それでもこの小説を見たいと言う勇気ある人たちは、どうぞ一歩前へ・・・
◇????
「ええ、もうすぐ調印式ですので。それまで持てばいいです。」
「積めるだけ積みます、5人は用意してください。」
「ですが慎重に、ミツレの件もありますから・・・何が起こるかはわかりませんよ。」
「死装束もなるべく集めて潜伏させてください。」
「諜報員は敵の情報を集めてください。動きがあればすぐに対応しましょう。
「・・・それと、ミツレが起きたら教えてください。あの子には少し話がしたいです。」
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◇前線基地・医務室
薄暗い部屋の中、ベッドに寝ている一人の少女がいた。
いつもの黒いコートは着ておらず、その代わりに簡素な病院服を着ていた。
「・・・・んぅ?・・・・?」
少女が目を覚ますと扉から誰かが入ってくる。
「・・・起きたんだ。」
「・・・おはよう、リメイヨ。久しぶりだね。」
リメイヨと呼ばれた白いマントの女性は手際よく身体検査をするとベッドの脇に椅子を置き、腰を掛ける。
「目を覚ましてよかったよ。ボンドル殿もかなり心配してた。」
「・・・私、何してたんだっけ?」
「・・・・薬品の投与の後に急激に神秘を浴びすぎたらしくて体質の変化と暴走が起きた。今回はすごかったよ、ビドゥーもギャリケーもいなかったから私が鎮圧したの。」
「そうなんだ・・・ごめんね、迷惑かけて。」
少女は・・・ミツレは申し訳なさそうにするがリメイヨはミツレの頭を優しく撫でる。
「気にしないで。止めなきゃ被害も増えてたし、何よりボンドル殿が試験をした結果なんだから・・・それに自分の娘ならあの人が傍にいてあげるべきなのに・・・」
リメイヨはミツレの頭から手を離すと席を立ち、扉に向かう。
「もう体は安定してるから好きに動けるよ。そこの籠にいつもの服と装備が入ってるから・・・じゃあ、お大事に。」
そう言うと、リメイヨは部屋から出ていき、ミツレだけが残された。
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◇前線基地・研究棟
私、木立花ミツレは久しぶりの研究棟に来ていた。
秘匿性が高く、私も特別な許可が必要なので自由には入れない場所だ。
今回は常備薬の補充をするために来たのだ。
「はい、これでしばらく持つだろうな。気をつけて帰るんだぞ。」
「ありがとうグェイラ。久々に会えてうれしかった。」
「俺も仕事がなけりゃ一緒にいられたんだがなぁ・・・まぁ、旦那にとって大切な事らしいし、振られた仕事は片付けないといけないからな。」
「それじゃあ、私はもう戻るね。」
「おう、寄り道しないようにな~」
グェイラと別れ来た道を戻っていると、一つだけ開いている扉を見つけた。
好奇心から覗いた部屋には様々な道具と箱のようなものそして背負子の様な物もあった。
先生が聞いてきたお父さんの装備ってこれのことかな?
興味と憧れから私はそれを背負うことにした。
「・・・よいしょっと。」
やはり私の体格では大きすぎるのか少し後ろに重心が寄ってしまう。
そして背負子を下ろそうとした時・・・
・・・いたい・・・いたい・・・
くるしい・・・クルシイ・・・
背後から粒子のようなものが集まってきて、身体に力が湧いてきた。
今ならどンな者にも負けル気がしナい。
とてモ気持ちガイイ・・・アア、コノチカラをツカイタイ!
・・・そこで私の意識は途絶えてしまった。
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◇ゲヘナ自治区・ヒノム火山周辺
”それじゃあ、行こうか・・・”
先生のに全員が頷く。ここからは禁域、とにかく危険で何が起こるかわからない場所だ。
以前、ここで怪しい人物を見たと言う報告が多数上がり、さらには最近になって大きな爆発が確認された。
もしかしたら、誘拐されたミツレに関する情報があるかもしれない。
こうして、風紀委員会と先生によるアビス近辺の調査が始まったのだ。
しかし、結果的に私たちが禁域に入ることはなかった。
なぜなら・・・
ドォン‼
突然の奇襲、空から何かが降ってきて周辺の風紀委員を吹き飛ばす。
しかし、煙の向こうから現れたのは信じられない人物だった・・・
”ミツレッ!”
そう、私たちが探していた少女・・・ミツレだった。
しかし、今の彼女はとても正気とは思えず、どこか恍惚とした表情で目の焦点はあっていない。
おまけにどこかぬるぬるしてるような黒い靄のようなものが彼女を包んでいる。
とにかく今は彼女を止めないといけない・・・こうして私は2度目となるミツレとの戦いを始めた。
はい今回はここまでです。
ミツレちゃん常にだれかと戦っているよね・・・やっぱり戦闘狂なんだ!
今回は少しだけおまけがあります。
時系列は補習授業部のあとです。
おまけ
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ティーパーティー・テラス
「良ければ、少し座ってお茶でもどうですか?」
きっかけはそんな感じだった。
ティーパーティーのホスト、桐藤ナギサはシャーレからの資料などを届けてくれた少女・・・木立花ミツレをお茶に誘ったのだ。
理由なんてほとんどない、ただ話し相手が欲しかったのとシャーレについてもっと知りたかったからだ。
しかし、ミツレは椅子に座ると目の前にあるお菓子やケーキに目を輝かせていた。
「よろしければこちらをどうぞ。」
ナギサは紅茶と共にケーキスタンドから食べやすい物を選び、ミツレの前に置く。
ミツレはケーキをしばらく眺めた後、ゆっくりと口に運んだ。
「・・・・っ・・おいしい!」
ミツレの普段変わらない表情が大きく変わる。幸せそうにケーキを食べ、紅茶を飲む。
「お口に合って何よりです。」
「ケーキ?みたいに甘い食べ物はあまり食べたことが無くて・・・でも、グェイラがたまにクッキーを焼いてくれたよ。」
「・・・っ、では今度はこちらはどうでしょうか。」
そこからはしばらくの間、ミツレとナギサのお茶会が続いた。
様々なお菓子の話や最近起きたことなど、他愛もない話をしていたがナギサは久々に穏やかな時間を過ごすことができた。
ミツレは帰り際に「また来るね。」と言い上機嫌で帰っていった。
ナギサは予想以上に楽しめたお茶会を”また”出来ることを楽しみにしていた。
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それでは皆さんまた次回・・・
味気ないレーションを食い 泥水のようなフィーカをすする うんざりするが・・・ それこそが人間だ。
ただ生きるだけの人生に何の意味があるのだろうか?生きるってとても難しくて複雑なんだ。