魔法少女リリカルなのは~Amantes Amentes~   作:鏡圭一

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第10話

 俺は昨日フェレット……ユーノ・スクライアからなのはが持っている宝石の様な石『ジュエルシード』について聞いた。

 ジュエルシードは持ち主の願いを叶える『ロストロギア』と呼ばれる物だが、その願ったことが歪な形で叶うこととジュエルシード自体が『次元震』と呼ばれる世界を消滅させる力が宿っていることに気付いたのはジュエルシード発掘したユーノで、ジュエルシードを『時空管理局』と呼ばれる組織に保護して貰おうとした所、管理局員の不注意でこの海鳴にジュエルシードが落ちてしまった。責任を感じたユーノは単身で海鳴に来てジュエルシードを封印しに来たのだが、失敗して傷を癒す為にフェレットになっているみたいだ。ユーノが自分の責任って言っているけど、これって時空管理局が怠慢な態度だったからだとしか思えないな。

 ジュエルシードを封印する方法は封印の魔法が使える『デバイス』と呼ばれる物とデバイスを使いこなせる魔力が多い人が必要らしい。

 『ねえ蓮。君に聞きたいことがあるんだけど。君の着けているペンダントはデバイスなんだ。何処で手に入れたんだい?』

 『このペンダントは父さんから貰った物だ。デザインもイイから俺も気に入っているんだ』

 ちなみに、俺とユーノは念話と呼ばれるリンカーコアを持っている人間同士で話すことが出来る。どうやら昨日聞こえた声も俺がリンカーコアを持っていたからなんだと納得した。それで俺は昼休みを利用して屋上でユーノと念話で話をしていると、

 「ここにいたのか蓮君」

 そう言って俺に後ろから抱きついてきたのは、聖祥学園中等部の1年生、フレイヤ・ハイドリヒ先輩だった。

 「どうしたんですかハイドリヒ先輩? ここ少等部の屋上ですよ」

 フレイヤ先輩にそう言いつつ、ユーノにまた後で話し合おうと念話をした。

 「む……、蓮君私の事はフレイヤでいいと言った筈だが?」

 フレイヤ先輩はそう言いながら俺の顔を正面に向けて意地の悪い笑みを浮かべながらさらに強く抱き締めてきた。あ…あのフレイヤ先輩? 年不相当な胸を押し付けないで欲しいのですが……

 「安心してくれ。私がこうするのは君だけだよ蓮君」

 いや…そんなこと聞いていないし、っていうかもう昼休みが終わるから離してほしいのとそろそろ息がし難くなって……

 「姉さん探したよ。蓮君に過剰な愛情表現をするのは構わないけど、時間を考えてくれないかな?」

 そう言って現れたのはフレイヤ先輩の双子の弟のラインハルト・ハイドリヒ先輩だった。

 ラインハルト・ハイドリヒ。かなりのイケメンで成績優秀。スポーツも万能。誰に対しても対等に接するリーダー的存在である。ただ、そこで終わると男子に嫉妬を買われやすい人で終わってしまう。だが、ラインハルトさんは違った! ラインハルトさんの場合は某奇妙な冒険のWRYYYY!! な人以上のカリスマを持っているため前世は帝王だったのではないかとも言われている人だ。性格は非常に謙虚な普通の好青年で普段の雰囲気が普通の好青年なのもあるのか、かなりのギャップがあり、それがラインハルトさんの人気の理由ではないかとも思っている。

 「ラインハルトか。私の至福の時間を邪魔するとは……覚悟はできているのだろうな?」

 フレイヤ先輩は不機嫌そうな表情でラインハルトさんに殺気を送っていた。……あれ? どうして俺は殺気(・・)を感じることが出来るんだ? 普通の人間には殺気なんて分かるわけがないのに。

 「姉さん。次の時間は体育だろ? 着替える時間になったら僕に知らせに来てくれって言っていたじゃないか」

 ラインハルトさんは溜息を尽きたそうな表情でそう言うと、フレイヤ先輩はしばらくしてから納得がいったのか、殺気を抑えた。

 「そうだったな。すまなかったなラインハルト。……そういうことだから蓮君また会おう」

 フレイヤ先輩は笑顔で俺の頭を撫でて屋上から出て行った。……はぁ、危なかった。ラインハルトさんが来るのがもう少し遅れていたら窒息死するところだった。

 「大丈夫かい連君? 何時もは完璧な姉さんなんだけど、君のことになると何時もああなるんだ。」

 「いいえ。大丈夫ですよ。父さんのストーカー振りに比べれば幾らかマシですよ。それよりも助けてくれてありがとうございます」

 俺が父さんの内容を出すと、ラインハルト先輩は苦笑いをする。

 「いやいや。困っている後輩を助けるのは先輩として当然だからね。困ったことがあって僕が何か役に立ちそうだったら遠慮なく相談してくれ」

 「分かりました」

 「ここにいたんすかラインハルトさん。次は体育の時間っすから急いだほうがいいっすよ」

 ラインハルトさんの後ろから現れたアルビノ体質の人はヴィルヘルム・エーレンブルグさん。元不良でラインハルトさんの部下の一人。喧嘩の時必ず返り血を浴びている様子が吸血鬼のように見えることから『カズィクル・ベイ』と呼ばれている。不良から更生した切っ掛けはラインハルトさんに喧嘩で敗れ、その人柄に惚れて現在に至る。

 「おお。ヴィルヘルム君か。教えてくれてありがとう。それじゃ蓮君また会おう」

 ラインハルトさんはそう言って、ヴィルヘルムさんと一緒に屋上から出た。……そろそろ俺も行くかと思いながら教室に戻った。

 

 

 

 私は高町なのは。普通の小学生……だったんだけど、昨日のとあることが切っ掛けで魔法少女になることになりました。

 でも、蓮君に遊びじゃない! って昨日怒られちゃった。確かに魔法少女になって少し浮かれていたのかなと少し悲しくなった。

 「なに落ち込んでいるのよなのは? アンタらしくないわよ」

 「……お姉ちゃん」

 私の部屋に入って来たのは双子のお姉ちゃんの杏奈姉ちゃんだった。

 「なのは。どうして悩んでいるかについては聞かない。でも、アンタはどんなことに対しても全力全開でしょ?」

 そうだった。確かに私はどんな時でも全力全開で頑張ったんだ。勉強も翠屋のお手伝いもそして恋も!

 「どうやら決意は固まったみたいね。なのはが出かけたことは何とか言い訳をするから頑張って来なさい」

 「ありがとうお姉ちゃん! 私行ってくる!」

 私はそう言って、ルビーの宝石のような物。『レイジングハート』を首にかけて家から出た。

 

 

 

 「は~。やっと行ったわね。同じ人に恋をするライバルに塩を送っちゃったけど。何時ものなのはに戻って良かった良かった」

 アタシはなのはが蓮君の所に行ったことに安堵を覚え、ベットに寝転んで一息をついていると、

 「本当にそれで良かったのかね?」

 アタシの後ろに影が出来ていて、そこからメルクリウスの声が聞こえてきた。そのことに対して驚いていないアタシはベットに寝転んだままでいた。

 「別に良かったのよ。あの子には悲しい目にあって欲しくないもの」

 今の気持ちは本当だ。アタシに妹が出来てアタシに甘えてくれることが嬉しかった。前世の時にアタシに妹はいなかったから尚更だ。

 「確かに君の言っていることも事実だ。だが、君は気付いているのだろう? 前世以上に魔術が使い難いことを」

 メルクリウスの言っていることは事実だ。実際影の魔術を使ってみて、前世以上の魔力を消費していた。そして昨日なのはが魔法を使っているのを魔術で見てアタシは一つの仮定を思いついた。それは、魔術を使う時に何かがアタシのサポートをすれば、前世の様に魔術が使えるのではないかと。

 だけど、何を材料にサポートをしてくれる『デバイス』が出来るのかが分からなくてアタシは挫折した。

 「……それがどうしたってのよ?」

 「君にそのデバイスを与える…と言ったらどうするかね?」

 「っ!」

 アイツ!? まさかデバイスを完成させたというの? アタシが作り方が分からずに諦めたあのデバイスを!

 「勿論、今すぐに決めろと言うわけではない。存分に考えたまえ。……その選択が後悔を生まないようにしたまえ」

 メルクリウスはそう言うと、再び影になって消えた。……一体どうすればいいっていうののよ! アタシはその事を考えていて、気付いたらもう夕食の時間になっていた。

 

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