司書補J、シャンフロにて奔走する   作:ゲガント

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大分期間を空けてしまって申し訳ございません。
現在仕事の方が立て込んでその疲れ等で執筆が滞っておりました。
まだ暫くこんな状態だとは思いますが、細々と続けていく予定なのでどうかお待ち頂けたら幸いです




それでは、どうぞ


外出禁止

 

ユニーククエスト

『The Tale of The BlackForest 』

をクリアしました

 

『称号【闇の黄昏を過し者】を獲得しました』

『称号【黒い森の守護者】を獲得しました』

『称号【終末越え】を獲得しました』

 

ジジッ

 

『称号【黎明拓く先人】を獲得しました』

 

 

「ん、油断してた」

 

報酬を受け取ろうとして惨状を巻き起こした数秒後、『図書館』の休憩スペースのベットで目覚めたジョシュアはのっそりと起き上がりながらクエストクリアの表示を閉じ、ステータス画面を呼び出した。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━

PN:ジョシュア

 

 

レベル:65

 

メイン職業:司書補

 

サブ職業:傭兵(片手剣使い)

 

体力 ■■■ 魔力 ■■■

スタミナ ■■■

筋力■■■ 敏捷 ■■■

器用 ■■■ 技量■■■

耐久力 ■■■■ 幸運■■

 

残りステータスPt.210

 

装備

左:無し  右:無し

頭:無し

胴:司書補の制服 (耐久力+70)

腰:司書補のベルト (耐久力+20)

脚:司書補の革靴 (耐久力+40)

 

アクセサリー:導路のミサンガ (俊敏+10)

 

コアページ:北部ヂェーヴィチ協会6課 (筋力+30 敏捷+40 耐久+30)

      次元鞄 《デリバリーキャリア》

 

EGO《侵食》:『黄』《不全》(■■■■■■■■)

 

スキル

・満月刃 → 十六夜光刃(フルムーン・ライト)

・豪雨乱撃

・旋風陣 → 疾風蹴転(スライド・トルネイド)

・パリングプロテクト → セツナノミキリ

・空穿ち → 選択可能

・ドリフトステップ → フォーミュラ・ドリフト

・八艘跳び → 遮那王憑き

・グローイング・ピアス

・光の種 第六段階 

 ─『心』

・スカイウォーカー → 選択可能

・スカルシェイカー → 選択可能

・エッジクライム → グレイトオブクライム

・空翔乱気 → 積風発破(エアリアル・バースト)

・一閃 Lv.MAX

・ウェポンライト → 武芸十般

・アブソリュートライド → スーベリア・エクイテス

・羅貫突 → 選択可能

・ベストステップ → フリーウォーカー

・ブラッドハーム → ブラッド・オース

・ワンショット・アーツ Lv.MAX 

・無尽連斬 

・崩々壊撃 → 芯鎚滅壊(コプラス・ハート)

・ニトロビート Lv.MAX 

・スポットマーキング Lv.MAX

・インファイト Lv.MAX 

・スタッフブレイク 

・ラビットホップ → ピンボールバウンド

・カタパルテット 

・一振両断 → 壊刀乱魔

・燕返し → 白鯨跳ね

・フェイタルゲイン NEW

・デュエルイズム NEW

・メロスティック・フット NEW

・テンカウンター NEW

・飢餓衝動 NEW

・プッシュアウト NEW

 

不世出(エグゾーディナリー)スキル

奮進再臨(リジェネイト)

 

ページスキル

崩壊ハンマー

崩壊ナイフ

クイックステップ Lv.2

戦闘準備 

滅多斬り Lv.3

た耐える Lv.2

先導指揮

 

強化施術 (1/10)

薬剤"prototype"投与 (コスト1) 

 (筋力+10 敏捷+10 器用+10 

  技量+10 耐久力+10)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

クエスト中に見た時から大幅に上がってるレベルはまだ許容範囲である。

 

アンジェラの言葉から察するに戦った相手は幻想体の中でも最上級、『終末鳥』がギミックメインの幻想体であった事とジョシュアのビルドが耐久を全部捨ててパワーとスピードに振り切った物で攻略法に見事に合致していた故に死にかけながらも打ち勝てたが、普通のプレイヤーならば無敵どころか概念的に攻撃が効かない『終末鳥』に押し潰されておしまいだっただろう。

そんな『終末鳥』を倒して経験値ゼロは流石に理不尽である。

レベル分の倍は増えているステータスポイントも、強大な存在を倒した報酬だと思えば納得出来る

レベルアップに伴い大量に変化したスキルに関しては効果検証も含めてワクワクが止まらない。

なんかよく分からんスキル(『光の種 第六段階』)がなんかよく分からん事になって(変な表示を生やして)いるがそこもまだいい。

 

 

 

それらよりも問題が目立っていた。

 

 

「バグってるぅ」

 

 

まず目に付くのはステータス。

 

てが黒く塗りつぶされており、どう考えても異常事態であることをヒシヒシと主張している。

 

少しスワイプすれば装備欄は横線で削除されEGOを表示している欄も黒塗りにバグり散らかしている。

 

もう少し下に行けば『図書館』で増えた欄は軒並み削除かパグっているのが見えた。

 

「んー……どうしたもんかなぁ」

 

異常塗れになったステータスを閉じながらこれからの行動に頭を悩ませるジョシュア。

しかしながら良案は思い浮かばず、かといってこんな異常なステータスを放置する事も出来ない。

先程までの激戦で武器もボロボロだし、外でやりたい事もリストに出来るほどには揃っていた。

 

「取り敢えずアンジェラの所行こ」

 

考えても仕方が無いと休憩スペースのベッドから起き上がりそのままその場を後にする。

 

 

 

 

 

 

身体から生えた黒い羽毛をモッサモッサと揺らしながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「外出?許可するわけ無いでしょ」

「ひぃん………」

 

駄目だった。

 

多分移動してるだろうと当たりをつけ、実際ゲブラーを伴って中央エリアに訪れていたアンジェラに声をかけて今の自分の要望を伝えたのだが、結果は芳しくなかった。

取り付く島も無い即答に薄々分かっていたもののジョシュアは肩を落とす。

 

「前にも言ったと思うけど、あの世界は『都市』の存在に過剰に反応するの。貴方に外で集めてもらってる幻想体達は()()()()()()()()存在だから揺らぎも僅か、私が後から干渉しても間に合う状態よ。目撃者に関してもビナーが記憶に《錠前》を掛けて外部に漏れ出ないように出来る」

「あぁ、アルとステラの時の……後始末っていうのはそう言う事?」

「えぇそうね。それらを踏まえて今の自分の姿を見てみなさい」

 

アンジェラが指を鳴らせばまるでフィルムが切り替わったかのように突如として全身鏡が現れる。

ソレに視線を向ければ写っていたのは

 

 

光を吸い込むような昏い黒色の羽根を全体に縫い付けたようなコートを羽織ったかのように生やし、

 

 

手足はまるで猛禽類の足のような見た目となり、

 

 

更には胴体には赤々として牙が剥き出しになった大口、

 

 

背中には多くの黄色い瞳を付けた一対の翼が生えて、

 

 

まるで『終末鳥』と融合したような、

どう足掻いても化け物としか形容出来ないジョシュア自身の姿があった。

 

ジョシュアが目線をうごかせば鏡の中の自分もソレに合わせて『大鳥』のようになった瞳がギョロギョロと動いている。

 

「ん、どう考えても人外。目立つね」

「開拓者たちの情報伝達速度は異常な上、それらはあの世界にも通達される。貴方が普段使いしてる装備は誤魔化せるでしょうけど、まだ『幻想体』の存在が公にバレる訳には行かないの」

「んー……まぁアンジェラがそう言うなら仕方ないかな」

 

ゲームログインしてから数分で本の中の世界に突っ込まれてほぼラスボスのような風格を醸し出す怪物と渡り合った後外出禁止令を出されるという割と前代未聞な状況だが、「まぁ鳥さん達との殴り合い楽しかったからいっか」と一つ息を吐いて目を開く。

 

「じゃあオススメの戦闘記録ある?眠る前にあの鳥さん達のEGOの試運転も兼ねて1戦やりたくて」

「……今の貴方なら『指』の下っ端位なら簡単に打ち倒せるでしょうし、あとでオルトに案内させるわ」

 

やれない事をサッパリ切り捨てとっとと気分転換の注文をする戦闘狂(ジョシュア)に呆れ混じりに提案をするアンジェラ。

 

そうして、ずっとこのやりとりを見ていたゲブラーは話が一段落した所で漸く口を開いた。

 

「で、一体全体コイツは何なんだ。さっきの死に方見るに『都市』の人間では無いだろうし、侵食してるにしちゃ随分と自我が残っているが」 

「それが「開拓者」の特徴の一つよ。まぁその中でもジョシュアは一際異常寄りの存在だけど」

「「開拓者」?」

 

聞き慣れない単語に眉を顰めるゲブラー。

ソレに気を悪くする事も無くアンジェラは目覚めたばかりの同僚への説明を再開する。

 

「えぇ、『図書館』の外の世界で生活してる人類の中でもジョシュアを含めた連中の事。どんな風に死のうが最後に眠りに付いた寝床で蘇る、世界を開拓するために生まれた存在と言ってもいいかもしれないわね。」

「使い捨て前提か、どんな経緯でそんな可笑しな生命体が生まれたんだか……掃除屋共と良い勝負だぞ」

「掃除屋が何かは知らないけど普通の人種も居るよ」

「はっ、どうだろうな?私からすればねじれか何かが人の皮を被っているようにしか思えないんだが……で、さっきからそこで聞き耳立ててる奴もその類か?」

「ややっ!?」

 

振り向かず親指で自身の背後を指差すゲブラー。

そちらに視線を向ければ何個か離れた本棚の影から恐る恐るといった様子でピョコンと頭を出したオルトがいた。

 

「ば、バレていたのです……?」

「ん、おはようオルト」

「おはようございますなのですジョシュアさ……何があったのです!?」

 

ほぼ反射で挨拶を返したオルトだったが、その挨拶をした相方の姿が明らかに可笑しい事になっていた為お手本のような綺麗な二度見を見せる。

まぁつい昨日辺りまで中身は兎も角姿は普通の人間だった相手が当然のように化け物と融合していたら誰だってそうなるだろう。

 

一方、先程からコソコソと動いていた気配の正体を見たゲブラーの方もオルトの姿を見てこれまた眉を顰めていた。

 

「……ウサギ?」

「ソイツはまた別。貴女達が眠りに付いた後の知り合いの所から押しかけてきてね、本の整理要員として雇ってるのよ」

「あ、ご挨拶が遅れたのです!はじめましてなのです!ワタクシはオルト、この『図書館』にて司書見習いをさせていただいているのです!以後お見知りおきを、なのです!」

 

漸く落ち着いたのか初対面の相手へに自己紹介をしながらペコリと礼儀正しくお辞儀をするオルト。

その一方、ゲブラーはというと予想していた者と違ったのか奇妙な物を見るような目を向けて観察の方向にシフトしていた。

 

「何処かの特異点の産物か?確か人間に動物の器官を植え付ける物が折れた翼の技術の中にあったと聞いてはいたが……いや、H社の兵士の方にもそんな技術があったな」

「ん、オルトは元人間とかじゃなくて正真正銘ウサギとして生まれてきた筈。確かお父さんもウサギだったよね?」

「そうなのです!今でこそ一番上のお兄様に政権をお譲りになられましたがお父様はワタクシの故郷であるラビッツの纏め上げる長であるヴォーパルバニーなのです!ヴォーパル魂に溢れるカッコいいお父様なのです!」

 

話を振られ、意気揚々と己の身内話をするオルトはムフー!と胸を張った。

そしてその頭をジョシュアにヨスヨスされているが、腕が猛禽類のためそこの光景だけ切り取ると絵面が完全に猛禽類に連れ去られる寸前の小動物になっていた。

 

「ヴォーパル魂……何かの薬剤か?」

「むむ!?ヴォ、ヴォーパル魂はヴォーパル魂なのです!」

「多分、強敵に挑む気概とかそういうのだと思う。少なくとも物質として存在するものじゃないかな」

「……『指』の連中が掲げてるやつみたいなもんか」

「それと並べられるのは心外なのです!?」

 

暫く考え込んだ後にゲブラーがボソリと呟いた一言にオルトが反応する。

先程まで残っていた若干の怯えと警戒は何処へ行ったのやら、見るからに「怒っています」と言わんばかりの膨れっ面を見せていた。

 

「何だ、『都市』の知識はあるのか」

「本として残された知識のみではありますがあるのです!我々ヴォーパルバニーはヴォーパル魂を体現する生き様を目指してはいるのですが、その価値観を見ず知らずの他人に強要するような存在では無いのです!」

「あー…そうだな、確かに今のは私が悪かった」

 

プンスコと怒りながら捲し立てるオルトに対し、流石に例えが不適切過ぎたとゲブラーは素直に謝罪する。

 

「前にオルトから軽く聞いてたけど、そんなレベルなの?その『指』っていうの」

「全員が何かしらに囚われた頭の可笑しい連中だ。分かりやすいのは過剰な規律厨の親指と絶対指令主義の人差し指だな、例えば………」

 

顎に手を当て数瞬だけ思考を巡らせる。

傷があってもなお整った顔立ちをした女傑は目線を不思議そうに首を傾げているジョシュアに向けると一拍置いて指を指しながら口を開いた。

 

「ジョシュア、お前さっき確かアンジェラに自分から話しかけてよな?」

「うん」

「『親指』の連中が見てた場合、即座にお前の顎を砕こうとする」

「………………」

 

 

 

 

「???????」

 

唐突に生えてきた理不尽に脳内でリフレインしても背中に背負った宇宙が消えない。

 

まぁ初めて聞く者ならば基本的にこんな顔になるのも仕方のない事だろう。

 

「ん、うん……ん、何で?」

「『目上の存在に対し許可なく発言した場合、その場で下顎を砕く』ってルールがあるのよ。実際目の前で『親指』の下っ端が「私の許可を得ずに発言した」って理由で銃床で自分の顎を殴り砕いた事もあったわ」

「待って、『親指』内だけの話じゃないの?」

「そこが『指』の厄介な所だ、奴らは自分の持つ判断基準を当たり前のように赤の他人へ強要するからな。やられる側からしたら迷惑この上ない」

「うへぇ……」

 

『都市』の存在である2人の実感の伴った話を聞いて、それだけでも面倒な存在であることがヒシヒシと伝わってくるその組織に思わず顔を顰めてしまう。

実際、『都市』のとある組織が出した「最も絡みたくない組織ランキング」では見事(?)1位に輝いていた辺り、その厄介さが伺い知れる。

 

 

改めて「やっぱ『都市』ってろくでもない場所だな」と認識するジョシュア。

悲しい事に、ソレを否定できる存在は『都市』でも少数派なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「因みに『親指』の規律が載った『親指基本教範』は大体1500ページ程あったのです」

「よく見つけたねそんなピンポイントな奴」

「『指』関係の書物を集めた棚の一角にあったのです!まぁ一部は書いてある事が大凡狂気的というか、ちょっと何言ってるのか分からない内容だった事が多かったのです」

オルト(読書狂い)がそれ言うって相当だよね」

 

 

 

 

 

 

 

「と、そうだオルト、今から戦闘記録の再演するから案内して欲しい」

「ふむむ、何かご要望はあるのです?」

「『指』の下っ端、アンジェラから許可は貰ってる」

 

そう言うとジョシュアはチラリと『図書館』の主へと視線を向ける。

「大丈夫だよね?」と目だけで訴えかけられたアンジェラはソレを一旦無視しつつ無尽蔵とも言える程の数ある蔵書の中から該当する本の場所の記憶を引っ張り出し始めた。

 

「ここから一番近いのは……そうね、『芸術』のエリアだったかしら」

「ということは『薬指』なのですね、承知したのです!ではではジョシュア様、ワタクシがご案内するので着いてきて欲しいのです!」

 

意気揚々と案内を買って出たオルトがてってこ歩き出す後ろをジョシュアが黒い羽根を揺らしながら付いていく。

アンジェラはその後ろ姿が見えなくなるまで見送り、そして最初からずっと物言いたげな気配を漂わせていたゲブラーの方へと向き直った。

 

「さて、と……待たせたわねゲブラー」

「かまわん、とっとと説明してくれ」

「そうね、何から話したものかしら。貴女やローランが眠った所から今までの事、それとも『都市』がどうなったか、かしら?」

「………先ずは今外がどうなってるかについてから頼む」

「えぇ分かったわ」

 




称号解説

【闇の黄昏を過し者】
ユニーククエスト『The Tale of The BlackForest』を隠し条件を達成してクリアで獲得

【黒い森の守護者】
幻想体『罰鳥』『審判鳥』『大鳥』の好感度を一定以上稼ぎ、認められた者にのみ与えられる称号

ゆー、いず、まい、ふれんど

【終末超え】
幻想体『終末鳥』討伐報酬

【黎明拓く先人】
幻想体『終末鳥』初遭遇時単独討伐報酬

本来ならば3つの核を砕かれ崩壊する筈だった終末は世界を捻じ曲げても勝利に執着した
それすらも制したのであれば、その者は黄昏を超え世界を照らす黎明の体現と言えるだろう


■■■■「あれだけ凄いことしたのに三つだけじゃちょっと物足りないよね〜」

後書きにシャンフロ劇場ミニや小ネタシリーズは

  • いる
  • いらない
  • セルマァ……
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