Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜 作:犬社長
ーーーー荒廃した街の中心で、2つの影が激突する。
「SKIBIDI!!!!!!」
「ーーーーッ!!」
…ズドンッッッ!!!!
プランジャーマンのプランジャーと、デスクロー・ミュータントの右拳が激突し、辺りに衝撃波が広がった。
「ーーーーdop dop Yes!!」
一瞬の膠着の後、背中から伸びるアームで追撃を行うミュータント。
だが、プランジャーマンはソレを素早く回避すると、右横からプランジャーで殴りかかった。
「SKIBIDI…!!」
ーーーーズガンッッ!!!!
ミュータントは、左腕でプランジャーの一撃をガードする。再び激しい衝撃波が生まれ、ミュータントが少し後ろへ仰け反った。
間髪入れず、畳みかけるプランジャーマン。
ミュータントが振り回す長いアームを左右にステップして避けると、そのまま彼へ近付き、勢い良くプランジャーを彼の胸へ突き出す。
ーーーードゴンッ!と鈍い音がして、胸を突かれたミュータントが姿勢を崩した。
「…SKIBIDIッ?!」
「ーーーーふッッッ!」
更に突き出したプランジャーを勢いよく振り上げ、アッパーカットをキメる様にミュータントの顎を思いっきり打ち上げる。
口から血を吐きながら、背中から地面に倒れ込むミュータント。すかさずプランジャーマンがプランジャーを振り上げ、そのまま彼の顔面を叩き潰そうとする。
「ーーーーSKIBIDI!!」
「ーーーーッ!!」
しかし、ミュータントが倒れ込んだ姿勢のまま蹴りを放ち、プランジャーマンを吹き飛ばす。
吹き飛ばされたプランジャーマンは空中で体勢を立て直すと、スタッと地面に着地した。
窮地を脱したミュータントが、ガバっと起き上がる。
「……やはり、一筋縄ではいかないな。」
そうプランジャーマンがポツリと呟いた。
「SKIBIDI…Yes Yes。」
ペッと口に溜まった血を吐いて、ミュータントが笑みを浮かべる。…ダメージを感じさせない、獰猛で好戦的な笑みだ。
そして、背中から伸びるアームに紫色のスパークを宿らせると、ソレを弾丸に変えて放つ。
迫る光弾をサイドステップで避けるプランジャーマン。
更に立て続けに無数の光弾が迫りくるが、プランジャーマンは左右に跳び回りながら被弾すること無く避け続けた。
「ーーーーSKIBIDI!!」
ミュータントが更に飛ばす弾丸の数を増やす。ーーーー視界の至る所を埋め尽くす、紫色の光弾。流石にコレを避けきるのは厳しい筈だがーーーーーーーー
「…この程度で捕まえられると思うなよ。」
ーーーープランジャーマンが、走り出す。
飛び交う光弾と光弾の隙間を縫うように、勢い良く大地を蹴って彼は走り続ける。
爆発が彼のコートを揺らし、飛び散ったアスファルトの破片が彼の体に当たるが、構うこと無くプランジャーマンは走り続けた。
そして、再びミュータントへ接近。
「ふんッ!!」
ーーーー振るわれるプランジャー。
放たれた重く鋭い打撃を、ミュータントは左手で受け止める。ーーーードパァンッッ!!と弾けるような音が辺りに響き渡った。
「…Yes Yes!!!!」
そして、プランジャーを手で掴み取ることに成功したミュータントは、そのまま右手で素早くボディーブローを放つ。
「…!」
とっさの判断でプランジャーを手放し、右拳を避けるプランジャーマン。
続けて上から振り下ろされたアームの叩き付けも回避し、ミュータントの顔面めがけて鋭い飛び蹴りを放つ。
「はッッ!!」
「SKIBIDI!!!!」
ーーーーガツンッッッッッ!!!
ミュータントも回し蹴りで迎撃し、両者の蹴りが空中で交差して激しい火花が散った。
そしてお互いに弾かれ合うように距離を取り、腰を落として睨み合う。
「…Yes Yes SKIBIDI…。」
ミュータントが、見せつける様に奪い取ったプランジャーを振り回した。そして、残像すら残る速度でプランジャーマンへ飛び掛かる。
「…ッ!」
身構えるプランジャーマン。
しかし、ミュータントは彼の手が届く直前で右へ跳ぶと、近くの瓦礫を蹴って更に跳躍し、彼の後ろへ素早く回り込んだ。
僅か1秒程の時間で背後を取られてしまったプランジャーマン。
「Yes!!!!」
ゴッッッと空気を裂いてプランジャーが突き出される。だが、プランジャーマンは素早くその場でしゃがみ、見ること無く突きを回避した。
更にしゃがみ込んだまま、両手を伸ばして頭上にあるミュータントの突き出された右腕を掴むと、そのまま背負投げの要領でミュータントを投げ飛ばす。
「SKIッBIDIッッ?!」
ーーーーズガァーーーーンッッ!!!!
凄まじい音と共に、ミュータントが地面に減り込むほど叩き付けられた。
クモの巣状のヒビ割れが大地に広がり、舞い上がった破片が辺りに飛び散る。
そしてプランジャーマンは、倒れたミュータントのプランジャーを持つ右手を、勢い良く足で踏みつけた。
ミシミシッ!と骨が軋むような音が鳴り、強く踏まれたミュータントの腕が緩む。その隙に、プランジャーマンはプランジャーをミュータントの手から取り戻した。
そのままプランジャーを振り上げ、ミュータントの顔面へ振り下ろす、ーーーーーーーーが、直前でミュータントが口を大きく開け、今まで聞いたことの無い程の絶叫を上げた。
「AAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」
「ーーーーーーーくっ?!」
余りの音量に不可視の衝撃波が発生し、プランジャーを振り下ろしかけていたプランジャーマンは、勢いよく吹き飛ばされてしまう。
プランジャーマンを引き離したミュータントは、若干ふらつきながらも起き上がる。踏まれた右腕を痛そうに押さえているが、それ以外にダメージが入った様子は無い。
「……あと一歩が届かないな。流石はデスクローの配下。」
俺の隣まで飛ばされて来たプランジャーマンが、コートの埃を払いながら小さく呟いた。
一方で俺はただ両者の戦いを見る事しかできない。
(……強すぎる…!ミュータントの耐久力もそうだが、なによりこの【プランジャーマン】の身体能力が化け物の域だ…!!)
もし彼と戦うことになったとして、果たして俺は勝てるのだろうか?ーーーーそう思わせるだけの力が、あのプランジャーマンにはあった。
「………だが、時間だな。」
不意にプランジャーマンが、腕に付いていた時計に目を落として呟く。
(…時間?)
ーーーーその意味を問うより早く、あらゆる事が同時に起こった。
まず、ミュータント目掛けてプランジャーマンの背後から無数の
「ーーーーSKIBIDI!!!!」
アームから放つレーザーで、ロケット弾を撃墜するミュータント。ーーーー発生した爆発と閃光が、灰色の廃墟を照らし出す。
(なんだ……?!)
驚きながら飛んできた方向を振り向いて見れば、
(…アレは、カメラマンとスピーカーマン!?)
これほどの数の生きて動くカメラマン達が居たとは夢にも思わず、俺は唖然として固まってしまった。
「ーーーーやぁ、大丈夫かい?僕に掴まって。」
そんな自分の肩を、近くまで歩いて来た誰かが支えて持ち上げてくれる。
「あ……。」
…横を見ると、
ーーーースキャン機能が自動で発動し、彼の情報を視界に表示させる。
【個体名:ノーマルカメラマン(ブルースーツカメラマン)
識別番号:SE-0001055-B
状態:正常】
「ーーーーさぁ、行こう。…大丈夫、君の『相棒』は無事だよ。ラージスピーカーマンに回収させたからね。」
そう言って、そのブルースーツを着たカメラマンは親指を立てた。
アイボの無事を聞いて、俺は安堵のため息を漏らす。
「…!!ーーーーそうか……ありがとう。」
「どういたしまして。」
礼を言うと、彼は小刻みに立てた親指を振った。そして、負傷した俺を連れて下がっていく。
入れ替わる様に、また別のコートを着たブラックカメラマンが現れ、ミュータントと向かい合うプランジャーマンの横に立つ。
ーーーそのコートを纏ったブラックカメラマンは、プランジャーマンとは違い、
【個体名:ブラックカメラウーマン
識別番号:A-2023069-B
状態:正常】
スキャン機能が、その2人目のブラックカメラの情報を表示した。…女性タイプも存在しているとは驚きである。
「プランジャー、怪我は無い?」
「ああ。問題ない。」
サラッと短い会話を交わす2人。そして、同時にミュータントの方へ向き直る。
「………SKIBIDI…。」
現れた面々を見て、ミュータントが苦々しげな表情を浮かべて、後退った。
そんなミュータントに対して、プランジャーマンがプランジャーを向けながら言葉をかける。
「諦めろ。ミュータント。ーーーーいかなお前でも、この数を相手にするのは無理だろう。」
彼の背後で、カメラマン達が次々と銃やロケットランチャーを構えた。
その標準は、全てミュータントの方を向いている。
「…S、SKIBIDI……。」
ミュータントがたじろいだ瞬間、ブラックカメラウーマンが声を張り上げた。
「全員、射撃開始!!!」
次の瞬間、ミュータント目掛けて無数の銃弾とロケット弾が放たれる。
「ーーーーSKIBIDIッ!!!!」
ミュータントの身体を無数の銃弾が穿ち、激しい火花が辺り一面に飛び散る。
そして、飛来したロケット弾がミュータントを吹き飛ばした。
「…dop dop dop……!!!」
身体のあちこちが損傷し、背中のアームも壊れ、全身が爆炎に包まれながらも、ミュータントは起き上がる。
そして、ボロボロの身体の何処にそんな力が残っているのか、激しく咆哮を上げながら跳び上がった。
「SKIBIDI SKIBIDI SKIBIDI!!!!」
そのまま廃ビルの壁を蹴って、街の奥の方へ逃げて行く。
何発かのロケット弾が後を追尾するが、途中で瓦礫に阻まれ命中することは無かった。
「ーーーー逃げたわね…。撃ち方止め!」
ブラックカメラウーマンの声で射撃を中断するアライアンス達。
「これ以上の攻撃は不要。
「了解!」
「了解です!!ーーーー総員撤収!!」
「撤収、撤収!!」
彼女の声で、素早く撤退していくカメラマン達。俺も装甲車に乗せられて、何処かへと運ばれていく。
「心配しなくてもいいよ。僕の同胞君。」
隣に座り込んだブルースーツカメラマンが、親指を立てながら俺に話しかけた。
「ーーーー今から向かうのは、