魔法少女リリカルなのは~Amantes Amentes~   作:鏡圭一

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第1話の内容が一部矛盾点があり修正しました。

今回は再び女神との邂逅です。


第5話

 1996年.私はこの世界で初めて創る聖遺物(エイヴィヒカイト)であり、我が友である刹那殿の魂が宿っている『藤井蓮』の体の調整をしていた。後は藤井蓮の魂を刹那殿の魂をベースにして新たな魂を形成し、刹那殿の魂を藤井蓮の体の中に入れて私の血を入れれば、この世界でのツァラトゥストラが誕生する。

 ただ、一つ気がかりなのが、私の血が入ることによって藤井蓮の性格が私に似てしまうのではないかということだ。前の世界での恐怖劇(グランギニョル)の藤井蓮の様子を見るようでは刹那殿の性格がベースにされていたが。この世界ではどうなるのか分からないからね。

 恐らくだが、あと2年位で藤井蓮としての魂が完成し、赤子から私が育てることになる。これもある意味では新たなる未知だ。何故か知らぬが『メルクリウス』はいくら女神に夢中でも子育てをしないとは。これは俗にいう育児放棄と呼ばれる物だよ。これは彼だけではなく獣殿も同じことが言えるがね。信じられんかもしれぬが、私はあの2人よりは常識があると認識しているのだが。

 そう思っている時だった。女神の魔力を感じた私は転移を開始した。女神よまた貴女に逢えることを至高と信ずるよ。

 

 

 

 転移した場所は戦艦の中だった。ふむ。どうやら宇宙戦艦が作れる技術を得ているのか。懐かしく感じるが、所詮ただの化学兵器。私には通用しないがね。

 しばらく歩いていると、1人男が脚部と腹部から血を出して倒れていた。脚の傷は深いが腹部の傷は浅い方だった。

 私はその男を無視して通り過ぎようとしたが、

 「早く…闇の書を…破壊しなければ……」

 私の女神との至福の時を邪魔しようとするとは……だが、今の私は気分がいい。

 「ああ。邪魔だぞ。私の女神を愚弄するとは万死に値する。用済みの役者には退場願おうか」

 私はそう言って、男を近くの戦艦に転移させた。あの傷なら助かるだろう。殺すことは容易いが、女神と逢う前に人を殺すと女神が悲しむからね。私は女神の悲しませるようなことはしない主義だからね。

 

 

 

 「ああ。また私はまた人間を殺してしまうのか」

 私は周りの状況を見ると、どうやら今の所私は人間を殺していないようだ。

 「久しぶりだね我が愛しの女神よ。今日も貴女は誰よりも美しい。至高と信ずる」

 目の前に現れたのは、私が何度も世界を破壊しても唯一死なない存在のカリオストロだった。

 そしてカリオストロに逢う度に、何時の間にか私はカリオストロにすぐ逢いたいと思っていた。カリオストロは私のことを女神と呼び、逢いに来る度に美しい・愛しの女神・貴女に恋をした……などと言ってくる。

 さらに質の悪いことに、私が涙を流すと、カリオストロは私のことを撫でて、『貴女の泣いている姿も美しいが、貴女には笑顔でいて欲しいのだよ。我が愛しの女神よ』と恥ずかしいことを平然と言いながら私の頬の涙を手で拭き取りながら愛しい者を見るように頬笑んでくる。その事を思い出しただけでも顔が赤くなっていく。一体どうしたんだ私の体は?

 そう思っていると、突然カリオストロに撫でられた。

 「な、何をするんだカリオストロ!? 手を離してくれ!」

 カリオストロに撫でらられたことで私の顔がさっきよりも赤くなっていることを感じ、同時に嬉しく思っていた。

 「これはすまない。久しぶりに女神の美しい顔を見たのでな。抑えることが出来なったのだよ」

 カリオストロはそう言って、私の頭から手を離した。私は何故か離して欲しかったのに残念な気持ちになっていた。本当にどうしてしまったんだ私は?

 

 

 

 ああ。女神の顔が赤く染まっているのも素晴らしい。『メルクリウス』もマルグリットに対してこのような未知を求めていたのだろうか? 『メルクリウス』はマルグリットに触れたくても、マルグリットの呪いのせいでそれすら出来なかった。だから『女神に抱き締められて死にたい』という渇望が湧き、それがストーカーにまで発展したのだろう。だが、私はあそこまで変態ではないので理解できんというより理解したくないが。

 女神を抱き締めるのは彼女の呪いが解けてからだ。女神の本当の笑顔を見て抱き締めたいそれが私の思いだ。決してヘタレではないとだけ言わせてもらおう。

 「女神よ。今回は貴女の主から名前を貰えたのかね?」

 「……いや。今回も私の名前は貰えなかったよ。その前に闇に飲み込まれて消滅したよ」

 女神は悲しそうな表情でそう言った。その時、他の戦艦から女神には劣るが、膨大な魔力がここに向かって放たれようとしていた。

 「女神よ。今回はこれで貴女と別れるが、貴女を救える方法を必ず見つけ出すよ」

 私がそう言った瞬間、魔導砲が発射され、女神は地球の海鳴(・・・・・)に向かって闇の書になり転移した。

 これで舞台は整った。地球にはまだ幼いが、獣殿のような存在が2人(・・)いるのだからね。他にも初期の黒円卓の者が輪廻転生によって転生してるが、彼らを役者にするのかはまだ未定だ。

 そういえば、プレシア・テスタロッサと言ったかね? 今彼女は高魔力のクローンを作る『プロジェクトF・A・T・E』で娘のクローンを作っている。ならば彼女の娘のクローンを利用させてもらおう。女神が主演の歌劇の役者になれるのだ。光栄に思うがいい。そして、プレシア・テスタロッサよ。君にはツァラトゥストラの練習相手になってもらうよ。そしてそのまま退場してもらおう。

 私はこれから始まる歌劇のシナリオを決めながら歓喜した。女神よあともう少しで貴女の呪いを開放しよう。それまで待っていてくれ。私はそう思いながら地球に転移した。

 

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