シャーレの初任務
不良集団からのシャーレ奪還作戦から早、二週間がたった。
シャーレに正式に赴任した後、最初はこの世界の常識が分からず、ことあるごとにアロナさんに質問していたのだが、そのたびに『こんなことも分からないんですか!?』と言われ、顔から火を噴くところだった。
そして、この世界で先生をするにあたって、街へ出てみたのだが、やはり凄い。戦闘中は初めての陸戦で眼がいかなかったが、人型の機械や動物が普通に二足歩行で人間のように生活しているし、普通の人間のように見える人々も、頭の上に輪が浮いていた。街は夜でも明るく、それどころか24時間やっている店も当たり前にあった。最も驚いたのはまるで、日用品のように銃が出回っており、銃を扱う店がそこらかしこにある上、まるで前世の喧嘩感覚で銃撃戦があった。しかし、生身で銃で撃たれているはずなのに、けがをしておらず。あっても少々血が出る程度で、さほど効いていないようだった。何故かと考えてもみたが、答えが出るわけもないので、考えるのをやめた。
そして、現在は仕事をする上で重要だというパソコンなる機械の操作に四苦八苦しているところだ。
宮部「……インターネット?ブラウザ?」カタカタ
宮部「この世界で生きるのも大変だな……」
ブー ブー ブー
アロナ「おはようございます、先生!」
宮部「おはようございます」
アロナ「ここ数週間、シャーレに関する噂もたくさん広まってるみたいですし、他の生徒達から助けを求める手紙も届いています」
アロナ「良い兆候です!私たちの活躍が始まるということですから!」
宮部「良い兆候……ですか」
アロナ「ですがその中に……ちょっと不穏な、こんな手紙がありまして」
アロナ「これは先生に一度読んでもらった方が良いかなと。」
宮部「これですか……」ペラッ
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連邦捜査部の宮部先生へ
こんにちは。私はアビドス高等学校に奥空アヤネと申します。
今回どうしても先生にお願いしたいことがありまして、こうしてお手紙を書きました。
単刀直入に言いますと、今、私たちの学校は追い詰められています。
それも、地域の暴力組織によってです。
こうなってしまった事情は、かなり複雑ですが。
どうやら、私たちの学校の校舎が狙われているようです。
今はどうにか食い止めていますが、
そろそろ弾薬などの補給が底を突いてしまします。
このままでは、暴力組織に学校を占領されてしましそうな状況です。
それで、今回先生にお願いできればと思いました。
先生、どうか私たちの力になっていただけませんか?
アビドス高等学校 奥空アヤネ
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宮部「……」
アロナ「うーん……アビドス高等学校ですか……」
宮部「何かあったんですか?」
アロナ「あっ!いいえ……」
アロナ「ですが……」
アロナ「昔はとても大きい自治区でしたけど、気候の変化で街が厳しい状況になっていると聞きました」
アロナ「どれほど大きいかというと、街のど真ん中で道に迷って遭難する人がいるぐらいだそうです!」
宮部「そんなに……」
アロナ「あはは、まさか、そんなことがあるんでしょうか……?いくらなんでも街のど真ん中で遭難だなんて……」
アロナ「さすがにちょっとした誇張だとは思いますが……」
宮部「……」
アロナ「それより学校が暴力組織に攻撃されているなんて……ただ事ではあなさそうですが……」
アロナ「何かあったんでしょうか?」
宮部「とりあえず……すぐにでも出発しましょう」
アロナ「すぐに出発ですか!?さすが、大人の行動力!」
アロナ「かしこまりました!すぐに出発しましょう!」
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シャーレ 格納庫
宮部「やるか……」
まずは、機体の確認を行う、発動機、胴体、主翼、各部フラップの動作を確認した後、胴体下に取り付けられた、二十五番通常爆弾を確認する。これは、元々、特攻用に胴体に固定されていたものを、付け直し、投下できるようにしたものだ
確認が終わると、シャッターを開けた後、零戦の慣性始動機にクランクを突き刺し、回転させる
ウゥゥゥゥ……!!
慣性始動機の唸りが回転と共に大きくなっていく。そして、ある程度音が大きくなった後に、クランクを引き抜き、急いで操縦席に乗り込み、発動機を始動させる
ドドドドド…… ブオォォォォ……
宮部「各部計器、異常なし」
ブレーキを解除し、滑走路へと出ていく
そして、滑走路へと着くと、計器の最終確認を終わらせる
宮部「速度、高度、出力、油圧、温度、回転数……各部異常なし」
そして、最終確認を終わらせると
宮部「宮部機、発進する!」
発動機の出力を上げ、滑走路を高速で滑走させる
ブォォォォ!!
しばらくすると、ふわりと浮き上がる感覚と共に、零戦の車輪が浮かびあがる
宮部「離陸よし」
高度を上げ、ビルにぶつからない程度にまで上昇する
宮部「アロナさん、アビドスまでの地図をお願いします」
アロナ「はい!分かりました!」
シッテムの箱の画面に現在位置が表示される。このGPSなる装置の凄さは、初めて見たときは、息をのむほど驚いたものだ。もし、この装置が日本にあり、全ての航空機に載せられていたら、どれほどの搭乗員が救われただろうか……
そんな事を考えながら、シッテムの箱の表示どうりに航路を正し、飛行していった
……そして、アビドス自治区についたものの
砂嵐に巻き込まれて、零戦の発動機が停止してしまい、街のど真ん中で何日も遭難してしまった