魔法少女リリカルなのは~Amantes Amentes~ 作:鏡圭一
僕はラインハルト・ハイドリヒ。ゲシュタボの長官であるラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒの子孫らしい。
僕は何時もの様に朝食を作っていると、僕の姉さんであるフレイヤ・ハイドリヒがリビングに来た。
「おはよう姉さん」
「ああ、おはようラインハルト。今日はすまなかったわね、本来なら私が朝食を作る予定だったのだけど」
「大丈夫だよ姉さん。昨日は忙しかったんだろ? だったら仕方ないよ」
現在僕たちは2人で暮らしていて、両親はドイツで働いている。僕は日本が好きだからという理由で海鳴に住んでいる。姉さんは蓮君に一目惚れして以来ずっと蓮君と離れたくないという理由だと思う。時折愛するなら壊せやら、いや壊すのではなく抱きしめねばならない、早めに既成事実を作らねば……など色々と危ない発言が目立つようになったけど、僕から言えるのは、愛するのは素晴らしいけど、そのことで後悔をして欲しくないこと位かな。
「所でラインハルト。貴方は誰か好きな子でも出来たのかしら?」
「ん? 好きな人かい? そうだな……。今の所いないよ。その前に僕達は中学生だよ。恋も良いと思うけど、今は学園の行事に全力で取り組みたいんだ」
「そう。頑張りなさいラインハルト。(エレオノーレ。貴女の恋は長くて険しいわよ)早くご飯を食べましょう? 冷めちゃうと美味しくなくなるわ」
「そうだね。じゃあ、いただきます」
そして僕達は朝食を食べて、今日1日が始まる。
「おはようラインハルト。き、今日はクッキーを作ってみた。昼休みに食べて貰えると嬉しい」
「ん? ああ、おはようエレオノーレちゃん。何時もありがとう。エレオノーレちゃんのお菓子は美味しいからね」
目の前にいる赤い髪の美少女はエレオノーレ・ヴィッテンブルグ。フェンシング部の期待の新人で、僕の幼馴染だ。他の皆はエレオノーレちゃんの事を怖がっているみたいだけど、彼女は努力家でとても素直な良い子でかわいいと思う。
「と……当然だ。私が作っているのだからな」
僕がそう言うと、エレオノーレちゃんは顔を赤くする。何時ものことだから彼女は怒っているのではなく照れているのだと僕は瞬時に理解した。
「せ~んぱ~い!! おはようございます! あれ? 先輩……もしかしてラインハルト先輩に告白を? 痛っ!!」
「だ……黙れ! キルヒアイゼン!! こ、これはクッキーを作り過ぎたからラインハルトにあげただけだ!」
「へ? いやだって今の先輩の顔は恋するお……」
「ほう。また私に扱かれたいらしいな貴様は。ありがたく思えよ、普段の2倍の練習量だぞキルヒアイゼン?」
「申し訳ありませんでした先輩! これ以上先輩をからかわないから許してください!!」
エレオノーレちゃんに対してジャンピング土下座をしている犬属性の少女はベアトリス・キルヒアイゼン。僕の一つ年下の小学6年生でフェンシング部のキャプテンをしている。エレオノーレちゃんの後輩でフェンシングの実力は全国大会に出場出来る程だ。
「はあ、またベアトリスはエレオノーレ先輩にちょっかいを出したのか」
「おはよう戒君。君もかなり苦労しているみたいだね?」
僕の隣りで溜息を吐いている少年は櫻井戒。ベアトリスとは恋仲で、剣道部の主将だ。彼の剣筋は優男のような見た目とは異なり、かなり鋭く尚且つ力強い剣筋だ。時々、僕は屑だと言っていることから親しい人からは『屑兄さん』と呼ばれている。
「おはようございますラインハルト先輩。何時もベアトリスがすいません」
「いやいや、問題ないよ。エレオノーレちゃんも彼女といる時は生き生きしているから大丈夫だよ」
「そうですか」
「ちーす。ラインハルトさんおはようございやす」
後ろから声をかけてきたのは僕の友人の一人であるヴィルヘルム・エーレンブルグだった。
「ああ。おはようヴィルヘルム君。そういえば、ヘルガ先輩とアンナはどうしたんだい?」
「……姉貴とアンナっすか? 姉貴達なら今血みどろの争いをしている最中っすよ」
「……心から貴方のことを尊敬しますよヴィルヘルム先輩。あの2人と一緒に暮らせと言われたら僕はすぐに逃げますよ」
ヘルガ・エーレンブルグ。彼女は普段お淑やかな先輩だけど、ヴィルヘルム君のことになると姉さんよりもヤバイ方向に暴走することで有名なヤンデレだ。アンナ・シュライバーも普段は明るく元気な少女なんだけど、ヘルガさん同様ヴィルヘルム君のことになるとヤンデレになる。
ヴィルヘルム君は身近のヤンデレの女性に対し平然と正面から向き合っていることから僕達の間では尊敬されている。ただ、その度にヴィルヘルム君はSAN値ピンチ状態になる。
「戒だったか? 俺には分かる。テメェも相当苦労しているんだなぁ。テメェの顔を見れば分かるぜ」
ヴィルヘルム君がそう言うと、元々苦労人属性のある戒君とヴィルヘルム君はお互いに涙を流しながら握手をしていた。
「おうなんやなんや? 男の熱い友情の握手をしていたら俺も入りたくなったやないか!」
「おはようミハエル君。今日もマッキー☆スマイルは輝いているね」
「ラインハルトかおはようさん! そうか? なんか笑顔で褒められるんはちょっと照れるで」
目の前にいる中学生にしては顔が渋く、関西弁を話しているのはミハエル・ヴィットマン。ノリが良く、ユーモアのある僕の友人の一人だ。渋い顔で見せる笑顔は耐性がない女性が見ると心がキュンっとなるらしい。さらに喧嘩も強く、殴られた相手は一撃で気絶するほど蹴りと殴る威力が高いことから『
「そんなんより、はよ学校行かんと遅刻になってまうで?」
「ん? これはマズイ! 皆! 急いで学校に行くぞ!!」
ミハエルが気付いてくれたおかげでなんとか遅刻をしないで済んだけど、クラスの皆に不思議がった顔をしていたのが印象的だった。
「今日もカール先生の話は興味深かったな。しかし、夜まで話しをしてしまったのは蓮君を大事にしているカール先生に迷惑をかけてしまったな」
元映画監督だった蓮君の父親で、数学教師のカール・クラフト・藤井先生の映画・オペラ・歌劇・オーケストラの話はとても興味深い。特に映画の話に関しては映画俳優を夢みている僕にとってとても為になる話だ。
「……ん? 何だこの宝石は」
家に帰る商店街でとても綺麗な宝石を見つけた。だけど、宝石にしてはどこか禍々しい雰囲気を感じた。宝石を交番に届けようと交番に向かおうとして違和感を感じた。その違和感は商店街なのに誰一人として人間が存在していないことだった。
「どういうことだ? 何故商店街の人が誰もいない?」
誰もいない商店街の原因を探そうと歩こうとしたその瞬間、背後から首に刃物が触れた感触を感じた。
「貴方が持っているジュエルシードをこっちに渡してください」
僕は声のする後ろの方に向くと、そこには鎌を持った黒いマントを羽織った蓮君位の年の少女だった。
そしてこのことが切っ掛けで僕の非日常が始まりを告げ、運命と邂逅した瞬間だった。