取り敢えずはウェザエモン戦まではこの作品メインで執筆します故気長にお待ち下さい。
それでは、どうぞ
『『『ガァァァァァッ!?』』』
狂ったように身を悶えさせ、巨体が文字通り森を揺らす。
これでもかと見開かれた一つ目の瞳孔は震え、その焦点は定まっていない。
「ん、危ないッ」
そしてそれに伴ってか両翼に並んでいた無数の瞳が紅く染まり、涙の如く零れ落ちるように光弾が乱射される。
狙いはほぼ定まっておらず、
視界を埋め尽くし、暗闇に包まれている筈の森を影なく照らしてしまう程の量の光弾が制御を失い不規則な軌道を描いて辺りに散らばる。
当然近場にいたジョシュアもその餌食となり、身に纏う膜が1層ずつ割られて行く。
「《豪雨乱撃》ッ……!ッ!」
迫る光弾を『カポーテ』で殴り落としても尚3層削られた所で漸く射程範囲から逃れられた事に驚きつつジョシュア顔を上げれば、そこに広がっていたのは地獄絵図。
並び立っていた木々は半ばからへし折れたり根元から土を嫌って飛び出したりと散らかって、地面は無造作に放たれた光弾によって穴凹だらけ。
本来彼らが守ろうとしていた筈の森は皮肉な事に彼ら自身の手で無残な姿に代わりつつあった。
しかしそんな事実に気付いてないのか、それとも現実から目を背け続けているのか、『終末鳥』は身体を震えさせた後にギンッ、とジョシュアを睨みつける。
『『『お前お前お前お前お前お前お前お前お前ェッ!!』』』
「わぁ大声……いいよ、掛かっておいで」
逆恨みも甚だしいがそんな判断が出来る正気が残っているのならこんな事になってはいない。
故にジョシュアが選ぶのは継戦、未だ止まらぬ終焉の権化を鎮めるために迫る剛腕を何とか逸らしつつ次の核を探し出そうと走り出す。
「さっきのは多分『大鳥』の分の核、だからあと2つが何処かにッ!?」
次の瞬間、足が何かに絡め取られてつんのめる。
倒れそうになった所をギリギリで踏み止まりバッと足元を見れば見覚えのある縄の輪が左足に引っかかっていた。
「これ『審判鳥』の、ん"ッ!?」
即座にインベントリから致命の包丁を取り出して切断しようとしたもののそれよりも先に強制的に縄が引かれ、ジョシュアの身体もそれに伴いさながら一本釣りされたマグロの如く宙を舞うように投げ出される。
「ッ、と、シィッ!」
『『『逃すものかァッ!!』』』
「《ムーンジャンパー》ッ!」
何とか空中で縄を斬り落とし宙を蹴って方向転換、背中スレスレに通り抜けた『終末鳥』の叩き付けは地面を抉り破片を散らばらせた。
その被害跡を見れば込められた力と殺意の高さがヒシヒシと感じられる。
『『『何処へ行くゥッ!』』』
「よっ、とっ、ほっ!」
跳んだ先の木々を渡り移り次の核を探す最中にも絶え間なく自立して動く縄達が何処からともなく現れてはジョシュアを拘束しようと迫っている。
さながら高性能ミサイルに追っかけられる戦闘機のような気分になりつつも、器用に森の木を足場に使って回避し続けていくジョシュア。
『『『これならばどうだ!』』』
それに痺れを切らしたのか、『終末鳥』が新たなモーションを見せた。
空中に光が集まり、形作られたのは左右の皿の大きさがズレた天秤。
リィンッ
そして天秤は傾き判決が下される。
ガクンッ
「んッ!?」
辺りに音叉を打ち鳴らした時のような音が鳴り響いた瞬間、突如としてジョシュアの左足から力が抜け崩れ落ちるように膝を付き、そのままバランスを崩して倒れ込みそうになる。
「ッ!」
ジョシュアはそのまま地面に目掛けて咄嗟に《ワンショット・アーツ》を放つ。
その反動により身体は横方向へと転がり、元いた場所目掛けて殺到した縄から何とか逃れたものの、未だに足の力は戻って来ない。
「強制的な行動制限…
『『『逝ね』』』
ガッ!?」
しかしバッとジョシュアが顔を上げようとした瞬間、身体に尋常では無い程の衝撃が走り、そのまま横方向に吹き飛ばされる。
幸いと言っていいのかは謎だがすぐに太めの木に衝突し勢いが減衰、空中で姿勢を制御して何とかダメージを最低限にして着地出来たものの、咄嗟に出した右腕と強打した背中には確かな痺れが残っていた。
(さっきとはスピードが段違い…いや違う!極小距離での転移!『大鳥』の「目」は潰したから今度は『審判鳥』の「天秤」の力?ならこのワープは首吊りの縄を出現させる奴の応用…いや多分コッチは『終末鳥』自体の能力か、この
「ッと!おちおち考えてる暇もないッ!」
『『『フンッ!』』』
まだ動く右足で跳び、再び迫っていた『終末鳥』の攻撃を回避する。
未だ力の入らぬ左足がそのまま錘となっているからか多少余裕が削がれているのが見て取れるが、それでも宙を舞う中でも迫る縄達をどうにか切り抜けてゆく。
「……ッ!」
片足の機能が失われ、無限に拘束攻撃が飛んでくる。
更には一切ダメージの入らない無敵の追跡者がすぐそこまで迫っている。
「ッ」
脳内でクソゲーハンターの友人が「うーん、ナイスクソゲー。ここまでプレイヤー不利だと逆に清々しいわ」とサムズアップをしているのが容易に想像できるような状況。
「あっははッ!」
しかしジョシュアの顔にあるのは笑顔だった。
右手のガントレットは赤熱して火を吹き縄を燃やし、左手の致命の包丁で残った縄を切断する。
万全とは言い難いものの、それを補うかの様に【奮進再臨】で得たバフが身体に力を覆わせ支えていた。
「ありがとう、沢山動き回らせてくれて」
不格好ながらも大地を踏み締め、目の前の大いなる存在と視線を合わせる。
その数瞬後、両足首に3重の輪を纏った。
「お陰で見つけられた」
『『『ッ!!!』』』
ほぼ反射的に叩き潰しにかかった『終末鳥』が動くよりも早くジョシュアが《八艘跳び》を起動して右足のみで跳ぶ。
ただし、離れるのではなく『終末鳥』へと肉薄する方向に。
「ん、ちょっとごめんね!」
『『『ぬぐぅッ!?』』』
大口を開ける胴体の上、その肉体の大きさとは対象的に細く頼りない首に腕をフックのように引っ掛けて回転する。
突然行われる疑似大車輪という名の絞め技は無敵性を有した肉体にも少しは有効だったらしく巨大な一つ目を見開きえづくような動作を見せたが、ジョシュアはそれをガン無視してとっとと腕を離して大車輪で付けた勢いでポーンと飛んでいった。
「観察して気付いた、あの子の縄はどっからともなく出て来るけど……」
まるで一つの生物のように敵を捕らえんと絶え間なく迫る縄の群れ。
それを器用に潜り抜けた先には──
「その縄が引こうとする方向は常に一定だった!」
包帯が横向きに巻かれた、『審判鳥』の頭部のような見た目の卵型の核が鎮座していた。
「やっぱりあった、さっき壊した『大鳥』の核みたいにあの子達由来の能力は核を中心に発動してるっぽいね」
不自由な左足のせいで着地に少し手間取り、歩行に苦戦しつつも考察を止めない。
「派手に行こうか!幻想水膨!」
既に魅力の力は『大鳥』の卵を壊した事で無くなったと判断し、手に纏っていた『カポーテ』をEGOギフト……赤熱した金属製の牛の角として『懺悔』の茨の冠と切り替えるように装備する。
そして変化した『カポーテ』とインベントリに仕舞った致命の包丁の代わりに手の内に現れたのは、
『断首魚』の胸部の袋が黒い背骨のようなデザインの柄の先に付いたようなハンマー。
「」
ヘッドに該当する部分にて赤い液体が渦巻き、内側には脳と脊髄のような物が鎮座するハンマー……E.G.O『水袋』を思い切り振り被る。
ポヨヨンと揺れる様子を見ると柔らかそうだが、とんでもない勢いで振るわれた『水袋』は、
「《崩々壊撃》ッ!」
2つ目の核に一撃で罅を入れた。
『『『アガァッ!?』』』
すぐ後ろに転移してきていた『終末鳥』は核の損傷に応じるように苦しみ悶える様子を見せ、攻撃の手を止めた。
しかし流石は人知を超えた存在である幻想体が三体も合わさった化け物と言うべきか、即座に復帰し己を害する存在を消そうと動き出す。
「えいえいッ」
その気配を背中にヒシヒシと感じながらもジョシュアはハンマーを振るい続ける。
『『『これ以上の蛮行は許さんッ!!』』』
「ん、蛮行云々で君達に言われたくないッ!」
背後から放たれた巨腕による押し潰しを《クイックステップ》で横方向に回避、未だ動かせない左足を何とか上手くいなして地面に降り立つと続け様にコチラを睨む『終末鳥』と壊れかけの核を視界に収める。
「ん、十分
そして鎧として展開していたEGOの力を行使し、すれ違うと同時に非常に重い一撃を叩き込んだ。
憂鬱を齎す力を纏った一撃は核の中心を撃ち抜き、
ガァンッッッ!!
辺りにけたたましい音を響かせる程の振動が未だ暗い黄昏に包まれた森に解き放たれる。
パキッ
その瞬間、また一つ森の怪物を構成するものが崩壊したのだった。
〜皆も挑もう!『終末鳥』の攻略ポイント ②〜
・『終末鳥』は基本的に合体した3羽の能力を使った行動をしてくるよ!冷静に判断して対処しよう!
・3羽の能力は対応する核を破壊することで無効化出来るよ!先ずは魅力と強制的に遠距離攻撃の狙いを逸らすのが厄介な『大鳥』の核を破壊するのが良いかもね!
・『審判鳥』の縄は「魂を殺す力」があるよ!絞首刑用だから括られて引っ張られた部位は「殺された」判定になって機能を停止するんだ!今回は左足だったけど首だったら即死だったね!
・核を破壊するごとに『終末鳥』はブチギレて更に攻撃が苛烈になるよ!普通に攻撃を振り被りながらワープしてくるからいきなり目の前にデッカイ腕が現れるかも!?
後書きにシャンフロ劇場ミニや小ネタシリーズは
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いる
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いらない
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セルマァ……