司書補J、シャンフロにて奔走する   作:ゲガント

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中々投稿出来ず申し訳ありませんでした。
仕事量の増加や新しい作品の原案を練ったりで遅くなりました。
筆が乗るまでもう少しお待ちいただけたら幸いです。



それでは、どうぞ


『The Tale of The BlackForest 』

「……んー、楽しかった」

 

黄昏の化身の瞳へと刃を突き立てたと同時に完全な落陽を迎えて視界が闇に染まり、身体が浮遊感を感じ取ったかと思えばそのまま真っ逆さまに落ち始める。

 

突然のフリーフォールだがジョシュアは特に慌てることもなく先程までの激戦を頭の中で思い返して笑みをこぼしていた。

この暗闇に呑まれてからどれぐらいの時間が経っただろうか、そんな事を考えながらただその流れに身を任せて落ちていく。

 

「勝てた筈、だけど……何時まで続くんだろこれ」

 

今まで相対してきた幻想体達も仕留めた後には世界が丸ごと切り替わるように暗闇に放り出された数秒後にそれぞれの心象世界へと降り立てたのだが、今回は少しばかり様子が違った。

3羽分の情報量故に処理が難航しているのか、それともビナーが別々の3冊を一冊の物語として無理矢理紡ぎ直した故のバグか、はたまたそれらとはまた違った理由か……何にせよ、今現在は情報不足で断定するのもアレなのでただひたすらこの世界の切り替わりが終わるのを待機し続ける。

 

「ッ!」

 

自由落下の最中、突如としてガクンと空間自体が揺れるような感覚が駆け巡り周りの景色に色彩が戻った。

 

落下スピードは減衰していってジョシュアが姿勢を変えて着地しようとした頃には浮遊といえる位にまで収まっており、落ち着いて周囲を確認出来る程の余裕が生まれる。

 

「さっきと同じ森かな」

 

よくよく観察してみればジョシュアが降り立ったのは先程まで探索し駆け抜けた『黒い森』だった。

煤けたように真っ黒な木々は相変わらず特徴的で若干物々しいのだが、何処となく雰囲気が柔らかく感じる。

 

そして何よりも一番の違いは、光の有無だった。

 

「……ん、眩しい」

 

いつの間にか木々の隙間に柔らかな陽光が差し込み始めており、長く暗闇に居たジョシュアは突然の光量に思わず手を翳してしまう。

 

 

 

どうやら夜明けのようだ。

 

 

 

「…………」

 

導かれるように光が指す方へと歩き始める。

 

過ぎていく景色には先程までの戦いの形跡など何処にもなく、ただひたすらに静まり返った森が続いていた

 

そんな中、日の光を遮る木々の間を抜けるように行けば

 

 

『……』『……』『……』

 

 

そこには、静かに一つの木に寄り添うように佇む3羽の姿があった。

 

高い木々が立ち並んだ森の端、小高い丘の上にポツンと立つ木は何処か灯台の様な様相で丘の下を見下ろしていた。

 

3羽はコチラに背を向け朝日を眺めており表情等を読み取ることは出来ないが、その背中には何処となく寂しさの様な物が滲んでいた。

 

「ん、隣良い?」

『…好きにするといい』

 

後ろからジョシュアが声をかければチラリとコチラを見た大鳥が返事をした後、また目の前の景色を眺め始める。

許可を得て大鳥の隣に腰を下ろし、そのまま静かに朝日に照らされた景色を見やる。

生物の気配こそ欠けているものの陰鬱さなど何処にもない、豊かな大自然のパノラマがそこにはあった。

 

『……あぁ、分かっていた、分かっていたとも』

 

暫くの間ただ黙って景色を堪能していると、ふと『大鳥』が口を開く。

 

そしてその続きを声に出そうとした所で何度か言葉を呑み込むような様子を見せたものの、最終的には諦めたかのようにポツリと呟いた

 

 

 

『………我々が予言の「怪物」だった事など、疾うの昔に悟っていた』

 

 

 

「……」

 

『大鳥』から自嘲するように吐き捨てられた言葉が朝焼けが照らす空気へと消えていく。

 

それは、本来ならばある筈のなかった、そうあれと定められたが故に気付ける筈のなかったもの

 

既に()()した存在である筈の幻想体である彼らは……

 

目を逸らし続けていた『自分達が犯した罪(『怪物』だった事)』を自覚したのだ。

 

「分かってたんだ」

『……我等とて、最初からこのような結末を迎える為に手を取り合った訳ではない』

「だろうね、君達はこの森と仲間達を愛していたから」

『何処から、間違えたのだろうな……』

 

項垂れる『審判鳥』の声は震えていた。

『大鳥』に目を渡した際に涙腺は潰れた為、包帯によって塞がれた眼窩からは涙が溢れることはなかったが。

 

『認められる訳無いだろ!僕らが守ろうとした物を壊したのが、僕ら自身だったなんて、そんな、そんな!』

 

「ん、でもそれは確かな事実」

 

慟哭をあげる『罰鳥』、しかしその内容を肯定することはしない。

目を逸らす時間は疾うの昔に終わっていなければならなかったのだ。

 

「目を逸らしたくなるのは分かる、受け入れたくない事実があるのも分かる。

けどそれで君達がやったことが消えたりする訳じゃない、この森はもう既に終わってしまった。現実は、何処までも正直で残酷なんだよ」

 

突きつけられた現実に、鳥達は顔を伏せる。

理解はしている、けれども納得出来るかは別の話だ。

 

『私達は、どうすれば良かったんだ……?』

 

「それを論じても意味は無い。どんなに良い方法を思いついたとしても過去は消えたりしない……けど、ここから先を選ぶ事は出来る」

 

そう言いながら立ち上がり鳥達の前に立つ。

 

「今の僕は色んな幻想体の力を借りてるんだけど、彼ららどうやら僕を通して色々と見てるみたい。だから君達のやりたいことも見つけられるかも」

 

 

ジョシュアは暗い森での語らいの時のように、再び手を差し出した。

 

 

「先ずは世界を見てみようよ、僕も手伝うから」

 

 

 

 

「行こうよ、一緒に」

 

 

 

彼らは、来訪者の手を取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多くの温かさに溢れていた森は、齎された予言によって歪み始めました

 

 

その中で志を定めた守護者達は、定めた在り方が軋み始めやがて終末を齎す者となりました

 

 

怪物に追い立てられ、仲間達は皆森を去りました

 

 

残されたのはあの頃を夢見て姿の見えない敵を探し続ける守護者(怪物)でした

 

 

 

しかし、その夢は来訪者によって醒める事になったのです

 

 

守護者達は罪を知りました

 

守護者達は未来がある事を知りました

 

 

 

守護者達は、陽だまりの中で再び歩き始めました

 

 

 

 

 

 

今度こそ、仲間達と共に笑って暮らせるように

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『The Tale of The BlackForest 』

 

 

〜 fin 〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむふむ…すごいねあの子!まさかあの状態から更に変化させちゃうとは思わなかったや!」

「覗き見とは些か趣味が悪いぞ■■■■」

 

 

「えー?■■■だって同罪でしょ?」

「俺は半強制的に見せられただけだ」

「むー、ノリ悪いよー?まぁ、そっちの方が■■■らしいから良いんだけど」

 

 

「……それと■■■■■と■■■から伝言だ」

「ん、何て言ってた?」

「『繋がりが強まった』、だそうだ」

「!あっはは、そっか!もう()()が目覚めるのも時間の問題かな?」

 

 

 

「あの子達も動き出すみたいだし、私達も暗躍する時期かな〜?」

「コチラから干渉出来る事など高が知れている。精々慣れているお前が光が植わった者に問い掛ける位か……いや、下手に接触を図るのも悪手か」

「えぇ~?そうかなぁ、今の私なら」

「その過程で思想をねじれさせて可笑しな方向に進んでいたのがお前だろう。あの『都市』で起こした事を忘れた訳ではあるまい?」

「いや、うん、それはその……反省してマス…」

 

 

 

 

「でもさ、まさかこんな事になるなんて思わなかったよね」

「予測など不可能だろう、それこそ俺達が此処に居る事自体蜘蛛の糸よりか細い可能性を辿った結果だ」

「うん、それは私も思ってる。偶々私が()()を『都市の病』として認識出来て、■■■が自分を賭してそれに通ずる道を開いてくれたから」

 

 

 

 

 

「けどね、私今とってもワクワクしてるの!あの世界は『都市』よりもずっと皆生き生きとしてるし、何よりも世界拓く意思が尽きないのは見てて楽しいもの!」

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、あなた達もそう思わない?」

 

 

 

 

 






「あれ、居なくなっちゃったかな」
「……それは誰に向かっての問い掛けだ?」
「んーとね、観測者の皆さん?」
「……今この場所を観測出来る存在…次元を隔てた者か?」
「そうそう、そんな感じ」

後書きにシャンフロ劇場ミニや小ネタシリーズは

  • いる
  • いらない
  • セルマァ……
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