グノーシアのキャラがブルアカの世界に!?   作:カンキツ蜜柑

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 戦闘描写はステラ達のせいで消えました。

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ユウカとラキオ到来

 アリスが銃を手に入れた翌日、ゲーム開発部部室。今日は、セツは用事で来れず(モモ案件)、先生となぜか来たしげみち。

 

「ま、マズイです!体力がありません!」

 

「アリス、大丈夫だ!今粉塵を撒いてやる!!それと、冷凍弾!!」

 

「……ポチポチポチ(操虫棍で舞うレムナン)」

 

「……ポチポチポチ(狩猟笛をぶん回すユズ)」

 

 ガンランスアリスと、完璧なサポートを決めるヘビーボウガンしげみち、空中でひたすらモンスターを攻撃する操虫棍レムナン、地面では譜面を奏でながらモンスターを攻撃する狩猟笛ユズ。

 

『ガァヴァァァァ』

 

 倒れるクエストモンスター。

 

「やりました!アリスたち勇者一行の勝利です!」

 

 声高らかに宣言するアリス。

 

"みんな連携がすごくてみてるだけでも楽しかったよ!"

 

 先生は思った。モンスターが可哀想だと。空中から攻撃を避けられながら一方的に殴られ、地面では味方のバフをしながら前線でボコボコにされ、遠方からは的確な射撃とデバフ……一番弱いであろうアリスでさえ、先ほどのミス以外では上手に攻撃を避けていた。アリス以外の三人には体力ゲージの5分の1も削れていない。

 

 あれ?私もやってはいるけど、このモンスターかなりの強敵……と言うか理不尽ボスのはずなんだけど……。

 

「わわっ!次!私もやる!」

 

 モモイが声を張って言う。

 

「ごめんなさいモモイ、このゲームは4人用なんです!」

 

 どこかの金持ちの息子みたいなこと言ってるアリス。

 

「お、じゃあ俺が一旦外れるか」

 

 しげみちが気を利かせる。

 

「駄目です!しげみちのヘビーボウガンとモモイの大剣を比較した場合、DPS、サポート力どちらも下位互換になってしまいます!」

 

「辛辣……ですね、アリスさん……ですが、モモイさんはよく突っ込んでいくクセがありますから……そこを改善できれば……普通くらいにはなる、と思います」

 

「かっ」

 

 レムナンによってモモイは砕け散った。

 

「ちょ、ちょっと気を緩めるには早くない!?ユウカにはもう言ったの?部員が四人になったから部の、資格要件を揃えたって」

 

「もっちろん。それで今日の午後に、アリスの資格審査に来るって……あっ!?」

 

 ミドリと話してい視線を逸らした時、モンスターの突進攻撃からのボディープレスによる即死コンボを食らい、モモイはキャンプへと戻されていった。

 

「モモイがやられてしまいました!あと2回しか蘇生呪文は使えません!」

 

「生きてる生きてる!キャンプに戻されただけだから!」

 

「ちょっ、ちょっと!資格審査って何!?そんなの初めて聞いたんだけど!?その資格審査に、私たち部の存続がかかっているのに……呑気にモンスター狩ってる場合じゃないでしょ!?」

 

 危機感のないモモイ。危機感しか感じないミドリ。

 

「心配し過ぎだって、アリスの準備についても完璧なんだし。アリス、自己紹介を!」

 

「私の名前はアリス・ザ・ブルーアイ、ドワーフ族の槍騎士。使用武器はガンランス『リオレ〇ス』、出身地は鋼鉄山脈。幼い頃、リオレ〇スの襲撃により家族を失い、リオレ〇スに復讐する為狩人としての力を身につけ、家族の敵のリオレ〇スの装備を身に着けた生粋の戦士です!」

 

「いや、ゲーム内アバターのプロフィール……と言うか、それ、妄想だよね?……じゃなくて、アリス自身の!」

 

「あ、理解しました」

 

 そこからアリスは自身の自己紹介を述べる。

 

「──授業にはまだ参加できなくても、部活動への参加は可能ということでしたので、ゲーム開発部に入部しました。ゲーム開発部で担っている役割は、タンク兼光属性アタッカー「違いますよ、プログラマです(レムナン)」プログラマーです!生まれた時から、母国語よりも先にJabaを使っていまして……」

 

「は、本当に大丈夫かな……!?」

 

 そして、時間は経ち午後……

 

 しげみちがアビドスに帰ってから少し、ヤツらは来た。

 

「(コンコン)失礼するわ」

「……」

 

 入ってきたのはユウカ……とクジャクのような青色の羽毛の服を身にまとう背の低い少年ラキオ。

 

「本当にこの子が新しい部員の子の?……疑わしいわね」

 

「残念だけど、事実だよ!」

 

「ユウカ……ラキオ……」

 

「フン、本来なら僕は来ない予定だったンだけど……で、あなたがシャーレの先生?」

 

"よろしくね、ラキオ"

 

「……ふーん、まぁいいや。セツとモモは……一緒に行動していると聞いていたンだけど……今は居ない?情報の伝達ミス?これだから(ぶつぶつ)」

 

 ラキオの目当ては先生ではなく、セツとモモだったようで、若干不機嫌だと感じ取れた。

 

「お、お久しぶりです……ラキオさん」

 

「あ、レムナンもいたンだ。まぁ、どうでもいいけど」

 

「……」

 

 レムナンの決死の挨拶だが、ラキオ節は健在。

 

 そんなこと気にしていない様子でユウカはアリスに近づく。

 

「あなたがアリスちゃんね。ゲーム開発部に入った四人目のメンバー……ふーん、ミレニアムの生徒ならほぼ全員把握していると思っていたけど、私がこんな可愛い子のことを知らなかったなんて、ちょっと信じられないわ」

 

 まじまじとアリスを見つめて言うユウカ。

 

「も、モンスターが出現しました……!オオフトモモとガリガリガー〇ァです!」

 

「なっ……!?」

「ガリガリガー〇ァ?」

 

 困惑する二人。

 

「あ、アリスさんは……嘘が下手なんです……!だから、その……その……」

 

 自分でもやらかしたと理解するレムナン。

 

「(何言っちゃってるの!?!?)」

「す、すいません……」

 

「と、とにかく!(大声)部の規定人数は満たしたよ!これでゲーム開発部は存続ってことでOKだよね?」

 

「存続……確かにそうね。この子が本当に自分の意志でここに来た部員だったら、の話だけど」

 

 ユウカの発言に心臓を冷やすモモイ。

 

「じゃあ手短に説明を、本来であれば部員の加入を申告すれば、それだけで良かったのだけど、最近は部活の運営規則も変わって、もう少し厳しく確認することになったの。だから、アリスちゃんに簡単な取り調べ……じゃなくて、簡単な質問をするわね。それじゃあ、質問を始めるわ」

 

 始まる、ユウカによる取り調べ。

 

「まず初めに、アリスちゃん。もしゲーム開発部に脅されて仕方なくこの場にいるのなら、左目で瞬きをして」

 

「……ユウカ、そんなことする必要は無いンじゃない?」

 

「……どう言うことよ、ラキオ」

 

「考えてみなよ、ここにはシャーレの先生が同席している。彼にはシャーレとしての権限に加えて、先生としての監督責任がある。それを踏まえて、この目の前にいるアリス、彼女を脅迫しゲーム部に加入させるという行為に先生が賛同するとは思えない。どうだい、ユウカ」

 

「た、確かに……先生が生徒を脅迫するような人には思えない……わかったわ」

 

「え?」

「っていうことは!?」

 

「規定人数を満たしているので、ゲーム開発部を改めて正式な部活として認定……部としての存続を承認します」

 

 喜ぶゲーム開発部一同、レムナンや先生も加わって喜ぶ。

 

「そ、そしたら部費も貰えるし、このまま部室を使えるってことでいいんだよね!?」

 

「ええ、もちろんよ……『今学期』までは……ね」

 

 ゲーム開発部のお祭りモードが一瞬で冷める。

 

「え?」

「な、な、何で!?」

 

「どうして!規定人数も満たしたのに!?」

 

「あなたたち知らなかったの?」

 

 ユウカによると『部としての成果』が必要らしい。部長会議に出席していなかったがためにこんなことになるとは……

 

「じゃあ、そう言うことだから。ユウカ、帰るよ」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!じゃあそういうことだから……結果、期待してるわ」

 

 ユウカは先に出ていったラキオの後を追って帰っていった。

 

「行っちゃった……えっと、結果的に、まだゲーム開発部は存続の危機……ってことだよね」

 

「でもこんなの、どう考えても詐欺だよ!謀略だよ!!」

 

「……ごめん、わたしが部長会議に出席できなかったせいで……」

 

「ゆ、ユズちゃんのせいじゃないよ!こういう場合って、お姉ちゃんが代わりに参加することにしてたはずでしょ!」

 

 ミドリがモモイの方を向く。モモイは目を逸らしながら言い訳を始めた。

 

「だってその時は、アイテムドロップ2倍のキャンペーンで……」

 

「やっぱりお姉ちゃんのせいじゃん!今すぐそのゲーム消して!」

 

「そ、それだけはやめてぇ!!」

 

 姉妹の取っ組み合いは数十秒続いた。

 

「うう……とにかく、もうやるべきことは一つ、ミレニアムプライスで受賞するような、すごいゲームを作ること」

 

「ってことは、結局G.Bibleが必要なんじゃん!準備しなきゃ!」

 

 モモイたちは廃墟に行く準備を始める。

 

──────────────────────

 

『グノーシアダイアログ』

『粘菌騒動』

 

 LOOP41

 

 乗員10人(モモ、セツ、ラキオ、しげみち、ステラ、コメット、ジョナス、沙明、レムナン、夕里子)

 グノーシア3人

 役職:エンジニア、ドクター、守護天使

 モモの役職 乗員

 

『カリスマ:10→15 直感:10 ロジック:8→11 かわいげ:15演技力:8→10 ステルス:1』

 

 41度目のループ。このループでは『あの騒動』が起こった。

 

 始まりは初日、コメットのコールドスリープが決定したこと。

 

『コメットがコールドスリープしました』

 

 二日目 朝

 

 モモは消滅していなかった。

 

 そしていつものように部屋を出てメインコンソールへと向かおうと扉を開けた時。

 

「なっ、これは!?」

 

 部屋を覆うほどの粘性のあるネバネバ、これについてモモは前世の記憶で知っていた。

 

「コメットの粘菌!?ということは……!!」

 

 その時、誰かの悲鳴がロビーから聞こえた。

 

「ひ、ひィーッ!来るな、来るなっ!」

 

 モモはロビーへと急ぐ。

 

 ロビーに着くとそこには倒れ下半身を粘菌に覆われたレムナンと部屋の端でレムナンを見ている沙明がいた。

 

「い、嫌……だっ、僕、食べられてる……」

 

「ああモモさん、助けて、ください。僕、その……もう、下の方が……」

 

「ッ!!」

 

 レムナント下半身はもう足の形をしていなかった……

 

「あーあ、そりゃもうダメだわ。おい、ぼんやりしてんなよモモ。逃げっぞ?レムナンはほっとけって。こいつぁもうアウトだ。――走れ!」

 

「レムナン……ごめん」

 

「あアァ……」

 

 レムナンの絶望から漏らした言葉を背に、モモと沙明は廊下へと出ていく。

 

「――レムナン飲み込んでた奴、な。アイツのせいで船中、もうヌルヌルのグチョグチョよ。ま、とりあえず上行くか。誰か残ってるかも……ンーフーン?」

 

「……了解」

 

 廊下を出て少しするとしげみちと遭遇した。

 

「しげみちじゃん!ヒュウッ! 生きてたのかよお前!」

 

 しげみちはいつもの様子ではなく、何も喋らずこちらを見ていた。

 

「お前も来いって、しげみち。……しげみち?」

 

「グ、ググ……」

 

「ぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ」

 

 しげみちが頭から破裂する。しげみちの血が二人に飛んでくる。

 

「うあああッッッ! コイツもうヤられてやがった!カンベンしろよ畜生!」

 

 二人はやっとの思いでメインコンソール室に着く。

 

「セツ様、沙明様!お二人とも、よくご無事で……!」

 

「おっ、ステラじゃねーの。……お前だけ? 他の連中はどうよ?」

 

「いえ、どなたも……。皆様の生命活動を調べようと試してはみましたが、センサー類が反応いたしませんでした……恐らく、船内の生態素子は全て、あの生命体に浸食されている……そう考えるべきかと」

 

「私たち以外は全滅した……ということか」

 

「で、あのグチョグチョはナニよ?ワケわかんねーんだけど」

 

ステラ「情報が不足しておりますので、確かなことは申せませんが……粘菌の一種かと推察いたします。接触した生物を捕食して増殖する、非常に危険な粘菌です。分析できれば対処方法が見つかるかもしれませんが、実験ラボは既に浸食されておりますので……」

 

「二人とも、あの粘菌についてなんだが、多分あれはコメットに寄生していたもののはずだ」

 

「マジかよ!?」

 

「だがしかし、あれについての対処法もどんな種類なのかもわからない……つまり対処は……」

 

「結局どうすることもできねーのかよ……んで? これからどうするよ。このままじゃ全滅しちまうぜ?」

 

「……そう、ですね。あるいは――」

 

 ステラが何か策を思いついた所でモモはメインコンソール室の扉から溢れ出てくる粘菌を発見する。

 

「おい!二人とも!」

 

「おわああアアッ!ここまで来てんですけど!」

 

「モモ様、沙明様!医務室へ! 急いでください!」

 

 3人は医務室へと向かった。

 

「ハッ、ハッ……ここはまだヤられてねぇな。つーかステラ、何で医務室なのよ?」

 

「お二人は、このメディカルポッドの中へ。入り次第、コールドスリープ室にポッドを移送いたします。そのままお二人がコールドスリープなさっている内にお、船内の空気を全て排出いたします。一切の空気がなければ粘菌も死滅するでしょう」

 

「……」

「……おいおい」

 

「ご安心くださいませ。空気の再充填後にお二人が目覚められるよう、ここからポッドを設定しておきますから」

 

「んなこと心配してねえって!お前はどうすんだって話だ。ここに残るつもりか?自分が犠牲になって俺らを助けようってか、あン?」

 

「どうか、どうか――ご心配なさらず。わたしは、大丈夫ですから」

 

「わたしを、信じてくださいませ。ね?」

 

「……ステラが決めたことだ。沙明、彼女の意志を、決断を否定してはいけない」

 

「……ああ、クソッ」

 

 医務室の扉にも粘菌が溢れてくる。

 

「あ――いけない!来ます! 早くポッドの中へ!」

 

 2人は1つのポットに入り込んだ。

 

「……狭ェな。悪いモモ、どうやっても体が当たっちまうわ」

 

「……1人用だから……というのもあるが、私も沙明も大きいせいもあるのかも……」

 

「ま、あんま気にすんな。いくら俺でも、こんな時に妙な気は起こさねェから……つっても説得力ねぇか、ハッ」

 

『我慢なさってください。冷却時間まで、しばらくの辛抱です』

 

 ポットの外から通信が届く、ステラだ。

 

「何だ、聞いてんのかよ」

 

『設定を終えるまでは、モニターが必要ですから』

 

 冷却が始まる。

 

 コールドスリープ。私はコールドスリープすることが少し苦手だ。

 

 シピのように寒いのが苦手というのもあるが。ただ単純に、種族としての性。『冬眠』に入っることが苦手なのだ。……眠る過程で眠くなった子供みたいになるから。

 

「……寒い」

 

 体が縮こまる。その過程で近くにあった暖かい大きな背に抱きついた。

 

 沙明は一瞬驚いた様子だが、モモの意識はもう薄れかけている。

 

「あったかい」

 

「――!モモ、お前……天使かよ……ハッ、クソ粘菌どもに絡まれる地獄だってのによ。一瞬でヘブンになっちまったじゃねーか……なあオイ。お前のせいだぜ、マイエンジェル……」

 

『やめなさい』

 

「あ? ステラァ?何だよオイ、ピロートーク盗み聞きすんじゃねェって」

 

 今、ポットの中では精神的に幼女化したモモが沙明に抱きついているだけなのだが……。

 

「設定を終えるまではモニターが必要ですから、嫌でも聞こえてしまうんですッ!……全く、もう……」

 

「すぅ……すぅ」

 

 モモは健やかな寝息を立て始める。

 

 沙明は思わず微笑ましくなる、父性というものだろうか。

 

「……損な役させちまったな。お前には……」

 

『いえ、わたしなりに最善を選択しただけです。お気になさらないでください』

 

「……ヘイ、ステラ。空気を戻した後で、モモだけが目覚めるようにできね?」

 

 突然の提案にステラは少し困惑する。

 

『え……?はい、それは可能ですが……』

 

「だったら、そうしといてくれや。俺はもう起こさなくていいからよ」

 

『……沙明様、あなたは』

 

「ハッ、そうさ。俺ぁグノーシアだからな。ここまで来といて、俺が目覚めた途端に台無しとか。流石にそりゃ無いだろ?」

 

『……』

 

「つーわけで、ひとつよろしく頼むわ。オウケェイ?」

 

『……承知、いたしました』

 

「――寒くなってきたな。そろそろおネンネの時間ってワケだ……ステラ?おいステラ?……もう、聞こえてねえか」

 

「……モモ。これで、いいんだよ、な……」

 

 沙明は寝息を立てるモモに言う。返事はない。

 

「あァ……冷てェ……」

 

「……モモ。最後に、もう、一度だけ……」

 

 沙明は寝ているモモに届かない事を承知で頼む。

 

 それが聞こえていたのか定かではないがモモは沙明を強く抱きしめた。

 

「ァーハァ、暖けェ、な……」

 

 沙明はこうして永遠の眠りにつく……はずだった。

 

「――って熱ッ!」

 

 沙明は強烈な熱気によりポットから目を覚ます。場所はコールドスリープ室のようだが、とてつもない熱気を放っている。

 

「おやおや、これはとんだお客人だ」

 

「な――何だお前!?」

 

「……ん?ジョナス?」

 

 モモは寝起きといった様子でぼーっとしている。

 

「つかオッサン何して、つか暑いな!ああもう! どっから突っ込んでいいかわかんねェ!」

 

「フフ、説明が必要か?良いだろう」

 

 ジョナスは昨日の出来事を語り始める。

 

「昨夜、コメットがコールドスリープしただろう?そのコメットをポッドから出して、しばらく後のことだ」

 

 話し始めから沙明は疑問を浮かべる。

 

「は? 待てよ。何でアンタ、コメットを出したんだ?」

 

 その疑問に答えず、ジョナスは話を続ける。

 

「コメットの体から、あのゲル状の生物が大量に噴出してな。どうやらアレは、コメットの体に寄生していたのだ。そして宿主が死亡したと勘違いしたのだろう」

 

「そして新たな寄生先を求めてのことか、襲いかかってきた。間一髪、空いていたポッドに逃げ込めたのは、フフ……幸運だったと言わざるを得まい」

 

「……んで?コメットを出したのは何でだよ?」

 

「ポッドの温度を上げたのは偶然だ。いや――あれこそ天啓と言うべきか。すると、あの生物がポッドの表面から去っていくではないか。アレは、熱を嫌う。それに気づいた私はポッドの温度を大幅に上げ、湯を沸かして室内を蒸気で満たした……フフ、時ならぬサウナ浴というわけさ。どうだ、良いアイデアだろう?」

 

「だから! 何で! コメットを出したんだって!つーか聞いてりゃオッサン、お前が元凶じゃねェか!」

 

 沙明は叫ぶ。ジョナスこそがこの騒動の元凶だったからだ。

 

「まあ、そう取り乱すな。サウナでも浴びて落ち着いてはどうだ?モモを見ろ、流石軍人志望というだけある」

 

「アーもう! 何だよコレ!色々と台無しじゃねェか!それと、モモは寝ぼけてるだけだ!……多分……終わり終わり!もう寝る!俺、コールドスリープするからな、起こすなよ!」

 

「ハッ」

 

 沙明がモモが寝ぼけて座っているポットとは別のポットに入ろうとした時、モモの意識は覚醒する。

 

「この状況は……!」

 

「モモ、俺はグノーシアだ!だから起こすなよ!」

 

 沙明は念押しにモモに伝える。モモから返ってきた言葉は意外なものだった。

 

「私もコールドスリープする」

 

「は?」

「ほう……その理由は?」

 

「ジョナスと2人で居るなんてごめんだッ!!」

 

 モモは今座っていたポットの中へと寝そべり、扉を閉めた。

 

「アアッ!何だよこれ!!」

 

 ヤケクソの沙明もまた別のポットへと入り、2人はコールドスリープした。

 

「ふふ、ふふふ、ふふふふふふ──」

 

 コールドスリープ室からは残されたジョナスの鼻歌が聞こえたという……

 

『LOOP41 敗北 コールドスリープ

 

 一体、誰が悪かったのか。その答えもまた、粘菌の海に沈んだのだ……

 

 グノーシア セツ コメット 沙明

 

 エンジニア レムナン

 

 ドクター ジョナス

 

 守護天使 ラキオ            』




 こうしてジョナスの完全犯罪が成立しましたとさ。めでたしめでたし?

 次回は一旦、セツとモモの視点に行きます。

 次回『情報収集』

   『グノーシアダイアログ』
   『アラコシア星系』

おまけ話

  • モモとハスミのこっそりスイーツ部
  • 毒舌評論家レムナンによるTSC解説!
  • シピとカヨコのデート回
  • 対策委員会&しげみちinゲーセン
  • 全部!
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