Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜   作:犬社長

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43〈vsCyborg〜スキビディ・サイボーグ戦〜〉

 

 

 鉄の床を踏み締め鋼の軍勢が迫ってくる。

 

 

「ーーーーーSKIBIDI!!!!!」

 

 

 スキビディ語で喚きながら突っ込んできた〈スキビディサイボーグ〉の攻撃を躱し、俺は刀でカウンターを叩き込んだ。

 

 ギャリッ!という音と共に白刃がスキビディサイボーグの腹を削り、火花が舞い踊る。

 

 ───しかしスキビディサイボーグは怯むこと無く、両腕を振り回して俺に殴りかかって来た。

 

「っと!ーーーーーデカいナリして機敏だな!」

 

 殴打を回避した俺は、体勢を立て直してサイボーグ野郎と向かい合う。

 

 

【個体名:スキビディ・サイボーグ

 状態:通常

 勝率:60%

 説明:サイバーシティの技術で身体の大部分を機械化したミュータントスキビディトイレ。量産型だが、全ての能力が大幅に上昇している。】

 

 

 見慣れた【自動(オート)スキャン】の説明を流し読みしつつ、俺は仲間達の様子を横目で伺った。

 

 少し離れた所で、プランジャーマンとナイフマンが連携を取って戦っている。

 

 別の所ではサプレッサーマンとブルースーツカメラマン、そしてSG(ショットガン)スピーカーマンの3人が、壁を背にして其々の銃をぶっ放していた。

 

 残りのシザースカメラウーマンとデッキブラシマンは、単独でサイボーグ達と渡り合っている。チェーンソーマンも同じだ。

 

 

 ーーーーー俄に騒がしくなったデジタルキャッスルのエントランス。

 銃撃と打撃、そしてスキビディ語の怒声が入り混じり、あっという間にカオスな空間が出来上がっていた。

 

 そしてソレを、灰ミクのホログラムが見下ろしている。…彼女は俺達の力を測っているようにも見えた。

 

「エントランスで足止めされる訳にも行かねぇな…此処は絶対切り抜ける…!」

「ワンワン!!」

 

 俺が気合を籠もった呟きを漏らすと、足元にやって来た〈アイボ〉が気合の入った吠え声でそれに応える。

 

「よし、行くぞ!!」「ーーーーーワン!!!」

 

 ヤル気ばっちりな相棒に返事を返し、俺は床を蹴って前へ疾走った。狙うは目の前のスキビディサイボーグ。

 

「SKIBIDI SKIBIDI!!!」

 

 サイボーグの大振りなストレートが俺の顔面に迫る。ーーーーーだが、それを避けるのは容易い。

 

「遅い!!」

 

 鈍重だがパワーの籠もったその一撃を躱し、首に刃を走らせて一刀の下、1人目の首を斬り落とす。

 

「ーーーーーおらぁあぁッ!!!!」

 

 血を噴き出しながら倒れ込む身体を掴み、別のサイボーグ目掛けて俺は掴んだ身体を投擲した。

 

「DOP!」

「そこッ!!」

 

 2人目のサイボーグが避けた隙を見計らって突撃。胸を1刺しで刺し貫く。

 

 ───だが、そこは頑丈なスキビディサイボーグ。胸を貫かれているのにも関わらず、彼は左手で刀を掴み、右手で殴りかかって来た。

 

「おっと!」

 

 刀を奪われないように右手でしっかり握りながら、左腕で奴のパンチを受け止める。

 ガンッ!と肩まで突き抜けるような衝撃が走り、俺はたたらを踏んだ。…だが、奴の拳をしっかり防ぐ事には成功する。

 

「SKIBIDI SKIBIDI!!」

「煩いんだよ!!」

 

 叫ぶサイボーグの顎へアッパーを決め、更に足を払って床へ押し倒す。そして強引に彼の左手から刀を取り戻すと、そのまま首を勢い良く刎ねた。

 

 金属の床をサイボーグの生首が滑っていく。それを飛び越え、俺は3体目のサイボーグへ斬り掛かった。

 

「ーーーーーSKIBIDIィィ!!!」

「ワンワンッ!!」

「ーーーーーッ!?」

 

 ーーーーーそこへ横から4体目が飛び出して来たが、アイボの警告で回避する事に成功する。

 

 そのまま反撃に移ろうとしたものの、3体目と4体目は比較的息の合ったコンビで此方へ攻撃を仕掛けてきた。

 

「SKIBIDI SKIBID ッ!!I」

「yes yes yesッ!!!」

 

「ちっ…!」

 

 ーーーーー放たれる蹴りを刀で弾き、繰り返されるジャブを避けて俺は反撃の隙を探す。

 だが、互いに攻撃後の隙をカバーし合う連携で、反撃のチャンスが中々無い。

 

「バウッ!!」

 

 しかし、其処でアイボが背後からサイボーグの膝裏へ体当たりを決めてくれた。

 

「yes?!」

 

 体当たり自体にそこまでの威力は無いが、サイボーグの体勢が一瞬崩れる。ーーーーー俺にはそれで十分だった。

 

(ナイスアイボ!!)

 

 心中で相棒を称賛しつつ、俺はサイボーグの首目掛けて刀を薙ぎ払う。

 

「SKIBI───」

 

 そして舞い散る血飛沫を確認しながら、もう1人のサイボーグへ。

 

「DOP DOP yes yes!!」

 

 ストレートを躱し、下から迫るアッパーを避け、回し蹴りを刀で防ぐ。

 

 ーーーーーガキィンッ!!という金属質な音が鳴り響き、蹴りを受けた刀から火花が散った。だが、刀は折れていない。

 

「しぃッ!!」

 

 俺はすかさず刀で斬り返し、サイボーグの胸を深く斬り裂く。

 ーーーーーそして火花と血が飛び散る中で一歩大きく踏み込み、その鋒を眉間へと突き刺した。

 

「DOP…?!」

 

 眉間を貫いた刃が後頭部から飛び出し、血液と脳漿に混じって火花が激しく散る。

 

「これで4体目…!」

 

 息絶えたサイボーグの頭から刀を引き抜きつつ、俺はカウントを1つ増やした。

 

 

「やるなァ、ブレーダー。ーーーーーさっきから思ってたが、お前かなり動ける方だろ。」

 

 ーーーーーふとチェーンソーマンが横にやって来て、そんな事を言う。

 

「いや、がむしゃらに戦ってるだけさ。死にたくは無いからな。」

 

 俺がそう答えると、チェーンソーマンは面白そうに笑った。

 

「ははッ……。それでちゃんと死なねェ奴こそが強者だ。ーーーーーどれだけ強く生きたいと願っても、弱ければ死ぬ。…死んでしまう。」

 

 彼はそんな言葉を呟いて、両手と一体化したチェーンソーを掲げる。…血に塗れた刃が、ギラリと煌めいた。

 

「────そうだ。弱者は死ぬ。だが、俺は生きる。生き延びる為には───強く在るしかねェ!!」

 

「「SKIBIDI!!」」

「「DOP DOP YES YES!!」」

 

 彼がそう叫んだ瞬間、その不退転の意を示すかの如し言葉に触発されたのか、4体のサイボーグ達が一斉にチェーンソーマンへ襲い掛かった。

 ーーーーー四方八方から迫りくる鋼鉄の拳。

 

 しかし彼は叩き付けられる拳など意に介さず、嵐の様に激しくチェーンソーを振り回してサイボーグを斬り刻んでいく。

 

「俺は死なねェ!!死ぬのはてめェ等だ!!!」

 

 飛び散る火花の中、むせ返るような血飛沫を浴び、彼は吼えた。

 

 力任せにサイボーグの左腕を斬り落とし、別のサイボーグの腹を斬り裂き、また別のサイボーグの顔面を膝蹴りで潰す。

 

 その骸を足蹴にし、別のサイボーグを袈裟斬りで倒したかと思えば、彼の姿は既に其処に無く、また別のサイボーグを斬り伏せていた。

 

 荒々しく、凄惨さすら感じる狂戦士(バーサーカー)の様な戦いぶりに、俺は最初に彼に会った時に感じた戦慄を、また感じていた。

 

(そうだ。コイツはこんな戦い方をするんだったな。)

 

 多少の被弾は無視して力で押し切るスタイルは、反撃(カウンター)主体の自分とは反対の戦い方と言える。…彼の身体のあちこちに巻いてある包帯は、応急修理の痕なのだろう。

 

(──とは言え、コレはまだ最初の戦い。…ここで体力を消費し過ぎるのは良くない筈──なら援護した方が良いな!)

 

 殴り殴られを繰り返す彼の戦いへ、俺は日本刀を構えて参戦する。文字通りの助太刀だ。

 

「──援護する!」

「そうか!悪ィな!」

 

 チェーンソーマンの背中へ飛び掛かったサイボーグを斬り倒しながら、俺は彼の背中を守る様に立った。

 そして、迫るサイボーグを迎え撃つ。

 

「──SKIBIDI SKIBIDIッ!!!」

「来いッ!!」

 

 放たれる回し蹴りをしゃがんで回避し、その軸足を刀で払って床に倒す。そして倒れた所に両手で握りしめた刀を突き下ろし、心臓を貫いてトドメを刺した。

 後ろでは、チェーンソーマンが左右のチェンソーで2体のサイボーグを同時に斬り倒している。

 

「SKIBIDIィィ!!!!」

 

 そこへ別のサイボーグが死角から飛び蹴りを放ったが、俺は咄嗟にハイキックで割り込んで防いだ。

 

 ガッ!!と空中でサイボーグの爪先と俺の脚が交差し、火花が激しく散る。

 

 サイボーグの体重が乗った飛び蹴りの衝撃は強く、流石の俺もノックバックで後退ったが、飛び蹴りを防がれたサイボーグもまた体勢を崩して床にドサリと着地した。

 

「おらァ!!!」

「!!」

 

 そしてその着地際の硬直を見逃すチェーンソーマンでは無く、サイボーグは着地の隙を突かれて斬り倒される。

 

 

「───SKIBIDI YES YES YEES!!」

 

「ん!?」

「あァ?」

 

 ふと、部屋の奥から別のサイボーグが此方へ両手を向けて来た。

 ーーーーーあんな遠くから何を、と思った瞬間、彼の掌が変形し、青白い光を纏ったバズーカ砲の様な物が姿を見せる。

 

(遠距離攻撃!?エネルギー弾か!!)

 

「───SKIBIDI(消えろ)!!!」

 

 

 ーーーーーズドンッッッ!!!

 

 

 青白い光弾が衝撃波と共に発射された。──放たれたエネルギー弾は真っ直ぐ俺たちに向かい、そして────

 

 

「ワンッ!!!!」

 

 

 ───刹那、俺たちの前へアイボが閃光の如き素早さで飛び出す。そして彼の瞳が青く輝き、前方に青色のバリアが展開された。

 

 ーーーーードゴォンッ!!!

 

 バリアに激突したエネルギー弾が爆発し、大気が激しく揺れた。

 しかし、俺達は全くの無傷である。

 

「DOP DOP…!!」

 

「残念だったな!!」

「はッ、驚かせやがって!」

 

 悔しがるような表情を見せるサイボーグへ、俺とチェーンソーマンは同時に突撃。苦し紛れのパンチによる反撃を易易と躱し、左右から其々の武器を叩き付けた。

 

 

「……お前やるなァ。唯の非戦闘型サポートロボかと思ったが、そんな芸当出来ンのか。」

「ワンワン!」

 

 ドサリと倒れ伏すサイボーグを横目に、チェーンソーマンがアイボへ声を掛ける。褒められたアイボも尻尾を振って嬉しそうだ。

 

 ーーーーー少し微笑ましくもあるが、残念ながら和んでいる時間はあまり無い。

 

 今も尚、スキビディサイボーグ達の増援が次々とエントランスに押し寄せており、俺達は数で大きく遅れを取っているのだ。

 

 

「くそ…!敵が多すぎるッ!!」

 

 サイボーグの1人を撲殺したデッキブラシマンが、辟易した様に叫ぶ。彼と共闘しているシザースカメラウーマンも、サイボーグ達の物量の前に少し圧され気味だ。

 

「え〜☆?私達、意外とピンチってやつ〜♪??あはは!」

 

 …でもなんか楽しそうだな。

 

 ──楽しそうな彼女は兎も角として、俺達は今、純粋な物量で押し切られようとしている。プランジャーマンやナイフマンが八面六臂の活躍をしてくれているが、それでも敵の数の方がまだ多い。

 

「───次から次へと……面倒くせェな。」

 

 通路から続々とやってくるサイボーグ達を睨み、チェーンソーマンが忌々しげな呟きを漏らした。

 

「ああ。だが、ここを乗り越えないと──」

 

「ーーーーーだがチマチマ戦っててもキリがねェ。……()()()()()()()()()()()()()()。下がっててくれ。」

 

 チェーンソーマンはそう言うと、彼の胸からぶら下がっている始動装置(リコイルスターター)の紐を強く掴んで引っ張った。

 

 

 ───ヴォン!

 

 

 エンジンが回る音がする。

 そして、彼の身体から微かな煙が上がった。

 

 

 ───ヴォン!!

 

 

 更に引く。

 両腕のチェーンソーが震え始め、彼の身体からスパークが溢れ出した。

 

 

 ───ヴォン!!!

 

 

 3回目でエンジンの回転音が最大になり、白煙とスパークが彼の全身を包み始める。

 

 傍目から見れば壊れる寸前にしか見えない格好となりながらも、彼は落ち着いた声で次の言葉を口にした。

 

 

 

「──────〈()()()()〉。」

 

 

 

 刹那、彼の全身から()()()()()()()が飛び散る。

 そして、彼を中心にして()()()()()()がエントランス全体に拡がった。

 

 

「眩ッ───」

「バウッ!」

「SKIBIDI!?」

「DOP DOP!!」

 

 

 敵味方関係なく、皆がその光に怯んで動きを止める。

 

 そして、その光の中で俺は見た。

 

 ーーーーー彼のチェーンソーが橙色の光を纏って高速回転し、翻る彼のコートには橙色の電子基板模様が刻まれていく。その変化は俺の〈機士廻生〉に似ていたが、俺が赤色の光を纏うのに対して、見て分かる通り彼は橙色(オレンジ)だった。

 

 

「さァ、この姿はあんまり長く保たねェんだ。───抵抗するなよ?無駄だからなァッ!!!」

 

 

 橙色の閃光を振り払うように、両腕を激しく左右に振ったチェーンソーマンが吼える。

 

 そして次の瞬間、彼の姿が消えた。

 

 

 ───否、彼は一瞬でエントランスの端から端まで駆け抜けたのだ。

 

 

 ────ズババババババッッッッ!!!!

 

 

 そして彼の通った直線上に居た10体近いサイボーグが、一斉にバラバラに斬り刻まれる。

 

 その切断面は、炎に包まれていた。……チェーンソーの回転が余りにも速すぎて、刃が触れた所から摩擦熱で発火していくのだ。

 

 

 ───ダンッ!!!

 

 

 床を踏み砕く音が鳴り、広々としたエントランスホールを橙色の流星が駆け抜ける。流星が貫いた場所に居たサイボーグ達は一瞬で死に、傷から炎を噴きながら床に倒れて行く。

 

 

 ソレが、何度も、何度も繰り返されるのだ。

 

 

 プランジャーマンとナイフマン─そして俺─には、彼の動きがギリギリ追えているが、それ以外のメンバーには何も見えていないに違いない。

 

 

「オラオラオラオラオラオラ──オラァァッッ!!!!」

 

 

 鬨の声と共にエントランスを橙色の閃光が駆け巡り、サイボーグ達の骸が炎と共に宙を舞う。

 

 

 そして1分にも満たない僅かな時間で、40を超える数のサイボーグを鏖殺したチェーンソーマンは、床に山と積み重なった屍の上で天を振り仰ぎ叫んだ。

 

 

「はァ…はァ……ハハハ!!どうしたァ?!この程度かァ!?───まだまだ俺はやれるぞ!?」

 

 

 エンジン音を轟かせながら叫ぶ彼を、頭上から灰ミクのホログラムが見下ろす。

 

『………はぁ。』

 

 やがて、彼女は小さなため息を吐いた様だ。灰色のサイドテールが揺れ、冷たい電子音声が俺たちに降り注いでくる。

 

『──やはりチェーンソーマン……貴方は暴れさせると手に負えないですね。……サイボーグの在庫はもう有りません。この程度、だと舐められるのは癪ですが、こんな物は唯の序の口に過ぎませんよ?』

 

 そう言い放つ灰ミクに対して、チェーンソーマンは中指を思いっきり立てて見せた。

 

「───はッ!負け惜しみしてんじゃねェよバ〜〜カ!!」

『…………。』

 

 灰ミクは心底嫌そうな顔を浮かべ、自らのホログラムを消去する。彼女を投影していたトイレの銅像から光が消え、エントランスには完全な静けさが戻ってきた。

 …もう、新手のサイボーグが現れることは無い。キャッスルでの最初の戦いは、無事此方側の勝利で終わった。

 

 

 ───プシューーーーッ!!!

 

 

 ……蒸気が噴き出すような音と共に、〈機士廻生〉が切れたチェーンソーマンがぐらりと体勢を崩す。戦いが終わった事で、彼の〈機士廻生モード〉が停止したのだ。

 

「大丈夫か?チェーンソーマン!」

 

 俺は彼に駆け寄ろうとしたが、彼は自分で体勢を立て直して俺を手で制した。

 

「……大丈夫だ。…俺の〈機士廻生〉は反動が少ない。動けなくなる事はねェよ。」

 

 両腕から飛び出したチェーンソーを収納し、チェーンソーマンは俺達へにやりと笑いかける。

 

「さァ、行こうぜ。」

 

 若干フラつきながらも、俺達にサムズアップを見せるチェーンソーマン。

 どこか無理をしているようにも見えてしまうが、そうだとしても今は休息を取れるような状況では無い。

 

「今のが〈機士廻生〉か…。凄い変わりようだね。」

 

 ブルースーツカメラマンがリロードをしながらそう呟く。

 

「───で、どっちへ行く?道が6つもある訳だが。」

 

 デッキブラシマンがそう問い掛け、エントランスから伸びる6つの通路を指差した。

 

「──ふむ。……そこの壁に何か書いてないか?」

 

 プランジャーマンが、エントランスの壁を指差す。

 

 そこには、四角い図形が大量に描き込まれていた。図形の中にはスキビディ語で短い文字が書き込まれていて、いくつかの纏まり毎に番号がふってある。

 

 何となくこれは……館内図の様にも見えた。

 

 

「これはキャッスルの内部構造が書いてあるっぽいね。」

 

 壁を一瞥したブルースーツカメラマンがそう言う。

 そして、彼は1つの通路らしき細長い図形を指差した。

 

「ーーーーー僕達の位置から見て右横にあるこの通路を通っていけば、恐らく2階へ行けるはず。ほら、ここに階段らしきマークが付いてる。」

 

 …彼の指先を見てみれば、確かに通路図の端には階段のマークが描き込まれていた。

 途中に幾つかの部屋があるが、寄り道しなければ5分程で辿り着けそうだ。

 

「じゃァ決まりだな。右の通路から、2階への階段を目指す。それで行こうぜ?」

 

 チェーンソーマンが頷き、他の面々も頷きを返す。

 

「よし。行こう。」

 

 

 

 ───こうして2階へ向かって歩き始めるメンバーを、天井から小さな監視カメラが見下ろしていた。

 

 

 

 

 

 

 

『………ジーニアス。彼等は2階へ向かっていますよ。』

 

「あぁ。分かっている。───2階へ〈試作型(プロト)クロックウーマン〉を配置しろ。〈マグネット・スキビディトイレ〉共もだ。防火壁を閉じ、退路を塞げ。」

 

『畏まりました。』

 

 

 ……デジタルキャッスルの最上階で、灰ミクからの報告を受けた〈ジーニアス・サイエンティストスキビディトイレ〉はほくそ笑む。

 

「アライアンス共め。……今日で全てを終わりにしてやろう……。」

 

 

 








ホントはもっとサイボーグ活躍させたかったんだけど、意外と数が多いだけの雑魚敵みたいな感じで処理されてしまった……

チェーンソーマンの〈機士廻生〉はブレーダーカメラマンの〈機士廻生〉と同じ身体能力強化型です。
やはり力こそパワー
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