時系列は補習授業部編後ぐらいです。
それまでのストーリーはボンドルドが関わらない以外ほとんど本編と変わりません。
少しだけミツレちゃんの秘密がわかります。
今回も今回で心を痛めました。
番外編;純シャーレのミツレちゃん
◇D.U区内・病院
いつものように仕事が終わり、私・・・シャーレの先生はいつも通りとある病室に向かう。
一番奥の部屋、本来許可が必要な場所を顔パスで通過する。
扉の向こうには体中を管で機械に繋がれた少女がいた。
「・・・ぁ、先生!また来てくれたんだ。」
先ほどまで無表情だった顔が嬉しそうに笑みを浮かべる。
彼女の名前は木立花ミツレ、私がシャーレの仕事で制圧した非人道的な研究所から救出した少女だ。体が弱く今は寝たきりの生活だった。
元から体が弱かったわけではなくここ最近になって急に悪くなったのだ。
医者曰く、ここまで急性の衰弱は前例がない。らしく取れる対処があまりないそうだ。
私はミレニアムやトリニティの救護騎士団、ゲヘナの救急医学部などと協力し治療法を見つけようと必死だった。
みんなミツレのために協力を申し出てくれた。
医療チーム以外でもアビドスやゲーム開発部、補習授業部などのみんながミツレを元気にしようとお見舞いに来てくれたりもした。
しかし、ミツレの容態は悪くなる一方だった。
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◇シャーレ執務室
私はトリニティの古書館でウイに頼み、借りることのできた古い本を読んでいた。
サクラコが、昔の書物に似たような症状の記録を見たことがある。と言っていたためそれを探している所だった。
すると扉がノックされる。
”どうぞ―”
本を片付け扉のほうを見るとそこにはゲマトリアの黒服が立っていた。
”何の用だ・・・”
黒服をにらむように見る。声のトーンが自然と下がる。
「お久しぶりです、先生。・・・何かお困りでしょうか?」
こいつのことだ、また何か企んでいるに違いない。
”お前に話すことはない、私も忙しいんださっさと帰れ。”
「あの少女・・・木立花ミツレのことですかな。」
”・・・なぜそれを知っている。”
黒服はミツレを知っていた。ならばさらに警戒しないといけない。
「知っているも何も、今の彼女はゲマトリアの中でも注目の的です。何せ後天的に神秘を獲得した最も珍しい存在ですから。」
「体中の神秘が馴染みきれずにに膨れ上がり、拒絶反応を起こしていますからね。あのままではどんなことになるか・・・私でもわかりませんよ?」
こいつの言うことも正しい、このままだと間違いなく悪い方向に行ってしまう。
しかし、現状では解決策もない・・・
”黒服・・・何か解決策はあるのか?”
「おや?興味を持つとは珍しい。」
”いいから教えろ、あるのか?ないのか?”
「ふむ、本当はここで何か要求してもいいのですが・・・今回は特別です。お教えしましょう。」
黒服がこちらに近づき手ごろな椅子に腰かける。
「まず、正確に言うと我々も明確な解決方法は知りません。しかし、神秘を抑え馴染ませることが出来れば前と同じように生活できるでしょう。」
「ちなみに、あなたの持つ【大人のカード】それでは解決できないので注意してください。代償が足りないので・・・」
そう言うと黒服は立ち上がり扉へ向かう。
「私の持っている情報はこれくらいです。少しでもお役に立てたなら幸いです。」
黒服は扉の前で振り返る。
「彼女が助かるように頑張って下さい、ゲマトリアにとっても貴重な存在ですから。」
それだけ言うと、部屋を出て行った。
神秘、あいつからよく聞くワードだ。もしかしたら何かあるのかもしれない。
わたしはもう一度本を開き椅子に座った。
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◇病室
ミツレはいつものようにベッドの上で本を読んだり、ゲーム開発部から借りたゲームをしたりしていた。
すると、扉からノックが聞こえる。返事をすると扉が開き人が入ってくる。
「・・・あ!・・・委員長!」
「久しぶり、ミツレ。」
入ってきたのはゲヘナ風紀委員会・委員長の空崎ヒナだった。
ミツレは嬉しそうに微笑む。ヒナはベッドの横に椅子を置き、座る。
ヒナが手を伸ばすとミツレは嬉しそうにその手を握る。
ミツレは手を握ると安心するらしく、ヒナが来るたびにこうして手を握っている。
「今日はお仕事、どうだった?」
「今日も大変だったわ・・・万魔殿がいつもみたいに仕事を増やすから。」
「私もお手伝い出来たらよかったけど・・・動けないし、やり方分からないしあまり役に立てないかも・・・」
しょんぼりとするミツレ。以前、先生とお手伝いに行ったときにあまり役に立てなかったことが気がかりなのだろう。
ヒナは、落ち込むミツレの頭を撫でる。
「大丈夫よ。気持ちだけでもうれしい、それにミツレが応援してくれるだけで私は頑張れるから!」
笑顔でそう伝えると、ミツレも笑顔で答える。
「本当?それじゃあ、いっぱい応援するね!」
それからいろんな話をした。便利屋を捕まえたり、美食研究会を追い払ったり、温泉開発部を制圧したり・・・仕事の話ばかりだったが、ミツレは楽しそうに聞いていた。
あっという間に時間が過ぎ、私は帰る時間となった。
「じゃあ、今日はもう帰るけど。次、来るときに何か欲しいものある?」
ミツレは少し考えた後に口を開く。
「じゃあ!この花!とてもきれいだから。」
ミツレが見せてきた本には〈マーガレット〉が書かれていた。
「分かった。花瓶と一緒に持ってくるね。」
「うん!」
私はミツレの頭を撫でた後、部屋を出た。
携帯でゲヘナの花屋を探しながら次にミツレに会うのを楽しみにしていた。
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「・・・・けほっ・・・ケホッ!・・・ぅう・・・・」
病室で一人の少女が咳をしている。
その咳はどこか乾いたような音で定期的に聞こえてくる。
「・・おぇ・・・ケホッ、ゴホッ!ゴホッ!」
咳は大きくなり感覚も狭くなる。
「おぇ・・・うぅ・・・ゲホッ!」
ビチャッ!と音を立て、赤い液体がベッドを大きく染めた。
はい、今回はここまでです。
マジで心がイタイ
要望があれば続きを書きます。
それでまた次回・・・