次回から少しだけ閑話が続きます。
◇廃墟
トリニティの何処かの廃墟、そこにでは二人の少女による熾烈な戦いが行われていた。
しかし、アリウススクワッドのリーダー・錠前サオリと元スクワッドのメンバー・白洲アズサによる戦闘は次第にサオリの優勢になっていった。
「チェックメイトだ、アズサ。」
アズサは銃を弾かれ、攻撃の手段を失う。
逆にサオリは銃を突きつけ、相手が動いてもすぐに撃てるように引き金に指を掛ける。
「お前にしてはよくやった・・・それでも無駄なんだ。お前のことはお見通しだ。」
「最初から無駄な抵抗だったんだ。」
サオリはアズサに語り掛ける様に話す。
しかし、アズサは顔を上げ叫んだ。
「どうして・・・どうしてミツレを!」
「?」
アズサは見ていた。
サオリが【ヘイロー破壊爆弾】を使うところを。
それによってミツレのヘイローが破壊される瞬間を。
補習授業部で過ごした仲間が目の前で殺された事、それはアズサに殺意を持たせるには十分な出来事だった。
「ほう、お前もそんな顔をするんだな。」
「殺意に満ちたその顔を・・・」
サオリは引き金を引く。
何度も何度も。
「虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい。」
撃ち尽くしたマガジンを交換し、また引き金を引く。
「虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい。」
何度か同じ動作が続く。そして、射撃が止む頃にはアズサは誰が見ても動けないほどボロボロになっていた。
「虚しいな、アズサ。」
「友情か、ならばその無駄な物を壊してやろう。確か、ヒフミだったか?」
そこに一人の少女が近づく。
「・・・姫。心配しなくても手加減はしている。」
「こいつの事はよくわかって・・・」
サオリが見せた一瞬の隙。アズサは起き上がりボロボロの体で走り出す。
「アズサ、また逃げるのか!」
手元のスイッチを押し、残った爆弾をすべて爆破する。
爆発で視界を遮り、その間に距離を稼ぐ。
しかし、サオリは追っては来なかった。
「相変わらず逃げ足の速い・・・」
「まあ良い、どうせあいつは戻ってくるだろう。」
足元に落ちた手のひらサイズの人形。
サオリはそれを拾い上げる。
「あいつはこれを取り戻しに来るだろう。」
「闇の中で光を見つけた虫は、もうそれ無しでは生きられない。」
「あいつは絶対戻ってくる、その時に捕まえて世界の真実を教えてやる。」
サオリは油断していた。
油断していたから忘れていた
戦場で相手が落としたものに迂闊に手を出してはいけないことを。
ピッ、ピッ、ピッ。
どこからか聞こえてくる機械音。
「ん?なんだ、中に・・・」
ぬいぐるみを破き中を確認する。
そこにはアズサが持っていた爆弾・・・【ヘイロー破壊爆弾】があった。
「これは、セイア襲撃の時に渡した・・・・逃げろ、姫!」
サオリが叫んだ瞬間、大きな爆発が二人を襲った。
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◇アズサside
「はぁ・・・はぁ・・・やってしまった・・・」
やった。やってしまった。あれを、【ヘイロー破壊爆弾】を使ってしまった。
遠目だが、しっかりと見た。あの距離ではたぶん助からない。
アズサは座り込む。目から涙があふれだす。
「ごめん・・・ヒフミ・・・ミツレ・・・」
「もう、私は・・・二度と・・・ううっ・・・」
雨が降る。雨粒が体温を奪い、心も体も冷たくなるような感覚になる。
こころにぽっかりと穴が開き、そこから自分の大切なものが失われていくような感覚がする。
もう、みんなの元には戻れない。自分の手は血に汚れてしまったのだから。
それならいっそ・・・ミツレと同じように・・・
「素晴らしい・・・」
いきなり声が聞こえ、とっさに身構える。
そこには、紫の光の走る仮面をかぶった黒いコートの大人がいた。
気づかなかった、弱っていると言っても周囲への警戒はしていたつもりだった。
「誰だ・・・」
得体の知れない恐怖、出てきた言葉はそれだけだった。
しかし、そいつはゆっくりとした動作でこちらに近づく。
「白洲アズサさん、ですね?」
「私はボンドルド、ゲマトリアの一人・・・黎明卿と人は呼びます。」
本人にとっては何度もしてきた自己紹介。
しかし、アズサは目の前の大人が怖くて仕方なかった。
「あなたは本当に素晴らしい。あのスクワッドを相手に一人であれ程の立ち回りが出来たのですから。」
「そこで提案なのですが・・・」
「私に、協力してくれませんか?」
はーい、今回はここまでです。
もうそろそろあのセリフが言えそうですな。
補習授業部やゲーム開発部の絡みも書かなきゃ・・・
今考えてる番外編案ーーー
・ミツレちゃんの姉妹
・嫌われ薬を飲んじゃうミツレ
・祈手たちの日常
・IF世界
・その他色々
それではまた次回・・・