僕のまこーらアカデミア!   作:ボリビア

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さて、誰が風呂敷の使い方教えてくれ。


芸術に適応される

 勝負は一瞬で片が付いた。

 

「なるほどね、海外の個性活性薬でドーピング。

 自分自身すら死にかける程まで強化したっていうよりはさせられたのか。

 ガキのくせにここまでして馬鹿じゃねぇの?」

 

 毒ガスの威力が上がったのは単純に海外の違法ドーピングによる一時的な強化によるものだった。

 未熟な中学生の肉体には強すぎる薬であったようで、摩虎羅が見つけた頃には意識が朦朧としていた。

 摩虎羅が軽くのして気絶させると毒ガスの発生は止まり、一応の解決となった。

 しかし、それは罠だった。

 

「け…けどお前を釣る、え…エサになった。」

 

 毒性の強いガスに即座に気付いて対応出来る人間は摩虎羅位であり、彼らの狙いは摩虎羅だったのだ。

 

「あん?」

 

 木々の中から嘲笑を見せながら現れた青年は手を土地に当てて個性を発動する。

 

『潜航師・傀儡』

 

 すると、土地そのものが意思を持つかのように摩虎羅を包みこんで一気に地下へと沈めていく。

 周辺の土を集めて元の密度の何倍にも推し固めながら摩虎羅の身動きを縛り地下へと地下へと追いやっていく。

 一瞬で摩虎羅がいた場所は只の更地となった。

 

「おー相変わらずの早業だぜヴィーゴの旦那。」

 

 木々の影から芸術家・潜航師の技を眺めていた男が顔出す。

 上半身裸にエプロンを着用した男は同僚の技に感心していた。

 

「こ…こいつ閉じ込めるだけの、か…簡単な仕事。」

 

 芸術家を名乗る彼等は法を冒した芸術を作り上げる異常者集団に所属する生粋の敵であり特に二人は要注意人物として指名手配されている。

 潜航師を名乗る彼は『個性・同化』によりあらゆるものに同化して内側から変形させたり、二つの物を同化させて芸術を生み出していく。

 組屋鞣蔵、彼は本名で活動しており『個性・加工』によりあらゆる素材を使って家具を作り上げる。

 彼等二人が危険人物とされているのは人間も素材の範疇として認識しており、彼等の作品は専ら人間をメイン材料にした創作を行っているからだ。

 

「そんじゃ創作活動始めっか!!

 今日は良いハンガーラックを作りたい気分だから、背が高い奴を狙おう!」

 

 組屋はお気に入りの斧を片手に合宿場の方へ向かおうとするが、潜航師が待ったをかける。

 

「す…少し待った方が良い。」

 

 一方、森の高台で一人の異形が個性を発動していた。

 

『さあ、大地の偉大さに敬服なさい。』

 

 文字通り大地が揺れる。

 

「きゃあ!」

 

「な、何だ!」

 

「地震!?」

 

 突然の地震に生徒達がパニックに陥るなか、合宿場と彼等の居る森を覆うように大量の木々が育ち、飲み込むようにドームを形成していく。

 中央が塞がれてないのは、中の植物達の光合成の為だ。

 

『これで、彼等は籠の中の鳥。

 ここの森はあまり火が得意ではないので気を付けなさい。』

 

 彼女は超過激環境活動家として指名手配されている女性で、

 通称:花御。

 個性の影響か見た目が異形に近く、彼女の言語は直接頭に響くような独特な声を放つ。

 個性は『樹海』あらゆる植物の支配と成長を司り、彼女は幾つかの街を個性により樹海に沈めた凶悪敵である。

 彼女が誰かホークスには直ぐにわかった。

 

「木のドーム!?

 状況は!?」

 

(この個性…!

 環境家と手を組んだか!!)

 

『炳部隊は既に潜入済みだ。』

 

『アタシもとっくに中にいるぜ!!』

 

『今から破壊します!』

 

 リューキュウは巨大に任せて木々のドームに突っ込んで穴を開ける。

 即座に穴を塞ごうとリューキュウごと締め付けるように伸びてくる枝を個性を解除し人型に戻りすり抜けて内部に侵入した。

 

『…結界に一瞬、穴が開いた様です。』

 

 自分の操作した木々とは感覚が繋がっている花御はその侵入を感じ取っていた。

 

「教師か、トカゲ共は何してんだ。

 まあいい開闢行動隊、任務スタートだ。」

 

 今回の作戦の頭である荼毘は公安が用意したプロヒーローの存在を知らない。

 故に脱出を試みた教師だろうと流して、任務を開始する。

 

「まこらんの血が飲めないのは残念だけど、女の子の友達欲しいです!」

 

「若いね〜、オジサンも頑張りますか!」

 

「肉、にくぅ!!!」

 

 トガヒミコ、コンプレス、ムーンフィッシュは遊撃兵として森の中を飛び出していき、トゥワイスは味方を増やしていく。

 

『便利ですねトゥワイス。』

 

 トゥワイスによって増やされた己を見て花御は個性の利便性に純粋に称賛した。

 

「一人しか増やさねぇ、二人以上は増やしたくねぇ!!」

 

 荼毘や花御といった操作系や放出系の個性持ちを増やすことで、火力を2倍に増やしていく。

 分身した荼毘は脳無の統率と火力支援、花御の目的はフィールド操作による分断とターゲットの捕獲である。

 敵達が動き出した頃、摩虎羅は地中に居た。

 

(ガチガチだな。)

 

 潜航師によって、摩虎羅は地下奥深くまで念入りに埋められており、圧縮されて固められた土により完全に身動きがとれなくなっていた。

 

(殺せないなら念入りに封印するって事は俺に勝てないって宣言してるもんだから敵の質は低い。)

 

ガコン!

 

(このレベルの生き埋めは経験が無いから打破出来るレベルの『適応』まで時間がかかるな。

 さっさとサーチで見つけてくれれば良いが。)

 

 『適応』の効果は第一に生存に向けた適応が始まり、その後解析が進んでいく。

 生き埋めから脱出できるレベルの適応が行われるまで、感覚的に10分もない。

 

(向こうも俺を封印し続けるのは不可能だと分かってるはず。

 電撃作戦で一気に仕掛けてくるな。

 …何人死ぬか分かんねぇけど、しっかり敵討ちはするから勘弁してくれ。)

 

 対摩虎羅という観点でみれば恐らく今のA組では荷が重い。

 

(ホークスは仕事してんだろうな?)

 

 一方その頃、拳藤と鉄哲は危機に陥っていた。

 

「コイツ脳無って奴じゃ!?」

 

 赤い信号弾が打ち上げられたのを見た二人は即座に合宿所に戻ろうとした所、脳無と鉢合わせしたのだ。

 脳無は二人を視界に捉えた瞬間、容赦なくその拳を振り下ろそうとしていた。

 

「拳藤危ねぇ!!」

 

 鉄哲がとっさに個性を発動し、拳藤を庇おうと前に出る。

 その判断は甘いと言っていいだろう。

 眼の前の脳無は怪力型、二人を纏めて叩き殺すには十分な腕力を備えている。

 二人に拳が振り下ろされた瞬間、砲撃音と共に脳無がふっ飛ばされた。

 

「お二人共無事ですか!?」

 

 砲撃を放ったのは八百万だった。

 体育祭の時のように肩から大砲を生成し、脳無を吹き飛ばしたのだ。

 吹き飛ばした脳無は既に傷を修復し立ち上がろうとしていた。

 

(やはり、再生持ち!)

 

 再生する様子を見て、摩虎羅のアドバイスが脳裏を過る。

 

『もし、脳無が出て、再生持ちなら関節を狙え。

 そうすれば再生中は動けん。

 さらに可能なら返しがついた杭かなんかを関節に打ち込めば無力化出来る。』

 

 八百万は大砲の弾頭を返しのついた杭に変えて、関節を含めて全身に何度も容赦なく撃ち込んでいく。

 四肢の関節に杭を撃ち込んだのを確認すると八百万は脳無に近付き、パイルバンカーで巨大な杭を脳無の腹に撃ち込んで地面に固定した。

 

「これで暫くは時間が稼げます!

 お二人は私と一緒に救助と避難を!!」

 

「お、おう。」

 

「た、逞しいね。」

 

 余りにも躊躇なく人体を破壊していく様に二人は少し引いた。

 一方その頃、森の奥の方では爆豪と轟が脳無を処理していた。

 二人が当たった脳無は全身に刃が生えているものの再生持ちではなく、一瞬では鎮圧された。

 

「他愛もねぇな。」

 

「襲撃に赤い信号弾、どうする爆豪。」

 

(行先を変更した合宿に襲撃…)

 

 USJ襲撃と今回の一件から生徒の中にスパイが居ることは爆豪勝己の頭の中で確定した。

 

「…チッ!

 気に入らねぇな。

 半分野郎、一度戻るぞ。」

 

「いや、此方の部隊と合流だ。」

 

「「!?」」

 

 暗闇からいきなり聞こえた声に二人は警戒して構える。

 すると顔を出してきたのは爆豪の知る人物だった。

 

「炳部隊が来てんのか!」

 

 禪院家の最強の実行部隊である炳筆頭、禪院甚壱だった。

 

「摩虎羅の策だ。

 他にもプロヒーローが何人か来ている。

 お前ら二人は俺等が保護という名目で此方の部隊として動いてもらう。

 想定より敵の規模がでかい。

 行けるな?」

 

「上等だ…!」

 

「はい、行けます!」

 




原作との違い。
 肝試し開始直後ではなく、肝試しが始まってからの襲撃。
 原作の開闢行動隊+超過激環境活動家+芸術家2名+多数の脳無というマシマシ構成。
 なお、摩虎羅一人に負ける可能性大。
 PSYREN良いよね。
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