……思ったより戦えるな。この身体。)

 

 自分の黒いグローブの付いた両手を見つめ、俺は1人頷く。

 

 初陣を殆ど苦戦すること無く乗り切れた事は、自分の力に自信をつける事にも繋がった。

 

…とは言え、油断はしてはいけないだろう。

 

 さっきの戦闘も、デュアルクロートイレにバランスを崩されかけた時は結構危なかった。この身体の体幹が驚異的でなければ、あそこで体を噛み砕かれていた可能性もある。

 

(それに、見せられた記憶の中のトイレ軍には、色んな種類のトイレがあった。……もっと強力な奴等だって居る筈だ。この世界の為に、俺は負けてなんていられない。)

 

ーーーー油断はせず、気を引き締めていこう。…そう俺は心に誓って、両手を握りしめる。

 

 そして、座っていたトイレから飛び降りると、コートの埃を払って周りへ首を巡らした。

 

「……さて…。取り敢えず初戦闘は制した訳だが……これからどうすれば良いんだ???」

 

 自分を転生させたあの男からは、『何処何処へ行け』と言うような具体的な説明を一切受けていない。

 ただ、『七つの機士』とか言う謎の存在を探すことと、『全てのタイタンの開放』と言う2つの任務を与えられただけだ。

 

それ以外には、何もーーーーーーーーー

 

 

「いや…待てよ。なんか最後の方に言ってなかったか……?」

 

 

俺は(カメラ)を抱えて、彼の言葉を思い出そうとする。

 

 

…そうだ……確か…『助けになる〈()()〉を付ける』とか、なんとか…………

 

 

 

「ワン!」

 

 

 

「ん??」

 

 その時、俺の後ろから犬の鳴き声のようなものが聞こえて来て、俺は振り返った。

 

ーーーー振り返った先、積み重なる瓦礫の山を飛び越えるようにして、『小さな何か』が此方へと走って近づいてくる。

 

 ソレはメタリックな光沢を持つ白色をしていて、四本の脚で複雑に重なる瓦礫の上を器用に駆けていた。

 

 形状はまるで犬の様。黒い尻尾とイヌ耳を持ち、青く輝く丸い瞳をしている。

 

「イヌ………??」

 

 ピピッとスキャン能力が起動し、駆け寄ってくる物体の情報を視界に映し出した。

 

 

【個体名:aibo(アイボ)

 識別番号:AC-0621-R(カラー:(ホワイト)

 状態:正常

 備考:アライアンスサポート用犬型オートマタ】

 

 

「あ、アイボ……??」

 

 俺がその名を呟くと同時に、駆け寄って来た犬型ロボット『アイボ』が、俺の目の前で勢い良くブレーキを掛けて止まった。

 

 そして激しく尻尾のパーツを左右に振りながら、おすわりの態勢で嬉しそうに吠えてくる。

 

「ワン!!ワンワン!!ワンワワン!!!」

 

「ご主人!ご主人!」と言っているようにしか思えないアイボを見下ろし、俺は思わず感嘆のため息を漏らした。

 

「おぉ……!アイボだ!何気に実物始めて見た…!!コレがあの男の言ってた〈相棒〉なのか!!」

 

 そう言いながら俺は地面に膝をついて、アイボの白く塗装された頭部を撫ぜた。

 

「クーーン。」

 

 レンズの付いた目を細めて、気持ち良さそうに耳のパーツをパタパタさせるアイボ。形状しかり、本物の犬にしか見えない。

 

「うぉ、可愛い……!」

 

……コレが旅のお供なら、どんな過酷な旅路も大歓迎かもしれない。ーーーー俺は一瞬でそう思った。

 

同時に、ふと閃く。

 

「なぁ、アイボ。」

「クゥーン??」

 

 頭を撫ぜたまま話し掛けると、アイボはその顔をコテンと横に傾げた。

俺はそんなアイボに尋ねる。

 

「お前、俺を助ける為に来てくれたんだよな?」

「ワン!!!」

 

ーーーー「勿論!!」と言われた気がした。

 

「…なら、コレから俺がどうすれば良いか、何処に行けば良いか、お前何かしらないか?教えて欲しいんだ。」

 

 そうアイボの瞳を見つめながら問い掛けると、アイボは「任せて!」と言わんばかりに一声鳴いた。

 

「ワン!!!」

 

そして、徐ろに立ち上がるとトコトコと歩き出す。

 

「………!」

「ワフ!」

 

 ソレを目で追っていると、途中でアイボがコチラを振り返って軽く吠えた。

 

「……付いて来い、ってか。」

 

 アイボの意図を理解した俺は、先を行く白い姿を追いかけて歩き始める。

 

 

 崩れ落ちた高架下を潜り、ドミノ倒しの様に倒れたビルの間を通り抜け、アイボは何処までも歩いていく。

 

ーーーーやがて、俺とアイボは街の中心部へ近付き始めていた。

 

 そして視界の向こうに、何か目立つ巨大な鉄塔の様な建造物が見えてくる。

 

ーーーー周りのビルは軒並み倒壊しているのに、その鉄塔だけは悠々と街の中に聳え立っていた。…アレが何かは分からないが、あの鉄塔は只の塔では無いのだろう。

 

 あれがアイボの目指す場所なのか、とその時の俺は思ったのだが、以外にもアイボは途中で進む方向を変えた。鉄塔からは遠ざかっていくルートだ。

 

「……あの塔じゃない??」

 

 一瞬俺は訝しんだものの、取り敢えずアイボの後を付けていく事にする。

 

 

 無数の廃車が放置されたままのスクランブル交差点を通り、更に街の奥へ。

 

 穴凹だらけの道路は思ったよりも歩きにくく、いつの間にかアイボと少し距離が離れてしまった。

 

俺は先を行くアイボへ声を掛ける。

 

「あ、おーい!アイボ!少し待ってくーーーー」

 

 

………ズゥゥン………

 

 

その時、突如大地が激しく揺れた。

 

 

「ッッ?!?!」

 

 地震か?と一瞬思ったものの、それにしては揺れ方がおかしい。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ーーーーーーーー

 

 

「ワン!!ワンワン!!」

 

 アイボが焦ったような吠え声を上げながら、此方へ走って戻ってきた。

そして、俺のコートの裾を咥えて何度も引っ張って来る。

 

「ーーーー隠れろって事か?」

「ワン!!!」

 

 切羽詰まったアイボの声に、俺は近くの崩れ落ちた建物の中へ駆け込んだ。

 アイボも隣にやって来て、せわしなく辺りを見渡しながら伏せの姿勢を取る。

 

 

ますます大きくなる揺れ。

 

 

「一体……何が………」

 

 

俺が思わず声を漏らした時、()()()()()

 

 ガッシャーーーンッッッ!!と、およそ400メートルほど離れた場所にあったビルが砕け散る。

 

 そして、もうもうと立ち込める噴煙の中から、ヌッと巨大な影が姿を現した。

 

 

「SKIBIDI…SKIBIDI…SKIBIDI……。」

 

 

空に木霊する、重々しいスキビディ讃歌。

 

 

ーーーーその声の主は、巨大なスキビディトイレだった。

 

 

「……ッ!!…大き過ぎる……ッ!?」

 

 驚愕する俺。今の俺には口は無いが、もし有ったのならば、顎が外れんばかりに大きく開けていたことだろう。

 

 何せ、そのトイレの身長は少なく見積もっても80mは下らない、超が付く程の巨大サイズだったのだ。

 

 

……そして、その巨大なスキビディトイレは、唯デカいだけでは無かった。

 

 その便器の両側からは、長くムチのようにしなるアームが伸びていて、アームの先端には3本のクレーンのようなツメが付いている。

 

 頭部には、紫色のヘルメットが被さっており、ヘルメットから降りた半透明のバイザーが目元を覆い隠していた。

 

 そして、全身に謎の紫色のスパークを纏っている。…そのスパークに触れた瓦礫が、音を立てて崩れていくのを俺は見た。

 

ーーーーピピ……とスキャンが発動し、突如降臨した巨大なスキビディトイレの情報を俺に示す。

 

 

【個体名:デスクロー・ギガトンスキビディトイレ

 状態:正常

 階級:最上級監視員

 戦闘シュミレーション結果:勝率0.1%未満

 (戦闘非推奨 即時退避してください)】

 

 

「はは……んだありゃ……。」

 

 

もはや乾いた笑いしか出てこない。

 

 デュアルクローなんかより、アレは何十…いや、何百倍も強いだろう。

 

 俺はその巨体を隠れ場所から覗き見しながら、無いはずの心臓が早鐘を打ち始めたような錯覚を覚えるのだった。






なんか出た()



因みにネタバレすると、このデスクロー・ギガトンスキビディトイレが第一章のラスボスを務めます。ハイ。

ではまた次回〜〜。
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