どの学園に誰を放り込むか考えているとミレニアムやゲヘナに人が集まっちゃう。
便利屋まで行けばやりたかったスチルのうちの1つがそこにある…!
深夜、セツはモモに呼ばれ、モモの部屋に来ていた。
「モモ。なにかあった?」
「うん。まずはこれを」
「『銀の鍵』…?」
「うん。その特記事項の欄を見てほしい」
「なに…これ。私の鍵にはない。モモの鍵が新たに情報を求めている?」
「……先生や対策委員会の皆、他にも沢山の人の情報を集めないと…」
「……わかった。モモ。対策委員会の件が終わったら別行動にしよう。モモは鍵の情報を集めるんだ、幸いこの宇宙にグノーシアはいない。私は他の皆の足取りを探す」
「わ、わかった」
「よし、じゃあまた明日」
「また明日」
セツが部屋から出た後、モモは深くため息を吐く。
鍵が求めているのは大体百人ほど、15人でも大体2年かかってようやく終りが見えてきたのに、さらに追加の情報が必要となるなんて。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「──モ!モモ!起きて!」
「セツ…まだ眠い……」
「緊急事態だ!セリカが誘拐された!」
「ぇ…?あ」
そうだ、柴関の帰りにセリカが襲撃されるんだった。自分のことで頭が一杯になっていた。
「わかった。すぐ向かおう」
別途から飛び起きて、着替える。(恐ろしく速い生着替え)
セツがシャーレから支給されたスマートフォンを使って位置情報を教えてくれる。
"セツ、モモは起きた?"
集合ポイントまで車を走らせていると先生から通信が来る。(運転はモモ、助手席にセツ。しげみちはホテルで待機)
「先生か、うん。モモと車でそっちに向かっている。何か問題が起こった?」
"セリカを乗せたトラックの情報をそっちに送るから、先回りして待ち伏せておいて欲しいんだ!"
「「了解」」
セリカの位置情報を頼りに移動方向を節が予測し、車を走らせる。
◆◇◆◇◆◇◆◇
薄暗いトラックの荷台の中。
「う、頭が……そうか、私、ヘルメット団に……」
自身の最期の記憶は砲撃をくらったところまでしかなかったが、トラックの揺れる音と麻紐で縛られた現状が、誘拐された事実を物語っている。
「ッ、光が……」
トラックの隙間、僅かだが光が漏れ出ている部分がある。そこから外を覗くことにセリカは成功させる。
砂漠に線路……!まさかここって!?
砂漠に線路。セリカはこの情報からここがアビドス砂漠の郊外だとわかった。
「ど、どうしよう。みんな心配してるかな……」
このまま遠くに連れ去られたら、みんなとも連絡が取れないままだったら……私も、他の子達みたいに街から去ったと思われるんだろうな……裏切ったって思われるのかな……誤解されたまま、みんなに会えないまま死んぬなんて……そんなの……ヤダよ……
思わず涙がこぼれてしまう。
「な、なんだ!?前から車が!?」
そんなセリカを運んでいたトラックの運転をしているヘルメット団が叫ぶ。
次の瞬間、バスは大きな音を立てて停止した。
少しの間の銃撃音。鳴り止んだ……と思っていると不意にトラックの扉が開かれる。
「ん!半泣きのセリカ発見!」
「!?な、泣いてないからっ!」
「嘘、この目でしっかり見た!」
シロコが、対策委員会が助けに来てくれたのだ。
「…!医療器具は持ってきている。簡易的だがここで少しやってしまおう」
モモが医療カバンを片手にやって来る。彼女の肩からは血が滴り落ちている。
「あ、アンタ!肩から血が!そっちこそ治療が必要そうじゃない!」
「かすり傷だ。トラックに正面からぶつかりに行ったからな」
「えぇ……」
「ん、二人共治療しよう」
"おーい!セリカ!モモ!無事だった!?"
「はい、私もセリカも無事ですよ先生」
"良かったよ、安心した……"
「なっ、せ、先生まで!?どうやってここまで来たの!?」
"ふふん、伊達にストーカーやってないからね"
「ふ、ふざけないでよ!この変態教師!」
「うへ、元気そうじゃーん?無事確保完了〜」
『よかった。セリカちゃん……私、セリカちゃんに何かあったんじゃないかって……』
「アヤネちゃん……」
「ん、油断禁物。まだここは敵陣のど真ん中だから」
『…!カタカタヘルメット団の兵力、多数確認!』
「それじゃー、せっかくだから包囲網を突破して帰りますかねー」
「気をつけて、奴ら、改造した重戦車を持ってるから」
「知ってる。Flak41改良型」
「先生とセツは私が守っておく、負傷した場合私が治療するから、存分にやってくれ」
「……りょーかい。それじゃ皆、行こうか?」
そこからは先生の指揮もあり、ヘルメット団の包囲網を突破することに成功した。セリカの言っていた改造した重戦車らしきものも破壊することに成功させて。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「皆さんお疲れ様です」
「オツカレ!セリカ、大丈夫だったか?」
「うん、私は大丈夫。見てよ、ピンピンして……」
「ッおっと」
セリカが力尽き倒れる所をモモが咄嗟に支える。
「ん、モモ。セリカを保健室に連れて行こう」
「了解」
シロコと二人でセリカを保健室まで運びその後、治療を施した。そのおかげかセリカは穏やかな寝息を立てて眠っている。
「なんとか、なったかな」
「ん、そう言えば」
「…?どうした?」
「モモは……キヴォトスの外から来たんだよね?」
「そうだが、それがどうした」
「いや、キヴォトスの外の人たちは先生みたいな人がほとんどって聞いてたから」
「……ああ、そういうことか。私は生まれた星が少し特殊でね。他よりも頑丈なんだ。…ここの人ほどじゃないが」
「成る程。じゃあどんなところで育ったの?」
「……少し酷な話になるがいいか?」
「う、うん」
「じゃあ、話すぞ」
モモの第二の人生は『惑星G.I.M.』にて始まった。ここは地球の数倍の重力がかかっている特殊な星で、そこでモモは『ゲンブ』という種族として生まれた。この年で十三番目に生まれたことから『M』と名付けられたモモは、優しい両親のもとで(前世とは違い)何不自由ない暮らしをしてきた。
しかし、12になった頃にやって来た密猟団により、モモの両親は殺害され(ここはうまく濁した)、モモ自身も密漁団に捕まり、奴隷のように酷使されることになる。
なにも、『ゲンブ』には背中にウミガメのような甲羅が生えており、甲羅が剥がれ落ちて初めて成人することができると言う文化があった。密猟団はその甲羅を目当てに子供をさらいに来たのだ。
監視の合間をすり抜けてなんとか外へ逃げ出したモモはそこから離れたところで奇跡的に見回りをしていた軍学校の教官に拾われ、学校に入学することになる。密猟団のその後は、あと一歩遅くもぬけの殻だったそうだ。
そこから3年経って、それでその時教官と一緒に旅行へ行く途中に……あれ?
「……済まない、ここからは記憶が曖昧と言うか断片的になくなっているんだ。……まあ、その後、セツたちを乗せた宇宙船で目覚めて、墜落して、今に至るわけだ」
「……」
「気に障ったらなら謝る」
「……なによ、それ。そんなのあんまりじゃない……」
いつの間にか意識が回復していたセリカが、目に涙を浮かべながら言った。
「まあ、私自身過去のことはあまり気にしていない……だから気にすることはない」
「「……」」
「セリカ、体調が大丈夫そうなら私は教室へ戻ろう。セリカはまだ安静にしているといい」
そう言い残してモモは保健室から出て行った。
シロコとセリカを残して……
◆◇◆◇◆◇◆◇
とあるビルの最上階。そこのデスクに座っている機械の男がいた。
「……格下のチンピラ如きでは、この程度が限界か。主力戦車まで送り出したのに、このザマとは」
「ふむ、となると、目には目を、生徒には生徒を……か。専門家に依頼するとしよう」
1つの連絡先を見ながら電話をかける。思ったより早く、ワンカールで繋がった。
「はい、どんなことでも解決します。便利屋68です」
「仕事を頼みたい、便利屋」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
セリカを救出したその夜。ヘルメット団のアジトは壊滅状態となっていた。
「う、うう、な、何者だ…貴様らッ……まさか、アビドスの!?よくも…よくも我々をッ……」
ヘルメット団の一人がリーダーらしき人物に向けていった。
「はあ、こんな不潔で変な匂いのする場所がアジトだなんて。あなた達も冴えないわね……いいわ。あなた達を労働から解放してあげる」
「な、何!?」
「要するにクビってこと。現時刻をアビドスは私たちが引き受けるわ」
「そんな、ふ、ふざけるな!貴様らは一体…!ッ!!」
強い衝撃を受け、昏倒するヘルメット団員。彼女のかすかに残った意識、その視線の先には4人の少女。
「私たちは、便利屋68。金さえもらえば、何でもする……何でも屋よ」
そこでヘルメット団員の意識が完全に消えた。
「……ここまでやらなくてもよかったんじゃねーか?」
便利屋の戦闘が終わった後、奥から現れた一人の男。最近入ったばかりの非戦闘員の新人、身長180を超える爽やかな印象を与える男、一見ただの好青年のようだが、その首は黒猫と融合しており、両手で猫の部分を支えながら便利屋の下へ向かった。
ちょっと少なめ。ゴメン。
主人公はなんぼ曇らせてもいい。
書きたかった話、次回で書ける……。
先生ってグノーシアのパラメーターで表すとどんなふうになるんだろうか……ステルスと可愛げが高そう、次いでカリスマ。直感、演技力は低いって感じ?
次回「便利屋と黒猫」
パヴァーヌ編を書くか書かないか
-
書く
-
書かない