Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜   作:犬社長

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07〈plunger〜プランジャー〜〉

 

 

 

 

 

 

ーーーー荒廃した街の中心で、2つの影が激突する。

 

 

 

「SKIBIDI!!!!!!」

「ーーーーッ!!」

 

 

…ズドンッッッ!!!!

 

 

 プランジャーマンのプランジャーと、デスクロー・ミュータントの右拳が激突し、辺りに衝撃波が広がった。

 

「ーーーーdop dop Yes!!」

 

 一瞬の膠着の後、背中から伸びるアームで追撃を行うミュータント。

 だが、プランジャーマンはソレを素早く回避すると、右横からプランジャーで殴りかかった。

 

「SKIBIDI…!!」

 

 

ーーーーズガンッッ!!!!

 

 

 ミュータントは、左腕でプランジャーの一撃をガードする。再び激しい衝撃波が生まれ、ミュータントが少し後ろへ仰け反った。

 

間髪入れず、畳みかけるプランジャーマン。

 

 ミュータントが振り回す長いアームを左右にステップして避けると、そのまま彼へ近付き、勢い良くプランジャーを彼の胸へ突き出す。

 

ーーーードゴンッ!と鈍い音がして、胸を突かれたミュータントが姿勢を崩した。

 

「…SKIBIDIッ?!」

「ーーーーふッッッ!」

 

 更に突き出したプランジャーを勢いよく振り上げ、アッパーカットをキメる様にミュータントの顎を思いっきり打ち上げる。

 

 口から血を吐きながら、背中から地面に倒れ込むミュータント。すかさずプランジャーマンがプランジャーを振り上げ、そのまま彼の顔面を叩き潰そうとする。

 

「ーーーーSKIBIDI!!」

「ーーーーッ!!」

 

 しかし、ミュータントが倒れ込んだ姿勢のまま蹴りを放ち、プランジャーマンを吹き飛ばす。

 

 吹き飛ばされたプランジャーマンは空中で体勢を立て直すと、スタッと地面に着地した。

窮地を脱したミュータントが、ガバっと起き上がる。

 

「……やはり、一筋縄ではいかないな。」

 

そうプランジャーマンがポツリと呟いた。

 

「SKIBIDI…Yes Yes。」

 

 ペッと口に溜まった血を吐いて、ミュータントが笑みを浮かべる。…ダメージを感じさせない、獰猛で好戦的な笑みだ。

 

 そして、背中から伸びるアームに紫色のスパークを宿らせると、ソレを弾丸に変えて放つ。

 

 迫る光弾をサイドステップで避けるプランジャーマン。

 

 更に立て続けに無数の光弾が迫りくるが、プランジャーマンは左右に跳び回りながら被弾すること無く避け続けた。

 

「ーーーーSKIBIDI!!」

 

 ミュータントが更に飛ばす弾丸の数を増やす。ーーーー視界の至る所を埋め尽くす、紫色の光弾。流石にコレを避けきるのは厳しい筈だがーーーーーーーー

 

 

「…この程度で捕まえられると思うなよ。」

 

 

 

ーーーープランジャーマンが、走り出す。

 

 

 飛び交う光弾と光弾の隙間を縫うように、勢い良く大地を蹴って彼は走り続ける。

 

 爆発が彼のコートを揺らし、飛び散ったアスファルトの破片が彼の体に当たるが、構うこと無くプランジャーマンは走り続けた。

 

そして、再びミュータントへ接近。

 

「ふんッ!!」

 

ーーーー振るわれるプランジャー。

 

 放たれた重く鋭い打撃を、ミュータントは左手で受け止める。ーーーードパァンッッ!!と弾けるような音が辺りに響き渡った。

 

「…Yes Yes!!!!」

 

 そして、プランジャーを手で掴み取ることに成功したミュータントは、そのまま右手で素早くボディーブローを放つ。

 

「…!」

 

 とっさの判断でプランジャーを手放し、右拳を避けるプランジャーマン。

 続けて上から振り下ろされたアームの叩き付けも回避し、ミュータントの顔面めがけて鋭い飛び蹴りを放つ。

 

 

「はッッ!!」

「SKIBIDI!!!!」

 

 

ーーーーガツンッッッッッ!!!

 

 

 ミュータントも回し蹴りで迎撃し、両者の蹴りが空中で交差して激しい火花が散った。

 

 そしてお互いに弾かれ合うように距離を取り、腰を落として睨み合う。

 

「…Yes Yes SKIBIDI…。」

 

 ミュータントが、見せつける様に奪い取ったプランジャーを振り回した。そして、残像すら残る速度でプランジャーマンへ飛び掛かる。

 

「…ッ!」

 

身構えるプランジャーマン。

 

 しかし、ミュータントは彼の手が届く直前で右へ跳ぶと、近くの瓦礫を蹴って更に跳躍し、彼の後ろへ素早く回り込んだ。

 

 僅か1秒程の時間で背後を取られてしまったプランジャーマン。

 

「Yes!!!!」

 

 ゴッッッと空気を裂いてプランジャーが突き出される。だが、プランジャーマンは素早くその場でしゃがみ、見ること無く突きを回避した。

 更にしゃがみ込んだまま、両手を伸ばして頭上にあるミュータントの突き出された右腕を掴むと、そのまま背負投げの要領でミュータントを投げ飛ばす。

 

「SKIッBIDIッッ?!」

 

 

ーーーーズガァーーーーンッッ!!!!

 

 

 凄まじい音と共に、ミュータントが地面に減り込むほど叩き付けられた。

 クモの巣状のヒビ割れが大地に広がり、舞い上がった破片が辺りに飛び散る。

 そしてプランジャーマンは、倒れたミュータントのプランジャーを持つ右手を、勢い良く足で踏みつけた。

 

 ミシミシッ!と骨が軋むような音が鳴り、強く踏まれたミュータントの腕が緩む。その隙に、プランジャーマンはプランジャーをミュータントの手から取り戻した。

 

 そのままプランジャーを振り上げ、ミュータントの顔面へ振り下ろす、ーーーーーーーーが、直前でミュータントが口を大きく開け、今まで聞いたことの無い程の絶叫を上げた。

 

 

 

「AAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」

 

 

「ーーーーーーーくっ?!」

 

 余りの音量に不可視の衝撃波が発生し、プランジャーを振り下ろしかけていたプランジャーマンは、勢いよく吹き飛ばされてしまう。

 

 プランジャーマンを引き離したミュータントは、若干ふらつきながらも起き上がる。踏まれた右腕を痛そうに押さえているが、それ以外にダメージが入った様子は無い。

 

「……あと一歩が届かないな。流石はデスクローの配下。」

 

 俺の隣まで飛ばされて来たプランジャーマンが、コートの埃を払いながら小さく呟いた。

 

一方で俺はただ両者の戦いを見る事しかできない。

 

(……強すぎる…!ミュータントの耐久力もそうだが、なによりこの【プランジャーマン】の身体能力が化け物の域だ…!!)

 

 もし彼と戦うことになったとして、果たして俺は勝てるのだろうか?ーーーーそう思わせるだけの力が、あのプランジャーマンにはあった。

 

「………だが、時間だな。」

 

 不意にプランジャーマンが、腕に付いていた時計に目を落として呟く。

 

(…時間?)

 

 

ーーーーその意味を問うより早く、あらゆる事が同時に起こった。

 

 

 まず、ミュータント目掛けてプランジャーマンの背後から無数の()()()()()が飛んで来る。

 

「ーーーーSKIBIDI!!!!」

 

 アームから放つレーザーで、ロケット弾を撃墜するミュータント。ーーーー発生した爆発と閃光が、灰色の廃墟を照らし出す。

 

(なんだ……?!)

 

 驚きながら飛んできた方向を振り向いて見れば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が、此方へ近付いて来ていた。彼らの側には、装甲車らしきものも1台ある。

 

(…アレは、カメラマンとスピーカーマン!?)

 

 これほどの数の生きて動くカメラマン達が居たとは夢にも思わず、俺は唖然として固まってしまった。

 

「ーーーーやぁ、大丈夫かい?僕に掴まって。」

 

 そんな自分の肩を、近くまで歩いて来た誰かが支えて持ち上げてくれる。

 

「あ……。」

 

…横を見ると、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と目が合った。

 

ーーーースキャン機能が自動で発動し、彼の情報を視界に表示させる。

 

 

【個体名:ノーマルカメラマン(ブルースーツカメラマン)

 識別番号:SE-0001055-B

 状態:正常】

 

 

「ーーーーさぁ、行こう。…大丈夫、君の『相棒』は無事だよ。ラージスピーカーマンに回収させたからね。」

 

 そう言って、そのブルースーツを着たカメラマンは親指を立てた。

 アイボの無事を聞いて、俺は安堵のため息を漏らす。

 

「…!!ーーーーそうか……ありがとう。」

「どういたしまして。」

 

 礼を言うと、彼は小刻みに立てた親指を振った。そして、負傷した俺を連れて下がっていく。

 

 入れ替わる様に、また別のコートを着たブラックカメラマンが現れ、ミュータントと向かい合うプランジャーマンの横に立つ。

ーーーそのコートを纏ったブラックカメラマンは、プランジャーマンとは違い、()()()()()()()()()()()()()。また、頭の監視カメラの形状も少し変わっていて、さらに両腕にライフルのような物を装着している。

 

 

【個体名:ブラックカメラウーマン

 識別番号:A-2023069-B

 状態:正常】

 

 

 スキャン機能が、その2人目のブラックカメラの情報を表示した。…女性タイプも存在しているとは驚きである。

 

「プランジャー、怪我は無い?」

「ああ。問題ない。」

 

 サラッと短い会話を交わす2人。そして、同時にミュータントの方へ向き直る。

 

 

「………SKIBIDI…。」

 

 

 現れた面々を見て、ミュータントが苦々しげな表情を浮かべて、後退った。

 

 そんなミュータントに対して、プランジャーマンがプランジャーを向けながら言葉をかける。

 

「諦めろ。ミュータント。ーーーーいかなお前でも、この数を相手にするのは無理だろう。」

 

 彼の背後で、カメラマン達が次々と銃やロケットランチャーを構えた。

その標準は、全てミュータントの方を向いている。

 

「…S、SKIBIDI……。」

 

 ミュータントがたじろいだ瞬間、ブラックカメラウーマンが声を張り上げた。

 

 

「全員、射撃開始!!!」

 

 

 次の瞬間、ミュータント目掛けて無数の銃弾とロケット弾が放たれる。

 

 

「ーーーーSKIBIDIッ!!!!」

 

 

 ミュータントの身体を無数の銃弾が穿ち、激しい火花が辺り一面に飛び散る。

 そして、飛来したロケット弾がミュータントを吹き飛ばした。

 

「…dop dop dop……!!!」

 

 身体のあちこちが損傷し、背中のアームも壊れ、全身が爆炎に包まれながらも、ミュータントは起き上がる。

 

 そして、ボロボロの身体の何処にそんな力が残っているのか、激しく咆哮を上げながら跳び上がった。

 

「SKIBIDI SKIBIDI SKIBIDI!!!!」

 

そのまま廃ビルの壁を蹴って、街の奥の方へ逃げて行く。

 

 何発かのロケット弾が後を追尾するが、途中で瓦礫に阻まれ命中することは無かった。

 

 

「ーーーー逃げたわね…。撃ち方止め!」

 

 

 ブラックカメラウーマンの声で射撃を中断するアライアンス達。

 

「これ以上の攻撃は不要。ギガトンスキビディトイレ(あのデカブツ)が来る前に撤退するわよ。」

 

「了解!」

「了解です!!ーーーー総員撤収!!」

「撤収、撤収!!」

 

 

 彼女の声で、素早く撤退していくカメラマン達。俺も装甲車に乗せられて、何処かへと運ばれていく。

 

 

「心配しなくてもいいよ。僕の同胞君。」

 

 隣に座り込んだブルースーツカメラマンが、親指を立てながら俺に話しかけた。

 

 

「ーーーー今から向かうのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

 









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