ニーネスヒルやサードレマでのイベントは決まっていますが、取り敢えず今回はこの方です。
それでは、どうぞ
「ん、ここが『
「おぉ〜、壮観なのです!」
『図書館』にて装備を変更しついでに余ったページを売ってアイテムを補充、その後『図書館』に戻った地点である路地裏からシクセンベルトに訪れたジョシュアは鍛冶師に預けていた武器を受け取りそのまま目的の街である『ニーネスヒル』に繋がる『翔風楼結の大河』の入り口に訪れていた。
珍しい装備故かここまで来る道中NPCやプレイヤー達から物珍しそうな視線を受けたが、その諸々は全てスルーしてジョシュアは新たなエリアを進み始める。
「よっ、ほっ、ぬっ」
「ふむ、石の間が水だという違いはありますがまるで飛び石なのです」
「オルトって飛び石見たことあるの?」
「ワタクシの実家である兎御殿の庭園にあるのです!」
「ん、豪華な日本家屋」
膨大な水量の大河に設置された飛び飛びの足場を相方と雑談しながら軽やかに渡り歩く。
「ギシャッ!!」
「ん」ドゴォッ
「ギガッ!?」
途中、水中から鮫型のモンスターが飛び出してきた所を開いた口を強化した脚力で上から踏み潰して閉じさせながら。
「《一振両断》ッ!!」
「ギュアァァァッ!?」
『翔風楼結の大河』の道半ば、10人程度のパーティーで攻略中の団体は襲いかかってきたモンスターの集団と戦っており、今大剣を振り下ろした青年が最後の魚型モンスターを討伐した所だった。
「ふぅ……おーい魔法班、もう他の魚居ないよなー?」
「【アクティブソナー】……うん、周囲モンスターの反応無し!安全に進めるよ」
「うーし、それじゃあ今のうちに早くボスエリアまで進んじまうぞー」
「「「おーッ!」」」
リーダーらしき軽鎧を身に纏い腰に直剣を複数本差した戦士の号令で再び大河に浮かぶ足場を渡り始める一団。
そのメンバー全員の装備には何処かに『丼に十字架と二本の海老天が入ったようなデザインのエンブレム』が入っていた。
一つ一つの足場はそこそこの広さは確保されては居るものの、その間に流れる水流は進むごとに速くなっており、その環境に適応した生物でなければあっという間に呑まれてしまいそうだ。
「きゃあッ!?」
「っと、とと!?大丈夫?」
「う、うん、ありがとう……」
「気を付けてよー?」
その急流にローブの裾を引っ張られて転びそうになった少女を前にいた盗賊風の少女が手を引っ張って助け起こす。
チームワークもかなり良い方らしい。
「にしてもすんごい水流っすねー。レベル上げのためにシクセンベルトの近くで戦ってた時こんな水飛沫上がって無かったっすよ?」
「流石に川の端と真ん中では流れの速さは違うやろ。水量もとんでもない事になってるらしいしな」
「具体的には?」
「どっかのクランの調査結果によれば、中心部の水深は10mは越しているんだと。泳ごうとしたらその瞬間には横から大質量の水が打ち付けてそのまま流されてドボン!だってよ」
「うっひ〜、おっかねぇ〜」
雑談を交わしながらも周囲の警戒を怠らず進んでいく一行。そんな中、先程の戦闘の戦利品を確認していたタンク役の重戦士が驚きの声を上げた。
「おい!あの魚のモンスターのドロップアイテム食材になるっぽいぞ!」
「えっ、マジで!?何体か倒したけどそんなのでなかったよ!?」
「ホントだって!見ろよこの美味そうな切り身!」
「マグロかな?」
「鼻先が鋸になったカジキマグロだったんじゃねぇかな」
「あの鼻使ったらいい剣出来そうだったんだけどなぁ……」
先程討伐したモンスターから取得出来たアイテムをインベントリから見せびらかしたり、如何にも鋭いですと自己主張する部位が落ちなかった事を嘆いたり、各々の感情を表出させながら和気藹々と戦利品の整理をし始める。
「ふーむ、確かにレアドロップだ。まぁどっちにせよさっさとニーネスヒルに行かなくちゃな。インベントリに入れたら腐敗が遅くなるとは言え生物なら足は早いだろうし、調理してもらうにも買い取って貰うにもまずは街を目指さん事には始まらねぇぞー」
「おうよ!」
「じゃあ速度上昇のバフかけるね」
「あ、それなら僕もやるよ」
一先ず雑談混じりの小休憩を切り上げて再び歩き始める為の準備を進める一行。
歩行に補正をかけたりスタミナの減少を抑えるバフをかけている最中、ふと一人のプレイヤーが水飛沫を上げる大河の方を見やった。
「……なんか聞こえる」
「どうかしたの?」
「いや、なんか大きくバシャン!って音が聞こえた気がして」
「一応もう一回探知魔法使っといた方がいい?」
「んー、どうだろ。この水量だしただの聞き間違いの可能性あるからなぁ」
探知能力に特化させたスキル構成をした
その時だった。
ザッパンッ!!
ジャグンッ
「ぎ」
「な」
「ッ、何…が?」
突如としてかなり近場から爆発の如き水飛沫が上がったかと思えば次の瞬間には最後尾にいた2人が消え去っていた。
「え、な
「Shaaaaark!!」
「すんごい走りやすい、やっぱり早めに取ってて正解だった」
「水場だから風が涼しくて気持ち良いのです〜!」
そんなパニックホラー映画の如き出来事が何処かで起きていた頃、ジョシュアは外骨格で強化された脚力で大河に点在する足場の上を駆けていた。
「ぴょんぴょんぴょんぴょぴょんぴょんぴょぴょんぴょん、ぴょんぴょんぴょんぴょぴょんぴょんぴょぴょんぴょん」
「…ムムッ?」
ひたっすらにぴょんぴょん連呼しながら強化された脚力で兎のように飛び石の上を行くジョシュアだったが、ふと首元に捕まっていたオルトの耳がピョコンと立つ。
「ぴょん?…どしたのオルト?」
「前方より水飛沫の音に紛れに戦闘音が!もしや他の開拓者様がモンスターと戦っているのやも……!」
「ん、取り敢えず」
詳細を聞いたジョシュアは取り敢えず様子を見るためにオルトに一応コートのファーに化けてもらってから示された方向へと向かう。
足場にぶつかる水流が上げる水飛沫を避けながら進むこと数分、ジョシュアの耳にも人間の叫び声のような物が入ってきた。
「きゃあッ!?」
「チィッ、対応ミスったなコレ……!クラスター爆弾で半分以上持って行きやがってこの野郎……!」
「Shaaaaark!!」
「何がシャークじゃ!自己顕示欲高すぎるんだよボケ!」
魔法使いのローブのような物を着込む少女を庇いながら右手に剣を握り更には宙に浮いた2本の剣を操る青年は、相対する存在へ悪態をつきながら攻撃を振るっている。
スキルが発動した様子の一撃を真正面から食らったのは、不自然に身が抉れ鋭い羽のような物が鰭部分に生えたドリルのように回転する鮫だった。
激流の中を自由に泳いでは水面から飛び出して獲物として狙う存在目掛けて宙を裂くように跳ぶ。
「ん、ダイナミックエントリー」
「Sha!?」
「うおっと!?」
そんなドリル鮫が再び襲いかかろうと口を開いて突貫した所で、ジョシュアは横っ面へ思い切りドロップキックを叩き込んだ。
「んっとと」
「だ、誰!?」
「ん、いきなりごめんね。邪魔しちゃった?」
「いんや、もう少しで全滅する所だったわ、めっちゃ助かった」
「たまたま通りかかっただけだから気にしないで」
巨大な鮫を蹴り飛ばしてから難なく着地したジョシュアは安否確認の為声をかけるが、怯える少女は兎も角先程まで正面から斬り合っていた青年はあっけらかんと答える。どうやらまだ余裕はあったらしい。
そんな様子を見て一つ頷くと、背びれを水面から出しながら高速で泳ぐ鮫の方を観察しながら一言。
「で、どうする?」
「どうする、って何を……?」
「あの爆速で泳いでる魚とこのまま戦う?僕はこのままアレと殺し合うつもりだけど」
「………ほほう?」
「退却するなら早くした方が良いよ。君らの仲間の装備の回収と逃げる隙ぐらいは作る」
「……」
「て、天
杖を持った手を震えさせる少女に呼び掛けられた青年……天首領は少しの間黙り込んだかと思えば徐に抜いていた直剣を握り直し不敵に笑う。
「いんや、やられっぱなしは性に合わねぇ。ただでさえキャリー頼まれたのに失敗したんだからな、手土産の一つでも剥ぎ取ってやらなきゃどやされちまう」
「ん、了解……あぁそうだ一つだけ条件。今から見せる物のことは他言無用でお願いね?」
「あいよ分かった、アンタもそれで良いか?」
「は、はい!」
2人の承諾も得た所で、漸く戦いの準備が出来ると確信したジョシュアは満足気に笑い戦意を滾らせながら自身の首元と手元に向かって話しかけた。
「ん、即断即決出来るのはリーダーとして良い気質。なら始めようか……出てきてオルト。ポルードニツァ、仕事の時間」
「分かったのです!」
《承認、戦闘モード起動、破裂エネルギー循環開始します》
呼びかけに応え、コートの襟にてファーに擬態していたオルトはバッと飛び降り、持ち手を握られた《デリバリーキャリア》はシステムを起動する。
「うぉっ!?何だそれ、喋る箱?ヤケにメカメカしいとは思ってたがここまでハイテクとはな」
「喋るヴォーパルバニー……!?か、かわいい…!」
「とまぁこんな感じで、不特定多数にバレると厄介な事になるから……あ、そうだ忘れる所だった」
驚く両者を落ち着かせつつ、ジョシュアはふと思い出したかのように顔を向けた。
「僕はジョシュア、宜しくね」
「おう!俺は天首領、天ぷら騎士団ってクランの一応リーダーだ。ま、リーダーらしい事は殆どしてねぇがな!」
最後に出て来たモンスター
スーサイドスピラーレ
突貫力はあるが側面からの攻撃に弱い為、時折ここを訪れるリュカオーンに横っ面を殴られてオヤツにされている。
身が引き締まっていて美味しいらしい。
本来このモンスターは横からの攻撃にめっぽう弱く直ぐに瀕死になる筈なのだが……
見た目イメージ グラブルの「RAINY DAY」とポケモンの「ミガルーサ」の悪魔合体
※「RAINY DAY」については『グラブル サメ』で検索すれば分かります。頭アウギュステ。
後書きにシャンフロ劇場ミニや小ネタシリーズは
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いる
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いらない
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セルマァ……