『いよいよ!
残るは決勝戦!!
先ずは一回戦を氷塊で最速で終わらせ、2回戦では緑谷と暑い激闘!
3回戦ではテクニカルに相手を翻弄したこの男!
スーパークールフェイス轟焦凍!!』
『対するは!!
予選で見せた圧倒的な身体能力!!
本戦では砲弾や酸をものともせず、傷を負っても回復する万夫不倒!!
いったい誰がコイツを倒せるんだ!!
禪院摩虎羅!!』
両者並び立つ。
「ソッチは使えんのか?」
「悪りぃが少し悩んでる。
…けど、もう挑発には乗らねぇよ。」
緑谷との試合のお陰でオリジンを思い出した轟にあの時の地雷は無くなっていた。
「そうかい。」
マシな顔になった轟を見て摩虎羅は期待が持てそうだと笑みを浮かべた。
『レディィィ!!!
GO!!!』
『穿天氷壁!!』
『先行はやはり轟!
一回戦で見せた大氷壁だ!!!』
先に仕掛けたのは轟だった。
摩虎羅が受け身で動くと判断した上で最大出力の氷壁は摩虎羅を巻き込み、場外へと押し出そうとしていた。
「だから温いんだよ。
…!!」
『正面から割りやがった!?』
ただの質量では摩虎羅を抑える事はできない。
迫りくる氷壁を拳で叩き壊し、結局前と同じかと落胆する摩虎羅に氷槍が突き刺さる。
氷壁は冷気を圧縮するための時間稼ぎだった。
圧縮された冷気は轟の手のひらから一直線に放たれ、摩虎羅へと到達した冷気は一瞬で摩虎羅を氷漬けにした。
『禪院摩虎羅が完全凍結!!
勝負あったか!?』
『(爆豪といい、摩虎羅の影響で火力が高い技を覚え始めやがった…要教育だな。)』
今回の大会を通して摩虎羅と戦った相手は摩虎羅を倒すことを前提に開発した技を多用している。
摩虎羅だから問題ないが、普通の敵なら重症は免れない威力であり、相澤は今後の教育方針をひっそりと再設定した。
「やれば出来るじゃねぇか。」
氷が割れる。
摩虎羅は氷漬け程度では既に止まらない。
だが時間は作れた。
「まだ終わらねぇぞ。」
『氷槍一揆』
接近した轟が放つ冷気が下から突き上げるように竹の如く氷柱となり摩虎羅を上へと突き上げていく。
突き上げられながら、摩虎羅は轟の左半身の炎を見た。
「ブラフか!!」
「悩んだ上でお前に挑みたくなった!!」
轟はギリギリまで悩んでいた。
自分の原点を思い出し、炎への抵抗感は薄れた。
だが、脳裏に母の姿が浮かび一度、母親と話して気持ちを整理するまで体育祭では炎を使うのをやめようと思っていた。
摩虎羅と戦うことよりも母と話したい気持ちが強かったが、準決勝での爆豪と摩虎羅の試合。
爆豪が全力で挑む姿に触発されたのもある。
そもそも、摩虎羅には最初の戦闘訓練での借りがある。
それ以外にも色々と親父に重なる部分もある我の強さは嫌いだし、人としてどうかと思う言動と性格も気に入らない。
過去に対して少し吹っ切れたせいか摩虎羅に対する一つの思いが顔を出す。
(一度で良いからアイツをぶっ飛ばしたい!)
要するに轟焦凍は禪院摩虎羅が嫌いなのである。
『赫灼熱拳・膨冷熱波!!』
「ぶっ飛べ!!」
圧縮された冷気により冷え切った空気に圧縮した炎をぶつけることによる熱膨張による莫大な空気の爆発は摩虎羅を空高く打ち上げた。
(壁が有ればここまで伸びるのか…!)
打ち上げられながら摩虎羅は轟の成長に感動していた。
爆豪の時もそうだ。
己という壁を超えるために二人は摩虎羅の予想を超えて強くなる。
それはとても。
「…羨ましいな。」
摩虎羅には一生得れぬ経験。
壁を超えるという達成感や爆発的成長は摩虎羅には訪れない。
工夫をし、歯を食いしばり、限界を超える素晴らしさを摩虎羅は知らない。
だからこそ羨ましい。
「決めた、どんどん壁を用意しよう。」
満面の笑みを浮かべ摩虎羅は決意した。
「ま、それはそれ。」
一通りの感動を味わうと、摩虎羅は空中で姿勢を整えて空を駆け出す。
『Oh…空を蹴ってやがる…。』
実況のプレゼント・マイクが呆れている。
空間を蹴り、下へと駆けながら摩虎羅は右腕を構えて拳を握る。
「マズイ!!」
摩虎羅が何をするのか分かったセメントスは観客席をセメントで覆い始める。
フィールドの轟も既に分厚い氷を展開して防御の姿勢を取っていた。
『一骨』
行った事はシンプル。
落ちながら空間を蹴ることで、重力と筋力を上乗せして摩虎羅が本気で地面を殴りつけただけ。
それだけで、雄英高校を中心に大地が揺れた。
ギリギリセメントスが間に合い、客席への被害は免れたが落下地点となったフィールドは壊滅状態であり瓦礫と氷の山となっていた。
漸く体育祭編が終わる。
因みに膨冷熱波に赫灼熱拳をつけたのは、圧縮した冷気と炎で起こした技だからです。
エンデヴァーは帰らなければ良かったのにネ
今回の摩虎羅のされたこと。
氷で打ち上げられた上に熱波で更に打ち上げられたので、感動しながら姿勢を変えて空間を蹴りつけながら重力を味方にして助走つけて殴った。
なんだコイツ