水そうめんイベントで世界が狂った件
LOOP135。このループの始まりは果てしない砂漠から始まった。
僕の名前はM.OMO。皆からはモモと呼ばれている。18歳の軍学校の学生だ。長期休暇をもらい、観光の為向かった惑星でグノーシア騒動に巻き込まれなんやかんやあって『銀の鍵』という寄生型のループ装置のせいでループしている。何度も何度も船内のグノーシアを排除するための会議をしながら『銀の鍵』から解放されるため乗員たちの情報、特記事項を集めていた。
そんな僕だか、僕自身にも皆には言えない秘密があった。
それは『僕が前世の記憶を持っている』こと。前世の記憶では僕は15歳で病死した男(M.OMOは女)で所謂TSをしている。更に、前世の記憶には今の状況に酷似した『グノーシア』というゲームをやり込んでいた記憶があるという事だ。
まぁ、そんなわけで今の僕もとい私の現在の特徴とステータス、生い立ちについて話そう。
『M.OMO』
年齢:18歳
性別:女
身長:179cm
出身:惑星G.I.M
容姿:筋肉質な見た目で紺と黒色の軍服を着ている。軍服によって抑えられているが胸は大きい。惑星G.I.Mでは小柄な方で2メートルを超える人が大半。髪の色は桃色。髪型はウルフカット。顔つきは大人びていて威圧感を放っている(僕自身はそんな気はないが)仲間からの印象は『寡黙で怖い』とのこと。
ステータス
カリスマ:40
直感:50
ロジック:38
かわいげ:20
演技力:16
ステルス:1
このステータスはゲーム『グノーシア』のものであり、『銀の鍵』を通してみることができる。このステータスを見て客観的に評価をするなら『直感とカリスマが高くグノーシアを排除する事に特化しているが、その発言力と存在感から一言発するだけで目立つ為グノーシア側に狙われやすい。また、グノーシア時には逆に演技力が低く、言葉を発さなくても目立つ為喋らない場合は排除対象になり、話しても直感が高いものにバレるためグノーシアには向いていない』といったところだろうか。
生い立ち
惑星G.I.Mに生まれ。12歳まで両親と仲良く暮らしていたが、両親が仕事の為向かった惑星でグノーシア騒動が発生。母は消滅。父はグノーシアとしてコールドスリープされたため12にして両親を失った。その後は軍学校に身を置き訓練に勤しみ「いつか両親を殺したグノーシアの生みの親『異星体グノース』を根絶する」ことを夢見ている。(モモと同様に銀の鍵に囚われループしているセツの『M.OMOの特記事項その1』より)
自分語りはこんなところで今まで船内でループしていたのに対していきなり砂漠に放り投げられたのか。思い当たる節が1つ、いやあの出来事のせいで今の状況になったのだろう。事は1つ前のLOOP134に遡る。
LOOP134
乗員:15人
グノーシア:4人
エンジニア(占い師)、守護天使(騎士)、バグ(妖狐)あり
1日目
集まった乗員15人。この中に異星体グノースによってグノーシアにされてしまった者は4人。今回のLOOPで私はエンジニア。グノーシアを検知し、排除する仕事がある。
議論時間は少なく、限られた時間で怪しい人物を排除していく。
もう3桁を超えるループ、時間で換算すると2〜3年程『銀の鍵』によって囚われている。
流石に疲れてきた。
以前のループで乗員のうちの一人である謎多き人物夕里子との死闘の末、異星体グノースの正体を知る事ができたがその反動がこのループで来たのか視界がぼんやりして会議に集中出来なかった。
そんな何処かぼーっとした意識の中、自分の役割を忘れていたのか。致命的なミスを僕はしてしまった。
「言うまでもない事だけど、レムナンがエンジニアだと確定したね」
全員の一人、羽毛をまとったような服装とヘッドホンをかけた緑髪の汎《はん》(性自認なし或いは性別を持たない人のこと)(また、今回の場合は前者であり本人は汎を名乗っているが男の象徴は付いている)で高圧的な口調が特徴のラキオがレムナンこそが真のエンジニアであると宣言した。
「あぁ、これであ……安心、しました。僕は……エンジニア。です」
白髪と根暗な性格が特徴の美青年レムナンが言うがその言葉からは安心感の中に懐疑心が混ざっている事が見て取れた。
…あ、やらかした。
僕は本物のエンジニア。だが会議の場ではエンジニアはレムナンである事が確定してしまった。今この場でエンジニアだと名乗り出ればコールドスリープ対象になるのは僕だ。
このループは捨てだな。
やらかしたものはしょうがない。なら、やらかしたなりに普段は見られないイベントを見てみようと考えた僕は前世の記憶にあった『水そうめんイベント』を引き起こす事にした。これは所謂世界がバグってしまうイベントであり、自身がエンジニアとして名乗り出ず、グノーシアが本物のエンジニアとして確定した際にバグが主人公によって消滅し、偽物のエンジニアが破綻することで世界がバグってしまうイベントのこと。このイベントは本編では特記事項を埋めることはない所謂隠しイベントでありやる必要がない、だが1グノーシアファンとしてやってみたいという好奇心が僕を動かした。
その後1日目は会議で目立ちすぎたラキオがコールドスリープとなり、夜。
昼の会議でわかった嘘つきはレムナン(騙り占い師のため)。
コメット(体に粘菌が寄生していることが特徴の少女直感が高いが演技力とロジックは極端に低い為嘘がバレやすい)
夕里子(謎の多き黒髪の女。全ステータスが高く、グノーシア内で一番敵に回したくない人物。会議誘導が得意で攻撃するとかえって自分が危険になることが多い。嘘がバレることはめったにないが僕やコメットなど直感が高いメンツにはバレることがある)
この三人。この中で夕里子はコメットに票を入れ、コメットはラキオにレムナンもラキオへ投票していることを考えると夕里子が一番バグっぽいがコメットもなくはない。
今更だか票の内訳はラキオ10、コメット3、ステラ1、モモ1となっている。僕への票のはラキオから。
考えた結果、今日僕が調査する人物は……
夕里子にしよう。
いや、安易な考えなのだが『1番危険な奴』から調べるのは定石だと思うんだ僕は。
さて調査結果は……白、ですか。この船にAC主義者(アンチコズミック主義者の略で狂人のようなもの)はいないしバグで確定だろう。
明日が楽しみだ。
2日目
『夕里子とオトメが消滅した』
「次元波の計測結果…です。ログを見る限り、モモさんはグノーシアではありません」
ヨシ!条件は整った!これで―――
世界はバグりだす。
「配電盤の足湯みたいなマネすんなって。ハハッ、動作動作」
黒猫の顔と胴体を首から貫通させるように同化した男シピが支離滅裂な話し方をする。
「ヘイ! ドキドキ出家タァーイム!俺がウナギでウナギが俺で、てな!」
チャラついた黒髪のゴーグルを頭にかけた男、沙明(シャー・ミンと読む)もまた支離滅裂になる。
ゲーム内だとセツと夕里子だったけど今回はシピと沙明か。
バグった乗員たちを見ながら僕は他人事のようにその様子を観察していた。
ウィーンとメインコンソール室の扉が開かれコールドスリープしたはずのラキオがやってきた。3人に増えて。
「色々と計算が色々と狂ったンだよね色々と。その結果、宇宙キットが壊れたのさ」
「そう壊れたンだ。誰の仕業? 君? それとも世阿弥?」
「はン、これで全員オシマイッワケ。はンはーンはンはンはーン」
三人のラキオはその後も歌うように「はンはーンははンはーン」と言って最後には壊れたCDのように「はははははははは」というだけになった。
そうしてラキオが壊れたCDになって数秒した後、世界は闇の中へと消えていった。
――役割などの確率計算が異常をきたすと、世界の秩序が崩壊してしまいます――
…さて次のループに行こうか……?
ループの狭間。自分以外は誰もいない白の世界。ここで次のループの情報をあらかじめ見ることが出来る(ゲームでは人数や役職などを変えることができるのだが今は次のループの情報しか見ることができない)…のだがこれが少しおかしなことになっている。
LOOP135555555555555555555555555555555555
乗員:15人
グノーシア:0人
役職なし
明らかにバグっている。
前世の情報だとグノーシア0人に出来るのは主人公の特記事項を埋めきったあとなのだが僕はまだ4つ程残っている。
まぁ、変えることもできないしやるしかないか。
数分が経っただろうか視界が暗転し次に目を覚ましたときには―――
「何処?ここ」
砂漠のド真ん中だった。
そして現在に至る訳だが……
「あ、暑い」
数時間ほど歩いたがまだ一面砂。町どころか水場もない。
「タイムリミットは3日。それ以上は流石に……」
人が水無しで生きられるのは精々3日。しかも砂漠の中、直射日光がキツイ。軍学校で鍛えられてはいるが装備はまともなものがないと言うか手ぶらだ。軍帽を被っていたのは唯一の救いだろう。
「セツ、ジナ、しげみち…この際ジョナスでもいい、誰か助けて…」
こんな状況でも助けてくれそうな三人の名を挙げ、フラフラと砂の上を歩く。そんな時だった。一人の少女が二人の大人を抱えて歩いているところを目撃した。
人!人だ!
僕は走ってその少女の下へと向かう。惑星G.I.Mには屈強で並外れた身体能力を持つものは多い。その理由は重力にあった。重力は地球の2倍以上、常に負荷のかかった状態で過ごしてきた僕は地球の重力と変わらないこの星では時速60キロ程の速度で走った。
近づいた事でその少女の容姿がわかる。
狼のような耳、銀髪の美少女…
シロコじゃん…。
目の前の少女は転生前の記憶の中の彼がやっていたゲームのうちの1つ『ブルーアーカイブ』の世界の住人砂狼シロコだったのだ。
は?どういうことだよ。マジで。今まで『グノーシア』の世界にいたはずなんだが?こんな超展開なかったぞ今まで。
謎の超展開に頭が追いついていないモモ。対するシロコはというと…
ん。威圧感がすごい。
気圧されていた。それもそのはず、いきなり遠くから時速60キロで走ってきた大柄の女が何も話さず自分の前で佇んでいる。身長でいえばモモのほうが高いため、強面の大女が少女を見下ろしている図になるわけだがシロコもシロコでこの状況にびっくりはするものの怯えてはいなかった。
「ん、あなたは誰?遭難者?」
「あぁ、私は遭難した身でね。助けて欲し…い」
視界に入った二人の大人。一人には見覚えはないがもう一人には見覚えがあった。
「…セツ?」
僕と同じく『銀の鍵』に囚われている汎の軍人。僕はまだ学生だがセツは18歳でもう軍人として働いていた。(学校は別)
「ん、この人たちの知り合い?」
「あ、あぁ。そこの黒髪の眼鏡は知らないが黄色髪の人は知り合いだ」
「そうなんだ。じゃあこれからアビドスに向かうからあなたもどう?」
アビドス!なら、こっちのメガネの大人は『先生』か。
もう一度先生と思しき人物の顔を見てみる。眼鏡を掛けた顔立ちの整った大人。一般的に見てイケメンと言えるレベルの人だ。歩き疲れて寝ているようで服にはところどころ砂が付いている。それはセツも同じ。
「わかった。なら私はセツを運ぼう」
「そうだ自己紹介を忘れていた。私はM.OMO。皆はモモと呼んでいる」
「ん。私は砂狼シロコ。よろしく」
自己紹介をした後に、歩き疲れて寝ているセツを僕が先生をシロコが背負いながらアビドス高等学校へと向かった。
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人物紹介
『セツ』
年齢:18
性別:汎
身長:166cm
出身:第52基地
ステータス
カリスマ:38
直感:25
ロジック:38
かわいげ:38
演技力:33
ステルス:22
黄色の髪に赤のヘアピン、水色の服装が特徴の性別を持たない汎性。モモに「銀の鍵」を渡した人物であり、モモとともにループを繰り返している。
正義感が強く真面目で、議論も積極的に引っ張っていこうとするが、それ故に目立ちやすく投票や襲撃の標的にされやすい。(ウィキペディア参考)
モモとはグノーシア騒動から知り合ったが互いに軍人と軍学校の学生と似たような境遇だった為にすぐ仲が良くなった。セツ視点(先生視点から)の話も後日出します。
グノーシアキャラの身長はきし@ゲームたのしい様の表を参考にさせていただきました。本当にありがとうございます!
https://x.com/dztb0BiopKyqwRj/status/1389850445745586182?t=UAM-5MHKGPyG_6mdrRyrTw&s=19
グノーシアキャラの身長はきし@ゲームたのしい様の表を参考にさせていただきました。本当にありがとうございます!
https://x.com/dztb0BiopKyqwRj/status/1389850445745586182?t=UAM-5MHKGPyG_6mdrRyrTw&s=19
何分小説投稿自体が初めてなので指摘点いっぱいあると思います。何か問題があったときは遠慮せず書いてください!投稿主の文章能力の向上に繋がるので!
あともしかしたら数時間後に2話が投稿されるかもです!
次回「アビドスに現れた宇宙人」
パヴァーヌ編を書くか書かないか
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