Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜 作:犬社長
9話です。
暫くはブルースーツカメラマンとの対話が続きますが、そのうちプランジャーマンとかとも絡ませますんで、暫くお待ちを………
開かれた扉の先。ーーーーそこには、広々とした空間が広がっていた。
「おぉ……。広い!すげぇ……」
俺は物珍しそうに辺りを見渡す。今俺が居る場所は、大きな円形のホールの様になっていて、白い壁には無数のドアが等間隔で設置されていた。
ドアの上には、それぞれ【武器庫】とか、【修繕室】【会議室】などのネームプレートが掛けられてあり、一目で何の部屋か分かるようになっている。
天井には大きなライトが嵌め込まれていて、室内を常に明るく照らしていた。
此処に入った時点で団体行動は終了したのか、他のカメラマン達は隊列を解いて、各々が好きな所へ散らばっていったらしい。
俺の周りにはいつの間にか、【ブルースーツカメラマン】と【プランジャーマン】、そしてアイボを両手で丁寧に持っている【ラージスピーカーマン】の3人しか居なかった。
「ーーーーさて、取り敢えずキミと相棒くんを
ブルースーツカメラマンがそう言って、俺の千切れた右腕を取り出す。どうやら、あの時に右腕を回収しておいてくれたらしい。
「修理ならコッチだ。…付いて来い。」
プランジャーマンが【修繕室】と書かれたタグ付きの扉を指差し、先立って歩き始めた。アイボを持ったラージスピーカーマンも後に続く。
「大丈夫だったか?アイボ。」
「ワフ〜〜ン……。」
そうアイボに話し掛けると、若干元気の無い答えが返ってきた。…電池がかなり減ってしまっている弊害なのだろう。
早く元気になって欲しいな、と思いながらアイボを見ていると、ラージスピーカーマンがこちらを向いて話し掛けてきた。
「俺、久しぶりに見たぜ。〈aiboシリーズ〉。ーーーーまだ動く機体が有ったんだな。どっかで
「ん……あ、あぁ。」
曖昧に頷く俺。…正直、アイボがこの世界でどの様な立ち位置なのか分かりかねているが、今の話を聞く限りそんな珍しい物でも無いようだ。
「へー。そりゃ運が良い。俺もサポートAIを相棒に持ちたかったよ。…ま、良いけどさ。」
幸いにもそれ以上詮索はせずに、ラージスピーカーマンは話を切り上げてくれる。
ーーーーそんな話をしている内に、俺達は修繕室へ辿り着いていた。…沢山の複雑そうな機械と、ズラリと並んだ手術室のベッドの様な物が俺を出迎える。
そして、その部屋の真ん中に白衣を着たカメラマンが1人立っていた。
「やぁこんにちは、ドクター。突然で悪いけど修理を頼むよ。」
ブルースーツカメラマンが、白衣のカメラマンへ手を挙げて挨拶をする。
ドクターを呼ばれたカメラマンは軽く頷いた。
「あいよ分かった。人数は?」
「1人と1匹。」
ブルースーツカメラマンが、俺とアイボを指差す。ドクターのカメラレンズが瞬きするように点滅した。
「ほぉ。初めて見る顔だな。…こんな時に新入りか?」
「まぁ、そんな物だね。」
俺の代わりにブルースーツが答えてくれる。ドクターはそれ以上は何も言わず、俺に近くのベッドを指さした。
「まぁ寝なさい。…右腕の溶接と、損傷の回復……そっちのサポートAI君は充電も必要か?ーーーーまぁ良い。全部やろう。…腕パーツは有るのか?無いのなら用意するが……」
「それなら回収してきたよ。ハイ、彼の右腕。」
「おぉ。手際が良いな。」
ーーーーそんなやり取りがあった後、ドクターは俺をベッドの上に寝かし、無数のアーム付きの機械を操作して俺の修理を始める。
しかも、どうやら右腕だけでは無く、俺の身体の一部を分解して中まで見てくれているようだ。
「…ふむ。爆発で配線が断線したのか。…待ってろよ。代わりの線を持ってこよう。ーーーーむ、コレは冷却水漏れがあるな。…ホースを交換するか…ーーーー」
(……おおう…何か変な感じだなぁ…)
痛みは一切ないが、自分の身体の中をガチャガチャ弄られると言う、不思議な感覚を俺は味わっていた。…あまり気持ちの良いモノではない。
【報告:HP残量の回復を確認 HP100%
疑似神経システムの機能 正常
冷却機能 復旧
駆動システム 再起動開始
……完了 異常無し】
視界に、次々と文字列が現れては消えていく。戦いのダメージがどんどんと修復されていっている証拠だ。
「ーーーーさて…コレで内部機構は元通りだな。……後は、腕を溶接すればーーーー」
ーーーー内部の修理を終えたドクターは、次に俺の右腕を直し始める。
爆発で千切れた断面を削り、配線や細々とした部品を新しく取り替え、一番最後に腕をくっつけて元通りだ。
【報告:右腕 再接続
損傷の全回復を確認
疑似神経システム同調開始】
「…よし。コレでいいだろう。疑似神経システムと完全同期するまでは、少し動きにラグが発生するかもしれんが、そのうち同期は完了する。」
「…おぉ。ありがとうドクターさん。」
俺は再び元通りになった右腕を眺めながら、ドクターへ頭を下げた。
彼は小さく頭を振る。
「構わん。我々はもとよりこの為に存在する。…キミが何処から来たかは知らんが、此処にいる間は自由に修理しに来て貰って構わない。私は待っているよ。」
「うん。ありがとう。…利用させてもらうよ。」
中々ありがたい言葉を掛けてもらった物だーーーーと、彼の優しさに俺がしみじみしていると、ブルースーツカメラマンが此方へ手招きしてきた。
近付くと彼は修繕室の外を指差す。
「あとはキミの相棒くんの修理だけどさ。…相棒くんの修理を待ってる間に、君とはもう少し話をしておきたい。……この世界についての話をね。」
「…あぁ。分かった。助かるよ。」
俺は頷く。
正直、まだこの世界を取り巻く状況を理解しきれていない。エージェントの配下であるという事をバラせないこの状況下では、同じ秘密を知る者である彼の存在が、実にありがたかった。
「じゃ、彼を借りてくね。プランジャー。……一応キミもドクターに診てもらったほうが良いと思うよ。…ミュータントの音波攻撃で吹き飛ばされたからさ。」
「あぁ。元々、そのつもりだ。」
プランジャーは小さく頷くと、俺に道を開けてくれる。
ーーーーこうして、俺達2人は【修繕室】を後にするのだった。
◇◆◇
ーーーー場所は変わって、何処かの倉庫の中。
「さて。……何処から話そうかな。」
パイプ椅子に座ったブルースーツカメラマンが、頭を捻りながらポツリと呟いた。
向かい側に立つ俺は、静かに彼を見つめる。
「うーーん……いや、逆にキミが知りたいことを僕が答えるスタンスにしようか。ーーーーって事で…何が知りたい??」
「あー……えっとだな……。」
俺は返答に詰まってしまう。
ーーーートイレの事、アライアンスの事、タイタンと呼ばれる者についての事………聞きたい事が多過ぎて、何から話せば良いか迷ってしまったのだ。
ーーーーだが、考えている内に、あのエージェントの言葉が脳裏を過る。自分に与えられた、任務の言葉が。
(タイタンの解放と………〈七人の機士〉…だったか。)
俺は顔を上げる。…聞きたいことは決まった。
「……〈七人の機士〉について、教えてほしい。」
「ーーーー!!」
ピクッと、ブルースーツカメラマンが身動ぎする。そして、彼は腕を組んで小さく唸った。
「うう〜〜ん。なるほど……。いきなりその話かぁ。……まぁ良いよ。たしかに大事な事だ。」
彼はパイプ椅子の上で姿勢を正した。そして、俺をまっすぐ見つめながら話し始める。
「〈七人の機士〉ーーーー僕は〈コードホルダー〉って呼んでるけどもーーーー彼等は、識別番号0000001〜0000007までの機体……つまり、
プロトタイプって良いよね。ロマンと夢がある。
次回、この小説オリジナルの設定も解説しつつ、この世界の事について解説……できたら良いなぁ……()