思った以上に涙が出そうな人が多くて笑いました。
それでは、どうぞ
樹海窟の道中、多種多様な虫型モンスターに襲われながらも特に苦戦するどころか一方的に蹂躙しつつ、あまり変わらない景色を見回しながら歩みを進める2人と1羽。
「そういえばさっきから聞こうと思ってたんだけどさぁ、その背中のやつ何?クアッドビートルと戦ってた時動いてたよね?」
「これ?生体装備っていう体の一部みたいに動かせる武器。違和感は無いわけではないけど……結構便利だよこれ。因みに取り外しは出来るけどゲームの装備としてはこのファーコートとセット」
「へぇ~、それまた色々悪さ出来そうな物背負ってるねぇ」
「不意打ちには便利」
そう言いながら自身の腕のように鈎鎌を動かし、近くに通りかかった数匹のストレージパピヨン目掛けて跳ぶとそのまま翅と頭を鈎鎌で全て斬り飛ばして蜜の詰まった腹部を回収する。
「ん、つい回収したけどこれなんだろ…投げて楽しむ?」
「結構高く売れるアイテムだね。その蜜、サードレマの店で高級スイーツとかにも使われてるらしいから街に戻ったら食料品の店とかに行くと良いよ〜。あと説明文の最後については……お、ちょっと1つ貰うね」
ペンシルゴンはジョシュアが抱えるように持っていたストレージパピヨンの蜜袋の1つをヒョイと掴み取るとそのまま徐ろに近場の木に向かって投げつけた。
蜜袋の強度は見た目通り脆かったようで着弾と共に弾け飛んで中の蜜が木の幹にぶちまけられた。
「ん、割れた」
「甘い匂いがするのです!」
「あの蜜、虫にとってはかなり良質な餌みたいでね……ほら来た」
ペンシルゴンが指を差すと同時に何処からともなく無数の羽音のような物が聞こえてくる。そちらへと視線を向ければ蜂や蝶、更には先程即殺されていた蟷螂が一目散にコチラへと飛んでくる姿が目に入った。
ジョシュアは少し身構えたものの、それらのモンスターは近くを通り過ぎたプレイヤーに目もくれず蜜袋の着弾地点へと集りだした。
「あんな風にストレージパピヨンの蜜目当てで虫型モンスターが集まってくるの。アレを一掃するレベリングとか一時期流行ってたっけ、リスクが高すぎて直ぐに廃れたけど」
「そりゃまた何で?」
「色んなモンスターが集まるせいで乱戦状態だし、低レベルだと統率のとれた集団行動をするエンパイアビー達に返り討ちにされかねないから。しかもあれさっき戦って貰ったクアッドビートルの大好物でね、苦労して集ってきた虫ども倒したら突然後ろからドーン、って感じだったらしいよ」
「ん、弱肉強食の縮図。自然の中では油断した奴から死んでいくから仕方ない」
「仕方ないのです」
そんな他愛のない会話を交わしながらその場を後にする一行。
千紫万紅の樹海窟、という名前の通り自然で壁から天井まで埋め尽くされた空間は淡く光る蛍やヒカリゴケによって照らされて幻想的な様相を見せる。
時間的には既に日は傾き沈んでいてもおかしくもないのだが、このエリアは洞窟の中に形成された空間であり、光量が変わる等といった事は起きていない。
「っと、着いた着いた……うん、時間も丁度良し」
「これは木の洞……じゃない、洞窟の入り口?」
「存在を隠蔽するように多種多様な花で彩られてるのです。もしや人工的な物なのでは?」
「それにしては不自然さが無いけど……ふむ」
「ふむむ?」
「まぁまぁ、取り敢えず中に入ろっか」
暫くして立ち止まったペンシルゴンが徐ろに手を伸ばせば、そこにあった壁は生えていた花々ごと解けるように消えていき、新たな道を出現させる。
興味深そうに足を踏み入れた空間は先程までとは打って変わり飾り気のない土の壁が視認でき、洞窟らしさのような物が見受けられた。
「それにしてもこんな隠しエリアよく見つけたね」
「とんでもユニークシナリオ見つけたジョシュアくんに言われたくないんだけどなぁ?」
「ん、ただの偶然」
「それを言っちゃったら私だって偶然だよ。必要なアイテムの回収の為に来たら偶々条件が揃ってたってだけだし」
歩みを進めていればやがて出口の光が差す。
どうやら目的地は空が見える場所のようで満月の明かりによって辺りが照らされた。
そして洞窟を抜けた瞬間、目の前に広がったのは一面の鮮明な赤。
月明かりを反射して僅かに輝いたように見える彼岸花の花畑の真ん中にはぽつん枯れた大樹が立っていた。
『いらっしゃい、アーサー。また来てくれたのね』
「やっほー、一ヶ月振りだねセッちゃん」
『あら、そっちの子は……』
その根元に1人、身体を預けて座る存在がいた。
姿は幽霊の如く半透明であり、白衣のような現代風の装いと三つ編みにした長髪が目を引く女性だった。
女性はふとペンシルゴンに気が付くと身体を起こして立ち上がり顔を綻ばせながら手を振って迎えていたが少し後ろについてきていたジョシュアの姿を捉えた瞬間、息を飲んで目を見開き狼狽の表情を隠さずジョシュアへと迫る。
『侵蝕現象!?何で、もう彼等はもう沈黙して眠りについてる筈……!?』
「ん!?」
「はわッ!?」
「ちょ、セッちゃん落ち着いて!」
ペンシルゴンにセッちゃんと呼ばれた女性……『遠き日のセツナ』は肉体を持たない為かジョシュアに触れようとしてもそれを通り抜けてしまう。
しかしその一瞬で何かを察したのか直ぐに落ち着いた様子に戻り、何度かジョシュアの侵蝕部分をなぞると少し考え込むような仕草を見せる。
『これは…そう、彼等ではないのね…………ごめんなさいアーサー、いきなり取り乱したりして。貴方もごめんね、驚かせてしまったかしら』
「ん…構わない、平静を取り戻せたようで何より」
「びっくりしたのです…」
漸く微笑みが戻ったセツナの謝罪に2人と1羽はホッと胸を撫で下ろす。
しかし残るのはここまで取り乱した理由への疑問である。
「セッちゃん、この子……ジョシュアくんの状態について、何か心当たりがあるの?そこまで取り乱す事なんて今まで無かったから」
『……いえ、もしその心当たりが当たってるのなら既に彼女の意識は当の昔に無くなって居る筈。詰め寄った時に感じた残滓はとても弱かったもの』
『それでも、貴方の殻を蝕んでいる存在がとても危険な物だってことは分かってる。どうやら貴女は使いこなせているようだから心配は不要かしら』
「一応向こうと縁を繋いで力を譲り受けてる状態だから、制御には気を配ってる。暴走させるつもりは無い」
『それを聞けて安心したわ。それに灰被りちゃんの子供も一緒だなんてね』
「灰被り……?」
聞いた事の無い単語に首を傾げるジョシュアを他所に長い耳をピンッと立てたオルトはジョシュアのフードから降りてセツナの元へと歩み寄る。
「ややっ、ワタクシのお父様と御知り合いなのです?」
『フフッ、まぁそんな所かしら……ありがとうジョシュア、この子を連れてきてくれて。既に彼女は死んでしまっているし良いことばかりでは無いけれど……貴女のお陰で懐かしい気持ちになれたわ』
膝を曲げてオルトと目線を合わせていたセツナはそう微笑みながら立ち上がって2人に向き直る。
今の今まで口を閉じていたペンシルゴンは一旦思考を纏めたのか頭を抑えながらも本題に入った。
「色々と聞きたい事リストが十ページ出来る位に今の数分間で聞き馴染みのない単語が出てきたけど……取り敢えずセッちゃん、ジョシュアくんに『アイツ』の話を聞かせてあげて」
『……分かったわ』
ペンシルゴンのオーダーにセツナが応えた瞬間、ジョシュアの前に1つの画面が表示される。
それはこの世界における真実を紐解く足掛かりであり、さらなる強者へ挑む切符。
自身に提示された選択肢を前に、
ジョシュアは迷いなく『YES』の文字を押した。
もしシャンフロキャラが遊戯王デッキを組んだら
ジョシュアの場合
色々と使うが基本的には罠や戦略を馬鹿火力で蹂躙するタイプのカードが好み。
メインデッキは無限起動列車。
完全耐性付けて機関連結したジャガーノートリーベで蹂躙するの楽しい!
尚サブデッキの1つに先輩から勧められたふわんだりぃずがある。
後書きにシャンフロ劇場ミニや小ネタシリーズは
-
いる
-
いらない
-
セルマァ……