今回、3日間も空いて本文4000字程です。
申し訳ない。
「……って感じだ」
「なるほどな、こりゃ他の奴らも無事になんとかやっていけてるやもしれんぞ!」
「まぁ、砂漠のど真ん中よりかはまし……か」
「砂漠!?モモ、よく無事だったな!」
「偶然、そこにいる狼耳のシロコに遭遇して助かった。そこでセツとも会えた」
「そうか!じゃあセツはいつから起きたんだ?」
「シピより少し早いくらいかな。えっと……」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
時は遡り、2週間と少し前。シャーレ近くではシャーレの先生が指揮するチュートリアル組(ユウカ、ハスミ、チナツ、スズミ)と不良たちによる大規模な戦闘が起こっていた。その中には連邦矯正局から脱獄した七囚人の一人、「厄災の狐」ワカモもシャーレ内部にある「連邦生徒会が大事にしているもの」に興味を持ち、建物内を目指していた。
「うーん…これが一体何なのか、まったくわかりませんね。これでは壊そうにも……?」
ワカモはシャーレの先生よりも一足早くシャーレのビル、その地下にたどり着いていた。そのには、需要そうなもの、のように見える物はあった。しかし、これがどういったものなのかは分からず、万が一のことを考え行動に移せずにいた。
暫く地下内部を探索していると、一人の女性が倒れているのを発見する?
「あら?眠っているようですが…先生ではない大人の方……でしょうか?」
ワカモの興味は、黄色い髪に水色の服装の人物、セツに移っていく。
「この方が「大事にしているもの」でしょうか?……しかし人をモノとは言いませんよね……ではこの方は……」
"この状況は……"
声のした方をワカモは振り返る。そこには先程まで遠目で見ていたシャーレの先生が驚いた表情でこちらを見ていた。
シャーレの先生は狐面の少女と対峙していた。少女のそばには倒れた人。この状況から先生は「やってしまった」のではないか?そんな考えがよぎる。
「あ、た、倒れているだけです!私は何も危害は加えていません!」
少し声高に、緊張した様子のワカモ。実際、彼女は緊張していた。
こ、この顔は!?
ワカモの目には、少しダウナーだが色気のあるメガネの似合うイケメンが立っていたのだ。
このことから表せることはそう……『一目惚れ』である。
動悸、体温の上昇。体に起こった変化に加え、目の前の男性から目を離すことができなかった、緊張からすぐに逃げ出したい!とも思った。しかし、今いる現状、そして位置、その全てがワカモの退路を塞いでいた。
無論、先生の横を無理やり通り抜けることもできる。 だが、それをしたならば先生はこの状況をどう捉えるか。それは想像に容易い。
わずか数秒の沈黙の後、ワカモが取った行動。それが……
「あ、た、倒れているだけです!私は何も危害は加えていません!」
弁明である。
「先生?もうすでにいらっしゃいますか?」
先生の後方から、つまり扉の向こうから。
"マズい、どこか隠れる場所を!"
先生が咄嗟に隠れるように指示する。ワカモと声の主があってしまえば、混乱は避けられないからだ。ワカモもその指示を素直に聞き、近くにあったロッカーに身を隠す。
「もういらっしゃったのですね、お待たせしました……そちらの方は?」
声の主、連邦生徒会のリンは倒れている人物に目を向け先生に問う。
"それが、わからないんだ。ここで倒れていて、幸い命に別状はなさそうだけど……"
「……そうですか。わかりました、先生。そちらの方は私が見ておきます。先生には、やってもらわなくてはいけないことがありますから」
そういった後に、リンは1つのタブレット端末のようなもの、『シッテムの箱』を渡し、先生はそれを使って今回の目的の一つであるサンクトゥムタワーの制御権の回復させることに成功させた。
その後、リンやチュートリアル組と別れてシャーレ内に戻る。
"……終わったよ、ワカモ"
「はい……」
先生はロッカーの中にいるワカモに声をかける、程なくしてワカモはロッカーから出てくる。顔は少し赤い。
"大丈夫?辛くなかった?"
「ひゃっ、い、いいえ!大丈夫です!」
"ならよかった"
そして、先生とワカモはシャーレ内部にある保健室。そこに眠っている人物のそばで何があったのか、この人は誰なのかを聞いた。
結果は、「わからない」だった。
そして数分後……。寝ていた彼女が目を覚ます。
「う、ここは……」
彼女の赤い瞳がこちらを捉える。
"あ、起きた。体調は大丈夫?"
「誰?それにここは船の中じゃ…ない?」
"ここはシャーレのビルだけど"
「そう…か」
今までのループとは明らかに違う。…終わったのか?ループが。
微かな安堵。
だが。
「モモは……皆は……」
"ああ、混乱しているようだね。少し落ち着こう"
焦燥感により取り乱すセツを先生は宥める。少しして落ち着きを取り戻したセツは一度深呼吸をした後に話し始める。
「すまない。私はセツ。宇宙連邦軍の軍人だが、貴方は…?」
"セツさんだね。私はシャーレの先生。後ろにいるのはワカモ"
後ろにいる狐の面を被った少女はコクリと頭を下げる。その手にはライフルのような銃が握られていた。
「旧時代の銃?」
"旧時代?ここ、キヴォトスでは学生が銃火器を持つのが当たり前なんだけど。起きる前のことは何かわからない?"
「ルゥアンで起こったグノーシア騒動から避難するために星間航行船に乗っていたはず……だが何故今ここにいるのかはわからない」
"なるほど……じゃあ、さっき「モモ」って言ってたけれどその人は…?"
「私の仲間、だよ。とても心強い」
"そうなんだ、じゃあその人もキヴォトスに来ているかもしれないね"
「!」
"もしいるんだとしたら、ここは普通の人には危険すぎる。だから、私が探すのを手伝うよ。探しに行くんでしょ?"
「ああ、だが、シャーレの先生。貴方はの時間を取らせてしまうことになってしまうけれど……」
"大丈夫!そういうのが仕事だから……所謂、何でも屋みたいな?だから安心して頼んでよ。"
「……わかった。よろしくお願いするよ」
そうして1週間程先生とともに業務をこなしつつ乗員たちの捜索をしていたが、1人も見つからないどころか痕跡すらなかった。
「…やっぱり、私だけなのか?」
セツは焦りを見せる。それもそのはず、今回のループが始まってから1週間。まだ、ループは終わらない。鍵を確認しても文字化けやノイズでまともに見ることができない。
「おかしい、明らかにこのループは……」
最後のループ。それはあの事件が起こったループだ。2日目にレムナンが破綻して、シピと沙明の様子がおかしくなったと思ったら視界が暗転してループが終わったあの回。……モモなら何かわかると思うのだが、肝心の彼女が今どこにいるのかわからない。
"……セツ。これからアビドス高校へ出張に向かおうと思うんだけど、セツも来る?"
「ああ、わかった、準備する。……所でアビドスとはどの辺りにあるの?」
"えっと、砂漠地帯かな。結構広いみたい"
「じゃあ、水分と食料を持って……よし」
先生とセツはアビドス地区へ向かった。そして遭難した。
「先生、地図は……ここは一体どの辺り……?」
"おかしいな、ここ、住宅地のはずなんだけど……"
遭難して1週間は経つだろうか、持ってきた食料、水分も昨日底をつき、絶体絶命の状況。
"あ、もうダメ……"
先生が倒れる。
「マズい、こんな所で倒れたら……」
こんな所で倒れたら救助なんてまず来ないだろう。そうなると待っているのは死。せっかく、ループから抜け出せたかもしれない今、こんな所で死んではいられない。セツは先生を背負いながら朝日が昇るまで歩き続けたが限界は訪れた。
「限界……か」
バタンと音を立てセツは地面に倒れる。先生もまた地面に倒れる。
……誰が…助けを……。
口に出ない。もう声を出すこともままならない。ここで終わるのか……
セツと先生は気絶した。
その後奇跡的にシロコに発見され、アビドスにつくことができ、そこでモモとしげみちと再開することになる。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「なるほどねぇ……お!ラーメンが来た!」
「ねぇ、シピ。本当に奢ってもらって大丈夫なの?」
アルがテーブル席からこちらに来て聞いてくる。
「アル、気にすんなって。いつも気にかけてくれるお礼だと思ってくれたらいいさ」
「そう……わかったわ。ありがとう」
その後、便利屋とシピには通常より大盛りのラーメンが振る舞われた。
"ちょっといい?"
対策委員会の皆から離れ、テーブル席に来た先生。
「先生か!どうかしたか?」
"その、君たちの探している人たちはみんなしげみちやシピみたいな見た目をしているの?"
「ああ、いや、彼らが少し特殊というのもあるけれど、大体は普通だよ……あ、でも喋るシロイルカの女の子がいたら教えて欲しい。彼女も私たちの仲間なんだ」
"わかった。それと君たちの話も聞きたいんだ。宇宙のこととか少し興味があるからね"
「なるほどな。じゃあオレから──」
しげみちの過去話やシピの猫と融合している理由など、話は弾み───
「じゃあ、またな!」
柴関の会計を済ませ店を出たシピは便利屋たちとともに便利屋の事務所へと帰っていった。
「ああ、また」
「今度またラーメン食いに行こーぜ!」
セツとしげみちもまた手を振って彼を見送る。
「……いいの?」
「いいって、何が?」
セツはなんのことかわからない様子。
「シピ、キヴォトスじゃ、シピみたいな脆い人が便利屋の人たちといるのはマズいんじゃない?」
「? 別にいい奴らじゃねーか?モモは心配性なんだよ。ほら、センセーさんたちも待ってるぞ」
便利屋とシピの向かった方向とは逆方面にいる先生達がこちらを待っている。しげみちも一言言っと後にすぐにそちらに向かって残ったのはセツとモモ。
「しげみちも言っていたけど、あの子たちは別に悪い人には見えないけど、モモどうしたの?何か気になることでもあった?」
「キヴォトスだと銃撃戦とかが日常茶飯事だったからセツや先生の保護下じゃないと他の奴らの身が危険なんじゃないかって。」
「……確かにそれはわかる。でも、それはシピが望んでいる事じゃないと思うからね」
……そういう気分の問題なのか…?……いやでも。
「人を縛るのも酷…か」
まぁ、今のところは問題はないようだから良しとしよう。
「ほら、モモ。皆が待っているよ、急ごう!」
セツはモモの左手を取って先生たちの下へと向かった。
ホシノとクロコのメモロビ見て心臓抜き取られたみたいになった。
このあとがきに、ループしてた頃のエピソードとか書きたいな……なんて。
次回「茶番と化した戦い」
ぐのログ「LOOP1:目覚め」
パヴァーヌ編を書くか書かないか
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