僕のまこーらアカデミア!   作:ボリビア

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ステインどうすっかな。


振替休日に適応する。

 轟は無事だった。

 摩虎羅がワザと直撃を外していた事により、衝撃波による全身打撲を追ったが命に別条は無かった。

 表彰式は飯田が諸事情により欠席し、摩虎羅、轟、爆豪の3人のみの表彰となった。

 

「私が表彰に来た!!」

 

 中央に登場したオールマイトの存在に観客席から歓声が上がる。

 今年度から雄英高校にオールマイトが赴任した事で体育祭での上位者にはオールマイトから直接メダルを渡される特別な授与式になったのだ。

 

「先ずは三位!

 爆豪少年おめでとう!」

 

「…ウッス。」

 

 オールマイトからの三位という言葉に気に入らないながらも、負けた結果を飲み込んだ爆豪は静かに銅色のメダルを受け取った。

 

「…負けた後に冷静に自己分析はヒーローでも難しい。

 なら私からは簡潔に言わせもらう!

 準決勝、ナイスガッツだったぜ!!

 これからの成長に期待させてもらう!」

 

 既に結果に納得し、分析を行っている爆豪の冷静さを称賛したオールマイトは次に轟へと声をかけた。

 

「二位!

 轟少年おめでとう!

 どうやら色々と吹っ切れたみたいだね!

 スッキリな顔をしている。」

 

 焦燥感のある追い詰められた顔ではなく年相応の純粋で穏やかな顔つきになった轟を見たオールマイトは間違いなく轟こそが、   

 今回の体育祭で一番良い影響を受けたのだと確信した。

 

「緑谷のおかげです。

 まだ完全に吹っ切れるにはしなきゃいけないことがあります。  

 けど、摩虎羅を吹っ飛ばせて気持ちよかったです。」

 

「感情を表に出すのは大事なことだぜ!

 今後もガンガン吹っ飛ばしてあげな!」

 

 オールマイトとしても摩虎羅の性格は頂けない。

 寧ろこれくらいのガッツある存在が身近に居たほうが良いかもしれないと轟を後押しした。

 

「そして一位!

 摩虎羅少年、圧倒的だな!

 けど、二人の最後の技は冷や汗ものだっただろう?」

 

「ま、期待以上の活躍はしてたかな。」

 

 二人の技はオールマイトでさえ受けたら不味いと思わせる威力があった。

 

「ならこれは予言だ!

 二人は、いやヒーロー科の生徒は必ず君の期待を飛び越えていくよ!」

 

「フッ。」

 

 オールマイトの言葉を摩虎羅自身も期待しているからか、否定はしなかったが、一度二人を見てから鼻で笑い、その一連の仕草を見た轟と爆豪は強く睨み返す。

 

「「…!」」

 

「血の気が多いのは良いことだが!

 今日はこれ以上は無しだ!」

 

(活動限界が近いからマジで辞めてくれよ!)

 

 このままおっ始めようとする三人を内心冷や汗をかきながら、オールマイトが制止させて締めの演説を行っていく。

 

「それでは皆さん!」

 

「Plu「お疲れ様でした!!!」

 

 最後にオールマイトがズレた挨拶をして体育祭は終わり、各々の生徒達は振替休日を満喫していた。

 一人は職場体験に備えて体を鍛え直し。

 一人は己の過去と向き合うために病院へと足を運んだ。

 そして摩虎羅は父親からの電話に呆れていた。

 

「見合いだぁ?」

 

 あまりにも前時代的な話に思わず摩虎羅は聞き返した。

 

『前にエンデヴァーと話したと言っただろう。』

 

 確かに体育祭の時にそういう話をしていた。

 だからと言って本当に話が実現するとは思ってはいなかった。

 

「…良く受けたな。」

 

『あくまで見合いであって本人の意志を尊重するとのことらしい。』

 

「少しでも圧をかければエンデヴァーが出てくると。」

 

 どうやらエンデヴァーは飽く迄も見合いという体裁で対応し、禪院家が権力を傘に迫ればヒーローとして対処するつもりであるらしい。

 

『昔の義理で仕方なくが半分、期待半分と言った所か。

 中々奴もたぬきだな。』

 

 禪院家はエンデヴァーに氷叢家を紹介した恩がある。

 その借りを解消しつつ、本人同士の相性という体裁で破談になるもよし、上手く行けば強力な孫も手に入る可能性もある。

 エンデヴァーから見ると、どう転んでも最低限禪院家への借りを精算が出来つつ、現状維持かそれ以上の成果が得られる。

 

「なら適当に流しても良いって訳か。」

 

 面倒くさいから適当に破談にしようと考えた摩虎羅に待ったが入る。

 

『いや出来れば口説け。』

 

「…俺が出来ると思うか?」

 

 そもそも摩虎羅は性欲が薄い。

 昔から『適応』によって進化し続ける肉体に死の危険はなく、生存本能が刺激される事も少ない。

 性欲以外にも食欲や睡眠欲も最適化されて最低限で済む。

 

『一度で熱系と氷系の個性を獲得できるチャンスだぞ?

 ま、お前の個性ならどんな女と繋がろうと次の世代は優秀だろう。

 流すなら直哉に話を持っていけるように上手く流せ。』

 

(面倒くせーが、仕方ないか。)

 

 禪院家にはここまで育ててもらった義理がある。

 それに直毘人は基本的に摩虎羅の行動に寛容であり、強制をしたことなど一度もない。

 滅多にない頼み事でもある為、仕方なく摩虎羅は見合いを受ける事にした。

 

「…貸し一つな。」

 

 了承の意を伝えて電話を切り、摩虎羅は適当に横になりながら、見合いの事を考えていた。

 

(…見合いか。

 どうせ親父の事だからエンデヴァーのガキ全員と繋がりを持たせようとしてるだろうから家としても流しても問題ないな。)

 

 見合いを受けると言ったが真面目にやる気はない。

 そもそも親父もとい禪院家が氷叢とエンデヴァーの血を手に入れるチャンスを逃すはずがない。

 既に息子の方にも手を出す機会を伺っているのだろう。

 

(つーか初回はともかく下手したら2回目から必中の可能性あるから、マジで面倒なんだよな。)

 

 『適応』は自動発動のため、摩虎羅にコントロールが出来ない。

 そのため、一度でもソレを経験した場合の可能性を考えると摩虎羅は子沢山の未来を想像して顔を顰めた。

 

(ま、気にしてもしかたねーか。)

 

 思考を放棄した摩虎羅のスマホに通知音が鳴った。

 見ると、暇つぶしに買った馬券の結果だった。

 

「…また外れやがった。」

 

 最近の摩虎羅は己の能力が一切関与しないギャンブルにハマっていた。

 

 

 

 

 

 




特に危機でも何でもないギャンブルは個性が発動しないし、自分が関与する可能性0で思い通りにならなくて楽しいらしい。
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