ゼンゼロにいるマガイモノ   作:ヒナまつり

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 長い時間、黒い鉱石に満ちた都市を目的もなく歩く。

 

 ただ、ひたすらに。

 

 だけれど、変化は訪れない。いつも通りに襲ってくるエーテリアスと哀愁の漂う誰かの物品だけが散乱しているだけだ。

 

 昔は少しはヒトが居た。でも、そんな人たちはボクと同じにはなれなくて、完全なエーテリアスにナッチャッタ。

 

 初め怯えていたけど仲が良くなるほどに真っ白なおハナ畑が似合う笑顔を浮かべた少女も

 

 初めはボクを殺そうとしたけど、イロイロ話したら泣きながらボクを撫でてくれたギャング?のヒトも

 

 優しくて強くてボクにイロイロ教えてくれた初めての師匠も

 

 こんなボクを愛して色んなことを教えてくれた大好きだったオカアサンも

 

 全員、エーテルに呑まれちゃったの…。

 

 そしたら、皆…ボクを目の敵みたいに襲ってくるの。まだ終わってないヤクソクも思い出もワスレチャッタみたいに。

 

 そして、絶対最後にボクは皆に殺してくれって頼まれるの。

 

 オカアサンもギャングのヒトも…笑顔が素敵なあの子も、あんなに強くて尊敬していた師匠でさえも泣きながら…

 

 ボクはそれが苦しくて悲しいけど…ミンナも辛いから優しく殺してあげるの。そしたら、ミンナは救われるから。

 

 だけど、そうすると…ボクはひとりぼっちになっちゃうの。

 

 それは、皆と別れる時よりはツラくはないけどでも、暖かさがホシクなっちゃうの。

 

 だから、ボクと同じようにココに居ても平気なヒト…マガイモノを探していっぱい、いーっぱい探し回ったんだ。

 

 でも、結局どれだけ探してもボクと同じ、マガイモノはイナイみたい。

 

 ボク一人だけが変なんだろう…エーテリアスからもヒトからも恐れられて襲われる、そんな誰にも愛されないボクは、なんだかこの世界で一人取り残されちゃった気がする。

 

 だから、今はこうしてせめて話せるヒトを探しているの。

 

 だってボクはホロウに迷子になることもないし、ある程度大きいホロウなら直ぐにちょちょいと移動できるからツヨイから迷い込んだヒトを助けるのはトクイなんだ!

 

 まぁ、大体怯えられちゃうケド…でも、あのありがとうって言われた時、胸がアタタカクなるんだ。オカアサンはこの気持ちを大切にした方がいいって…言ってたから、今日も新しいホロウに向かったんです。

 

 「それで、そこで出会ったのが師匠たちとプロキシさんたちデス!」

 

 「ふむ、つまり…君は零号ホロウから来たってことかい?」

 

 「ゼロ号ホロウ…?ンー、確か助けたヒトがソンナコト言っていたカモ?」

 

 「えっ!?それじゃあもしかしてこの記事の白い救世主って君のこと!?」

 

 そう見せられた記事には零号ホロウにて、真っ白な髪に黄緑のインナーと淡い赤と青い目の少年の情報を求むと書いてあった。

 

 まぁ、インターノットでは眉唾物だと非難されているみたいだが。

 

 「ンンッ?確かにボクの見た目に似てますね?」

 

 「確かに、そういえば…色んな人を助けたって言ったけど一緒に外へ出てみようとは思わなかったのかい?」

 

 「…ダって、師匠はエーテリアスはソトに出れないって言ったんデスもん!」

 

 メグにとって師匠は刀の達人でなんでも知ってて、他に頼れる人もいなかったため、その情報は全て正しいものだと思っていたのだ。

 

 「なるほどね~?じゃあさ、ラーメンとかも食べたことないの?」

 

 「ラーメン?聞いたこともないデスね。どんなタベモノなんですか?」

 

 「それはもう、すっごく美味しい食べ物だよ!そうだ、お兄ちゃんもう聞きたいことは聞けたんだし─チョップ大将の所でごはん食べに行こうよ~!」

 

 「…それもそうだね。ただ、メグ君には少し変装をしてもらわないと。もし、メグ君が助けたことのある人に見つかれば面倒事になり得ないからね」

 

 そうして、アキラはクローゼットから衣装を持ってきたものの余りにもサイズが違いすぎて、正に衣装に着せられているような見た目になってしまった。

 

 「うーん、お兄ちゃん。これじゃあ…誘拐や虐待みたいに思われて逆に目立っちゃわない?」

 

 「…確かに。ふむ…もしかしたら、リンの服ならまだサイズは合うかもしれないね」

 

 「確かに!それじゃあ私も探してくる!」

 

 リンが服を持ってくるまでアキラが持ってきた服を真新しいものを見たように五感全てを用いてもみくちゃにしている姿がアキラは子猫を眺めているような感覚になり微笑ましいもののように暖かい目で眺めていた。

 

 続いて、リンが持ってきた服を着たメグを見たアキラは彼が男であることを否定してしまいたかった。

 

 何故ならば、メグの肩よりも少し長い髪と何処か儚さを感じられる幼くとも美しい顔立ちに華奢な身体のため、美少女としか見えないのだ。

 

 まぁ、服はリンの何処かズレたファションセンスにより少しは男の子ぽさも醸し出してはいるのだが。

 

 これはこれで目立ちそうだなと漏れそうになる口はリンからなる大きな虫の音によって書き消されてしまった。

 

 それに、今着れる服はこれしかないのだ。しょうがない…そう、しょうがないのだ。

 

 だが、その安易な判断が厄介事を引き起こさせる事をまだ、アキラは─まだ知らない。




大変遅くなりました。

現在、忘れた設定などを書き起こしながら書いてるため続きもこれまた不定期になります。
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