司書補J、シャンフロにて奔走する   作:ゲガント

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最近色々なゲームをやる気力がなくて専らリンバスかグラブルやってます。
ナイトレインも早くラスボスぶん殴りたいです。


それでは、どうぞ


運び屋達の末席 前

「確か、この辺りに……ややっ!あったのですジョシュア様!」

 

アクアリウムの中にいるような雰囲気を感じさせる社会科学エリア、その一角に足を踏み入れた一人と一羽。

早速目的の本を探し当てたオルトはそそくさとそれをジョシュアに向けて差し出した。

 

「コチラ、『北部ヂェーヴィチ協会6課』の本なのです!」

「ん、ありがとう」

 

受け取った本の表紙を見れば、四角い箱の表面にデジタル形式で9と書かれているロゴのような物がデカデカと描かれていた。

『南部ツヴァイ協会6課』の本にも2と書かれた盾のロゴのような物があった事から、これが公章的な物である事が伺える。

そんな事を考えつつ、取り敢えず敵の詳細を知るために中身をパラパラとめくって確認し始める。

 

「ん、『デリバリーキャリア』……武器にもなる鞄、どんなテクノロジーで動いてるんだろうコレ」

「『都市』に存在していた『次元鞄』という代物の一種らしいのです。何でも鞄内に入れた物は重量がかからなくなる上、内側は空間が拡張されて外見の数倍以上の容量を誇るのだとか」

「ん、便利そう。見た目からして肩掛けのスーツケースかな」

 

挿絵にて簡単な説明がされていた代物に興味津々と言った様子で読み進めるジョシュアだか、次第にその興味は別の方向へと移り変わる。

 

「それにしても『都市』の人の本読んでると結構な確率で強化施術について言及がある。今の所フィクサーの人は全員してるみたいだし、そんなに普及してたの?」

「単純な鍛錬よりも効果が出るまでの速さも成長する比率も効率的だから仕方無いかもなのです。かける金銭次第では一跳びで渓谷すらも跳び越えてしまうほどの身体能力を手に入れられたりするそうで、フィクサーという荒事を務める仕事をする方々や後ろ暗い事で生計を立てている方々には欠かせぬほどポピュラーなのです」

「成る程、敵対してる存在が自己強化してないとは限らないと」

「まぁ質の高い強化施術は結構なお値段になるそうなので、稼ぎが少ないと難しかったそうなのです。中には身体に負担が掛かって死に至ってしまう粗悪な質の強化施術もあったとか」

「ん、やっぱり世界は厳しい……まだほんの一部しか理解してないけど『都市』は特に無慈悲だよね」

「なのですなのです」

 

今まで読んでいた『都市』に住む人間達の記録には大体世知辛いというか、現実的な厳しさのような物が記されていた。

例外はトチ狂った料理人達位で、大体は金のやりくりに対する愚痴や上を目指そうにも様々な要因に阻まれる嘆き、そしてそんな中を生き抜く術が載っていた事が多かった気がする。

今現在、ジョシュアの『都市』に対するイメージは完全に「ろくでもねぇ場所」で固定されていた。

多分今後もその評価が大きく変わる事はないだろう。

 

「まぁそれは兎も角、早速やる」

「承知したのです!」

 

堂々巡りになりそうな思考を断ち切って、閉じた『北部ヂェーヴィチ協会6課』の本を片手に戦闘が出来るスペースへと足を運ぶのだった。

 

 

 

 

 

 

「さぁ、始めようか」

 

途中にあったカフェのカウンターのような場所をスルーしつつ、他のエリアと同じように確保されていた戦闘スペースに辿り着いたジョシュアは、早速本を掲げて記録の再演を行う。

 

宙を舞う頁が光の粒子となり、やがて空間に溶け込んでゆく。

その光の眩しさに思わず手を翳して1回瞬きをすれば、既に相手は現れていた。

 

「ん、挿絵の通りの武器……それにあったかそう」

 

ジョシュアの真正面10m先に立つ複数の人間。

その全員が統一された白と黒の制服と翡翠色の分厚いコートを身に纏い、本に載っていた『デリバリーキャリア』を肩掛けにして所持している。

更には身体のあちこちにハイテクそうなデバイス等の存在も確認出来た。

予想よりも近未来的な装いに心を躍らせつつも向こうが得物()を構えたのに反応して自分も武器を取り出した。

生憎普通の武器は全てシクセンベルトの鍛冶師に預けてしまったのでコアページに付属していたファイアーバットの柄を握り、調子を確かめる為に軽く振るう。

 

「ん、いいね。これだけでも火傷負っちゃいそう」

 

取り付けられたギミックを作動させれば、バットの模様が赤熱して火を吹いた。前回は特に詳細は見てなかったが、どうやらこのバットには攻撃命中時に相手へ《火傷》を付与できるらしく、お手軽に継続ダメージが出せる中々に便利な代物だったりする。

そんな物騒なバットを両手で握りしめるジョシュアはユルリと笑って片足を引きながらバフスキルを点火。それに対応するかのように向こうの一人もジョシュア目掛けて走り出す。

 

「シィッ!」

「■■!」

 

ガギンッ!

 

ジョシュアの振るったファイアーバットとフィクサーが横に付けられた取手を握って振るった鞄がぶつかり合う。

 

「っと、ん、追撃は許さない」

「■■」

「《パリングプロテクト》」

 

重たい衝突音がした後、両者共に弾かれて下がった所で驚異的なスピードで迫り来る別のフィクサーに対しパリィを食らわせる。

武器をカチ上げられ空いた胴に《旋風陣》を叩き込み、後ろにいたフィクサーを巻き込みながら吹き飛ばして更に追撃しようと飛び掛かるが、その間に入った最後のフィクサーが盾のように構えた鞄によって阻まれる。

 

「ん、いい連携してる。スキルを真正面から受けたのにビクともしないなんて、頑丈だねその鞄」

 

ページスキルである《燃焼ファイアーバット》を発動していたにも関わらず最低限のダメージに抑えられた事に舌を巻きつつ、フィクサーの反撃に合わせるようにバットを振る。

先日戦った『南部ツヴァイ協会』よりも少しばかり胆力があり、若干の手強さを感じるもののジョシュアにとってはむしろ歓迎すべき事である。

 

「ッ、そこッ!」

 

何度か打ち合った後、相手の攻撃が僅かにブレた所を見逃さず手元目掛けてバットを振り抜く。

手の甲に灼熱の一撃を当てられたフィクサーは思わずと言った様子で『デリバリーキャリア』から手を離して無事な方の手で攻撃を食らった部位を庇うように抑える。

 

「意識を反らしたね?」ガシッ!

「■■!?」

 

そしてその一瞬で《八艘跳び》を発動して肉薄したジョシュアは顔を上げたフィクサーの頭を髪を巻き込むように掴み取り、

 

「ん、油断大敵」

 

バギャゴッ!

 

引き寄せるようにしながら空中で思い切り顔面に膝蹴りを叩き込んだ。

 




6課の服装はリンバスのヂェーヴィチロージャ、シンクレアの格好のデザインが若干簡素になった感じです。
基本的に装備やデバイスは協会側から支給されるので差異はありませんが、使用できる『デリバリーキャリア』の機能は課が下になるごとに制限が増えるという設定です。



特殊デバフ

《火傷》

火傷付与効果のあるスキルや攻撃で付与される。
付与された《火傷》の深度に応じて継続ダメージを与える。
《火傷》の深度は火傷の付与回数によって上昇する。
深度によっては行動制限が発生する。

後書きにシャンフロ劇場ミニや小ネタシリーズは

  • いる
  • いらない
  • セルマァ……
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