Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜   作:犬社長

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…………遂に『彼』の登場です。





06〈Mutant〜ミュータント〜〉

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

アイボの後に続いて廃墟と化した街を歩く。

 

 

 

ーーーー積み上がる瓦礫の山を越え、人気の無い荒れ果てた公園を横切り、アイボは歩き続けた。

 

 

【報告:aiboの内部電力 残り40%】

 

 

「残り4割か。…大丈夫か?アイボ。」

「ーーーーワフ。」

 

 スキャン機能が、俺にアイボの状態を定期的に教えてくれる。現状アイボの動きに変化は見られないが、余り電力が減るのは避けたい所だ。

 

 

(ーーーーそれにしても……。さっきから、何か変な気配を感じるんだよな……。見られてると言うか…。)

 

歩きながら、俺は周囲を見渡す。

 

 先程、レーザートイレ達を倒してからというもの、何処からか監視されている様な気がしてならないのだ。

お陰でかなり落ち着けない。

 

 

(でも何の反応も周りに無いし、唯の気のせいなのか…??)

 

 

ーーーーただの気のせい。……そう俺が結論を下しかけた時、不意に違和感が大きく膨れ上がった。

 

 

(……な?!)

 

 

コレはもう、『変な気配』と言うレベルでは無い。

 

 

もはや()()ーーーーーーーー

 

 

 

「SKIBIDI!!!!!」

 

 

ーーーー瞬間、後ろから殺気の塊が迫って来た。

 

「ーーーーッッ!!!」

 

 ソレが何か認識するよりも早く、俺はその場から飛び退る。

 

 ズドンッ!!、と俺が居た場所に『何か』が勢い良く着地し、砕かれた道路の破片が舞い上がった。

 

「今度は何だ!?」

 

道路に着地しつつ、俺は刀を抜刀する。

 アイボも、いざという時には俺を守れるよう、俺の側に素早く駆け寄って来てくれた。

 

 

「……SKIBIDI dop dop Yes Yes……。」

 

 

 舞い上がる土煙の中から、ゆっくりと襲撃者が姿を現す。その姿を見て、俺は驚いた。

 

「…な!ーーーー人?!いや…でも便器もある!人とトイレのハイブリッドか!?」

「バウバウ!!」

 

アイボも、警戒するように鋭く吠える。

 

 そして、俺のスキャン機能が発動し、目の前に現れた敵の情報を知らせてくれた。

 

 

【個体名:デスクロー・スキビディミュータント

 状態:正常

 戦闘シュミレーション結果:勝率30%

 (要警戒)】

 

 

「……勝率30%だと!?ーーーーコイツ、強い!!」

 

 スキャン結果を見て、俺は驚きを隠せなかった。まさかの勝率が半分どころか、3割と言うのは衝撃的である。

 

 それに、名前にデスクローと付いているので、あの巨大な【デスクロー・ギガトンスキビディトイレ】との関連性を考えずには居られない。

 

 その見た目も、背中から伸びた1本の長いアームに、紫色のヘルメット&半透明のバイザーと、非常に似通っている。

 

 果たして、ギガトンスキビディとどのような関係に有るのか疑問だが、今はそんな事を考えている暇は無さそうだ。

 

 

「…SKIBIDI」

 

 

 ミュータントが小さく呟くと、その姿が消える。ーーーー否、消えた訳では無い。あまりにも移動速度が速すぎて、消えたように見えるだけだ。

 

(ーーーー右横ッ!!!)

 

 焦燥感を覚えつつ、俺は迫るミュータントの拳を回避した。

 

 残像が残る程の攻撃速度に何とか対応できたのは、(ひとえ)にロックオン機能のお陰である。コレが無かったら、今の一発でやられていたに違いない。

 

「SKIBIDI!」

(…ッ!左ストレートが来る!)

 

 続く追撃の左拳も何とか回避し、俺はミュータントの胸目掛けて刀を振り抜いた。

 

ーーーーが、ミュータントが後ろに下がった事で空振りに終わる。

 

(くそ…!コイツ、刃が届かないギリギリを見極めてやがる!)

 

 無駄の無い回避に歯噛みする俺。ヤツは間合いを読む力に長けているようだ。

 

ーーーーだが、此処で攻撃の手を緩めるわけにはいかない。

 

俺は前に勢いよく踏み出し、果敢に挑みかかった。

 

 

「SKIBIDI…!!」

 

 

 上段斬り、中段斬り、斬り上げ、斬り下ろし、突き、薙ぎ払い、と矢継ぎ早に技を繰り出して、ヤツを追い詰めていく。

 

 そして、遂に俺の放った刃がミュータントの首元へ迫りーーーーーーーー

 

(もらった!!!)

 

ーーーーそう確信した瞬間、ガツンッッッ!!と激しい衝撃が俺を襲った。

 

「ーーーーぐはッ?!」

 

 視界が激しくブレて、コンクリの壁に勢い良く全身が叩きつけられる。

 

 

【報告:左腕損傷 HP残り80%】

 

 

「痛え……。いや、痛覚は無いけど…!」

 

 視界に映る文字列を見ながら、俺は起き上がる。…損傷した左腕を見てみれば、二の腕に斬られたような傷が出来ていて、中の配線が少し見えていた。

 

 ミュータントの方を見れば、ヤツの背中から伸びるアームの先端が此方を向いている。

 どうやら、アレで横から殴り飛ばされたらしい。左腕は、その時に先端の鋭い爪に裂かれたのだろう。

 

(初めてキツイの一発貰っちまったな……。ーーーーあのアームも警戒しとくべきだった。)

 

幸いにも、左腕はまだ動く。まだ刀は握れる。

 

「……SKIBIDI。」

 

 

 立ち上がった俺を見て、「頑丈だな」とミュータントが呟いた気がした。

 

ーーーーそして、ヤツは此方に向けたアームの先端を大きく開く。

 開かれた先端の3本の爪に、紫色のスパークが宿った。

 

「SKIBIDI SKIBIDI。」

「…!?」

 

 次の瞬間、アームの先端に宿ったスパークが、レーザー弾の様になって放たれる。

 

(遠距離攻撃?!)

 

 あのアームは、近距離戦の武器であると同時に、遠距離攻撃も可能な物だったのだ。

 

一瞬の内に俺の目の前まで迫るレーザー弾。

 

 

「ワン!!」

「ーーーーッ!アイボ!!」

 

 

ーーーーしかし、間に素早く割り込んだアイボがシールドを展開して防いでくれた。

 

 

ズドンッッッッ!!!!

 

 

 青いシールドと紫の光弾が激突し、激しい爆発が起きる。生じた爆風で、俺とアイボは少しだけ後ろへ押しやられた。

 

「くそ……爆発の威力がレーザートイレ達とは段違いだ…!」

 

 そうぼやきながらアイボのシールドを見てみると、少しノイズの様なヒビ割れが出来ていた。

 

(一発でコレか…!二発三発と受けたらマズいな、コレは…!)

 

……レーザートイレ達では傷一つ付けられなかった筈のシールドに、たった一発でヒビが入ったのだ。驚異的な威力である。

 

「……SKIBIDI…」

 

 立ち込める爆煙の向こうから、ミュータントの声が響く。そして、煙の合間からロックオンサークルがちらりと見えた。

 

「ーーーー来る!!」

「バウ!!」

 

 刀を構え直す俺。アイボもシールドを張ったまま身構えたが、ミュータントの方が上手だった。

 

「SKIBIDI!!!」

「ーーーー上かッ!!」

 

 ドヒュンとミュータントが煙を切って跳び出して来る。現れた場所は、俺たちの上。

 アイボのシールドが正面しかカバー出来ず、且つ高さにも制限がある事を見越しての、大ジャンプだった。

 

 こうしてシールドを飛び越えたミュータントは、ジャンプの勢いそのままに飛び蹴りを此方へ放ってくる。所謂、ライダーキックだ。

 

「くっ…!」

「ワン!」

 

 俺とアイボはその場から飛び退り、放たれる蹴りを回避する。

 

 

ーーーーーードゴンッッッ!!!

 

 

地面を砕きながら着地するミュータント。

その着地際を狙って俺はヤツに斬り掛かる。

 

 

ーーーーが、その一太刀はミュータントの右腕に止められた。

 

 

「な!?」

 

ーーーー火花を散らし、せめぎ合う刀と右腕。

 

 俺の刀は、ミュータントの腕を斬り落とす事が出来なかったのだ。

 

(コイツ硬え!!!)

 

 まさか斬れないとは思わず、俺は一瞬狼狽える。その隙をついて、ミュータントが俺の腹に膝蹴りを叩き込んで来た。

 

 ガキンッッッ!!と金属同士がぶつかり合う音がして、俺は宙を舞う。そして、背中から地面に叩きつけられた。

 

「ぐふッ?!」

 

 ゴロゴロと地面を転がる俺。ミュータントが、俺目掛けてクローの先端を向ける。ーーーーその先端に、紫の光が宿った。

 

 

(マズい…!レーザーが来るッ!!)

「ワンワン!!」

 

アイボが俺を守ろうと走ってくる。

 

 しかし、それよりも早く俺への攻撃を中断したミュータントがアイボへ接近し、勢い良くアイボを蹴り飛ばした。

 

「ーーーーキャインッ!!」

 

蹴り飛ばされ、瓦礫の山の中へ叩き付けられるアイボ。

 

「アイボォォッ!!!」

 

 

【報告:[aibo]のHP 残り35%

    [aibo]の内部電力 残り20%】

 

 

 たった一蹴りで、全体の6割強の体力が削られてしまっている。更に、シールドを使用したせいか、内部電力もゴッソリと無くなっていた。

 

「まじかよ…ッ!」

 

 慌てて俺は起き上がり、アイボを守るべく走り出そうとする。

 

「…SKIBIDI。」

 

ーーーー「…馬鹿め。」とミュータントが嘲笑った気がした。

 

 そして次の瞬間、ヤツの構えるクローの先端からレーザー弾が放たれる。

そして、ソレは真っ直ぐ俺に向かって飛んできてーーーーーーーー

 

「くっ!!」

 

 咄嗟に右手を顔の前にかざして庇う。瞬間、今までで一番強い衝撃が俺を襲い、視界が激しく二転三転しながら吹き飛ばされた。

 

「がはッ?!」

 

 そのまま軽く10メートルは吹き飛び続け、そしてアスファルトの上に叩き付けられる。 

 

 

……ボトッ。

 

 

 歪む視界の中、俺の少し手前に黒くて長いナニかが落ちた。………アレは、俺の右腕だ。

 

 

【警告:右腕欠損 HP残り50%

 

 システムエラー:駆動システムに異常発生

         メインカメラに損傷発生

         排熱系統の一部機能が損傷

         疑似神経システムの一部が機能停止】

 

 

 報告が警告へ変わり、文字の羅列が俺に状況の悪化を絶えず伝えてくる。

 

 

「くそ…………。」

 

 

ーーーーやはり勝率30%なだけあって強い。だが、ここまで歯が立たないとは、正直思っていなかった。

 

「SKIBIDI dop dop Yes Yes………。」

 

 口元に勝ち誇った様な笑みを浮かべながら、ミュータントが此方へゆっくりと歩いて来る。

 しかし、左腕にダメージを負い、右腕も千切れてしまった今の俺に、出来ることなど何一つもなかった。

 

瓦礫の山に突っ込んだアイボもまだ動けない。……もはや万事休す………と俺が思ったその瞬間、

 

 

「ーーーー勝ち誇るのはまだ早いぞ。デスクローミュータント。」

「SKIBIDIッ!?」

 

ーーーーガツンッッッ!!!と、ミュータントの胴体がくの字に折れ曲がる。

 

…突然俺とミュータントの間に割り込んで来た『()()()()()()()』が、手に持っていた〈武器〉でミュータントを殴り付けたのだ。

 

「SKIBIDI……!!」

 

 殴打された胴体を押さえながら、ミュータントが後ずさる。

 

(な………?!)

 

 ミュータントを殴り付けた黒いカメラマンが、此方へゆっくりと振り返った。青い光を湛えたレンズが、倒れ伏す俺を見つめる。

 

 

「大丈夫か。同胞。」

 

「………!」

 

 

 俺は唖然としたまま動けない。まだ生きて動いているカメラマンを見るのは、コレが初めてなのだ。

 

……ピピッ

 

 スキャン機能が発動し、そのカメラマンの情報を視界に映し出した。

 

 

 

 

【個体名:ブラックカメラマン(プランジャーマン

 識別番号:A-2023626-P

 状態:正常】

 

 

 

「プ…プランジャー、マン……??」

 

 

俺の呟きに、彼は小さく頷いて親指を立てる。

 

 

「…待っていろ。ーーーー直ぐにカタを付ける。」

 

 

 

 そして、彼は右手に持つ赤色のプランジャーを構えると、ミュータントに向かってゆっくりと歩き出したのだった。

 






遂に登場〈プランジャーマン〉!原作死亡キャラ生存タグはこの時の為にあった!!主人公は遅れてやってくるモノ!!!(注:この小説の主人公はブレーダー君です)

プランジャーマンの口調とかは、完全にコッチの妄想になってしまいますので、もしもアドバイス等有ればお気軽にどうぞ。

次回、プランジャーマン以外にも原作キャラ続々登場予定ですので、気長に待っててね()
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