「……ここは……パワフルキャットを配置して、マタタビドーピング、猫の手、進化の爪、遺伝子確変……!!」
「しまった!!」
ユズとしげみちの対決が始まり30分ほど、早くもユズの使う『突然変異猫デッキ』の主力となるオブジェクトの生成に成功する。
「『タイニャント』!!」
「まずいまずい!こっちの防衛に割けるモンがねぇ!」
焦るしげみち。タイニャントの攻撃を耐えられるほどのものがこちらには現状ない。
「……何度も同じデッキばかり使ってるとそう早くメタデッキを持ってきやがって……!!ユズ!さてはお前、相当なゲーマーだな!!」
「ふふん!ユズはなんと『UZQueen』って言うキヴォトス内で最強のチョー強いゲーマーなんだよ!!」
「そうなのか!!……こりゃあ、宇宙最強として是が非でも勝ってやるぜ!!」
「し、しげみちさんが『軌道衛星』を確保しました!……これは、わからなくなってきましたよ!『文明進化』の具合はしげみちさんのほうが上!ユズさんの『タイニャント』を消滅、又は戦闘不能にできれば……!」
「もちろん、その事も考えてる『C(キャット)放射線』からの『N(ニャンコ)フィールド』展開これでもう……」
「くっ……」
しげみちの顔が一瞬渋くなるが。
ニヤッ
「その先も読んでるんだよぉ!!食らえっ!『エンジンキャノンブラスター』!!放射線の妨害も!防護フィールドも!デカブツも!!全て消えろ!!」
しげみちが『軌道衛星』の拡大を進める中、その裏でバレないように進めていた。必殺の一撃。唯一の弱点を防げれば。勝てる。無法の一撃。
「勝ったッ!この勝負、俺の「読めてた!」はっ?」
ユズもこの技のさらにカウンターとなる、この無法の一撃の唯一の弱点。
「『ウツシカガミ「猫型」』!!」
反射。跳ね返されればありとあらゆるものを破壊する光線は自分へと返ってくる。
「しまッ!!」
『UZQueen WIN』
「やった!勝った!」
「くそぉ〜連勝がァ〜」
「す、凄いですよ、ユズさん!最後のあれ、完全にしげみちさんが『エンジンキャノンブラスター』を使うって読んでたんですか?『自動遊撃装置ウツボカズラ』や『帰葬防衛装置トーチカ』も選択肢にはあったはずなのに!」
早口で語るレムナンにユズは言う。
「今まで試合を見てきて、しげみちさんのことがなんとなくわかったの、『きっと、この戦いは有無を言わせない完全勝利で決める』って。『ウツボカズラ』も『トーチカ』も受けに頼るもの……だから、唯一の攻撃方法であり、最強の一撃で来ると思ったの」
「なるほどなぁ……俺はお前さんの裏が『無限増殖』だと読んでの『エキブラ』だったんだがなぁ……!読み負けた!俺の完全敗北だ!すげーぞユズ!」
「あ、ありがとうございます……!」
ニンボク大会が終わり、セツたちは船にあった自分たちの所持品を持ち帰る。
「ここともしばらくはお別れですか……少しですが寂しい気持ちになります」
ステラが船を見ながら物悲しそうに言う。
"大丈夫だよ?廃墟の管理をシャーレで行えるように手配したから"
「それは、本当でしょうか?」
「……ああ、言い忘れていたね。ステラ、この廃墟は連邦生徒会長が中心となり管理していた。先生には連邦生徒会長とほぼ同じ権力がある。そこで、ここの廃墟の管理権限を連邦生徒会に申請したというわけだ。……何で1日でできたのかはしらないけど……」
「そうなんですね……凄いです……!」
ステラは先生に感謝を述べると同時に、頬を赤くして見つめる。
"ありがとう。……次は、モモイ。確か次はアリスの武器について、だったよね?"
「はっ!そうだった!エンジニア部にいかなきゃ!」
ということで、着きました。
「ここがエンジニア部!」
しげみちはバイトへ、ステラは船の管理のために船に残ったため、先生とセツ、レムナンとゲーム開発部の7人はエンジニア部のいる部室に来た。
「ようこそエンジニア部へ、先生、セツさん。私はエンジニア部の部長ウタハ」
"今日はよろしくね"
「年齢は18だから敬語はいらないよ」
「じゃあ!私たちは早速、アリスにあげる武器を選びに行くねー!」
「アリス、勇者の剣を探しに行きます!」
「お姉ちゃんちょっと……すいません先生少し離れます」
「み、みんな待って……」
"わかったよ!私達も行こう"
先生とセツもモモイたちの後を追う。
「……久しぶり、レムナン。どうだい?エンジニア部に加わる気はまだないかい?」
ウタハとレムナンの2人だけの空間。
「僕は……すいません。協力はできますが……そう言うのは……第一、僕は学校の人間ではありません。保護されている身ですし、学生というわけでも……ありません。ゲーム開発部に所属できなかったように……エンジニア部にも加わることはできません。ですから……」
「わかったよ。こちらに来る気があればその辺りはどうとでも出来たのだが……話は変わるけど、君たちの来た『宇宙船』は見つかったかい?」
「ああ……それなら、この前……廃墟で先生たちが見つけてくださいました……故障していたので、宇宙に出ることはできませんでしたが……」
レムナンが伝えると、ウタハは興味津々と言った様子で、ずいっと顔を近づけて聞く。
「それは、本当か!」
「え、ええ……まぁ、はい」
「是非!その宇宙船を我々に見させてはくれないだろうか!」
「それについては……セツさんや他の方たちに聞いてからのほうが……僕には無責任に決めることはできませんから……」
「……そうか……わかった。ならば、私達も先生たちの後を追おう。話はその後で」
「はい(よかった……話自体は弾むけれど、どうしても話しづらいから……)」
"ウタハ、レムナン。やっと来たね。アリスが『これ』欲しいっていうんだけど、どう?厳しそう?"
そこで先生が指さした先にはエンジニア部の70%の部費を注ぎ込んだというドでかいレールガン『光の剣:スーパーノヴァ』を携えたアリスが。
「それを!?……持ててる!?いや、これを本当に選ぶのかい!?」
明らかにキヴォトスの人でも容易に持てないであろうそれを軽々と持つアリスに驚くウタハ。
「偉大なる鋼鉄の職人よ、あの龍の息吹が欲しいのだ」
「って、言ってるけど、どう?ウタハ先輩」
「先輩、やっぱり、予算とかそういので厳しいんじゃないですか……?」
エンジニア部部員、ヒビキとコトリが言う。
「……構わない、譲ろう」
「「え!?」」
「ほ、本当ですか!」
目を輝かせるアリス。
「一つだけ条件があるけどね」
"条件?"
「ああ。ここにはシャーレの先生に、宇宙船の船員もいる。そこでだ、私たちが宇宙船の研究……修理を請け負いたい。だから、私たちを宇宙船に乗船、もとい機材に触れることを許可していただけないだろうか?」
"私は『廃墟』へのエンジニア部の干渉の許可は出来るけれど……船の方はどう?"
「船は……ステラに聞こう」
セツ通話中。
「うん、うん……そうか、わかった。……先生、ステラからの許可は得たよ。本当なら船長であるジョナスの許可が必要なんだけど……非常事態だからね」
"ありがとう。……ということで、ウタハ、船は自由に出入りできるようになったよ"
「これで晴れて『光の剣』は君のものだアリス……と、それはそうと、みんな!遂に、遂に!!宇宙船が見つかったそうだ!未知の宇宙の技術の詰まった宝の船が!」
「ええ!?」
「それって……!」
「行くぞ!宇宙船に!」
「「よっしゃー!」」
ウキウキで廃墟へと向う準備をするエンジニア部3人。改めて、武器を得たアリスたちゲーム開発部は部室へ、それぞれ向うべき場所へと向かった。
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『グノーシアダイアログ』
『モモの特記事項その2』
LOOP101回目、私はモモの特記事項が未だ一つしか集まっていないため、モモへの接触を図ろうとしていた。
モモは私とループする順番が違うようで、ループごとに様々に変化があった。……ステルスが低い(1)ため、消滅させられる事が殆な所もあり、中々に特記事項へ触れる機会がない。生き残っていたとしても、彼女も特記事項を集めるのに必死なため、他の乗員のところへと向かっていってしまう。
だが、今回は幸運なことに、モモと話す機会が生まれた。
「そういやさ、モモって軍学校にいたっつー話だろ?軍学校ってどんなんだったかわからないんだが、モモってやっぱり成績とかも優秀だったのか?一番?」
しげみちとモモが食堂でご飯を食べながら話している。
「その話、私にも聞かせてくれない?」
「セツ!?……そんな大したことはない。一番でもなければ皆から凄いと言われたこともない。この身体のこともあって、普通の人よりも丈夫だからこそ、肉体的成績(格闘、登攀、戦闘)は一つ、いや、2つ抜けていた……筆記や医学、医療についても……上位だった。が、私は2番手に甘んじていた」
「?聞いた感じ、モモに勝てるやつが早々いるようには思えないんだが?」
「いや、何も、今私の言ったことが全てではない。協調性、軍として行動する以上、人とのコミュニケーションが取れなければ軍人としては壊滅的だ。そこの差で私は2番手となったわけだ」
「……協調性……か。確かに、モモは雰囲気カタブツだし、人に従うよりかは指示を出す方が向いてるような気もする……と言うか、誰かの下についてる事が想像できないな!」
「……そう、だね」
セツは今までのモモの行動を思い出す。
「協力しないか、〇〇?」
「(疑われて)……………本当に、私が疑わしいと思うか?(否定)」
「〇〇は疑わしい。これは私の直感と推理によって導き出されたものだが……どう返す?」
その他にも様々……議論での行動では協調性は無くはない。だが。
「モモは……人の意見に賛同、もしくは否定することが極端に低いからね。誰の言葉にも耳を傾けていない『自分の意見』だけを貫いているように見えなくもない……かも?」
「……そう、かも。私は別にそういう考えを持っているわけではないが、『明らかな嘘』がない限り、私は動かない……いや、『動けない』……」
「なんつーか、繊細?な感じだな、もっと積極的にいこうぜ!何してても目立つんだ、全力でいかなきゃ損だぜ!」
「……確かに、そうかも。ありがとうしげみち、今後は積極的に、議論に参加するよ」
「おう!じゃあ、明日からもよろしくな!」
「うん、じゃあ、私も食べ終わったし。じゃあね、セツ」
「ああ、また明日」
『乗員データモモ:その2』
『軍学校で2番目の成績を収めていた』
翌日。
『モモが消滅しました』
ステルス1だもん。仕方ない。
正直、ダラダラと書き進めている今、このグノーシアの持つ面白さを書き表せていないと思っています。このあとのゲーム開発部の動向をレムナンと、もうひとりの登場人物を使うことで大幅スキップを行いますので、作者の身勝手ながら先に謝っておきます。
理由はこの小説の核となる部分がエデン条約編後半から最終編。そこに続くオリストになってくるためです。「主人公どこいっとんねん」というのもありますが、モチのロン、エデンでは活躍します。別行動となるため、ストーリーとは違うモモサイドの話を書きます。そのため、ストーリー(補習授業部関連の)はあまり書きません。
次回『ユウカとラキオ到来』
『グノーシアダイアログ』
『粘菌騒動』
おまけ話
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モモとハスミのこっそりスイーツ部
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毒舌評論家レムナンによるTSC解説!
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シピとカヨコのデート回
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対策委員会&しげみちinゲーセン
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全部!