東方宿儺譚    作:雅之幻想

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前回の続きという感覚ですね。
もしかしたら前の話とこの話を合体させるかもしれません。


10.蓬莱の薬

蓬莱の薬の力は、自身の意識を魂へ移転するというもの。

その副作用こそが『穢れの逆流』だった。

この力は、本来体に溜まる一方のはずの穢れを、死んでもいないのに外に放出するという代物だ。

蓬莱人が「生きても死んでもいない状態」と言われるのは、この特性があるからである。

 

                      

 

「貴方がその忌むべき薬を作り出したことは分かりました。」

 

「この薬は、俺の力を使わずに作られているがな。八意め、俺の力を使わずに作り出す方法を見つけたか。」

 

 

懐かしそうな目で、持っている壺を見つめる宿儺。

しかしこれで完全に、八意を探す手がかりが消えた。

 

 

「私は壺をこの霊力ある神の火で焼かなければならない。これは帝からの勅命である。」

 

「?」

 

「その薬をこの山に持ってきた者が私に言った言葉です。」

 

 

渡りに船だ。八意を探す手がかりは帝にある。

 

 

「__向かうは都か。」

 

「今は京都という場所が都のようですよ。あちらの方角です。」

 

 

そう言って咲耶姫は京都の方に指を指す。

 

 

「助かる。だが何故俺に協力する?」

 

「その薬を処分してほしいのです。壺諸共。」

 

「そんなに嫌か?この薬が。」

 

「もう見たくも触れたくもないほどには。」

 

「一応俺がそれの試作品を作ったんだがな。」

 

「でもこれは違うのでしょう?なら良いではないですか。」

 

 

皮肉混じりに言うが、咲耶姫の情報に宿儺は感謝していた。

宿儺なしでどうやって不老不死の薬__もとい蓬莱の薬を作り出したのか聞き出す為にも、

八意を見つけなければならない。

少しの談笑の後、宿儺は山を下りた。

 

                      

 

「帝に会うためにはそれなりの身分が必要なのか。側近すら滅多に顔を見ることは無い...と。」

 

と、立ち寄った村で聞いた。ここは岐阜県、現在で言う高山市に当たる場所である。

偶然にも修行に来ていた京都の僧に帝の話を聞くことができ、その結果が先刻(さっき)の感想だ。帝の話以外にも、今の地上のことは興味があった。疫病・飢饉・世継ぎ争い...

ひとまず、より詳しく話を聞くため、その修行僧と共にこの村に滞在することにした。

その男は話好きで、かれこれ二時間は話している。

 

 

「__さて、長々と話してしまって悪かったね。こんな山奥で同業者と出会うなんて早々無いことだから、つい話しこんでしまった。」

 

「同業者だと?」

 

「おや?それだけの呪力量を持っているのに、呪術師でないと?私の目は誤魔化せないよ。」

 

 

途端、僧の目の色が変わった。それに加え、場の空気も変わった。

宿儺はいつでも戦闘できるよう、全身に力を巡らせた。

 

しかしその空気の緊張はすぐに解かれた。

 

 

「やっぱり君、コッチ側だよね。それともそれを自覚してないのかな?」

 

 

そう言って僧は立ち上がった。

 

 

「ついてきてほしい。」

 

 

そう言われ宿儺は訝しみながら僧についていった。

__この僧の正体が羂索だとも知らずに。




更新が遅くてスミマセン。筆のノリが悪くて・・・え、面白くなくなってきた?
次まで、次までお待ち下さい!次になれば、平安時代編が本格的にスタートするはずです!
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