そう思いながら書きましたが、区別点は私の主観的な意見です。
「ついてきてほしい」
そう言われてついて行った先にあったのは、後に飛騨大鍾乳洞と呼ばれる場所。
力が満ちているのが分かる。ちょいちょい神霊も飛んでいる。
「何故俺をここに連れてきた。」
「先に説明しておこうと思ってね。あまり部外者には聞かれたくないから、来てもらった。」
「なんの説明だ。」
「我々の本当の目的さ。」
そう言って僧は語り始めた。
呪霊の存在、結界の存在、術式の存在__
呪術師とは何かを、ひと通り話した。
「私は僧のフリをしているが、実際のところは呪術師と言われる存在なんだ。」
呪術師というのはどうやら表向きには認められていないらしい。だから僧の格好をしているとか。
呪術というのは「呪い」なのだ。貴族に頼られる陰陽師とは対局に位置すると言ってもいい。
古来より「呪術師」は存在したが、今で言う「呪詛師」と「呪術師」の区別ができたのはつい最近の事らしい。それまでは総じて、呪術師=悪という認識だったそうだ。
だが、陰陽師は妖怪退治を専門としているのに対して、呪術師は呪霊を退治する。
陰陽師は占いをするのに対して、呪術師は結界を張る_等、得意分野に違いがあった。
「最大の違いは、術式の在り方だ。陰陽師は事前に組まれた術式を使うのに対して、呪術師は自らの術式を使う。先天的か後天的かの違いさ。」
だが先に認められた陰陽師たちが、悪しき使い方の事を「呪い」と呼んでしまったものだから
呪術師=悪人と決めつけられてしまった。努力7割の陰陽師達にとって、生まれ持って同レベルの力を持った呪術師は妬ましい存在だった。だから貶められた、かもしれない。
「呪術師が表向きにも許される様になったのは、天元という私の上司が働きかけたからだ。
だが、ごく一部の呪術師以外は信用がない。そこで、呪術師の仕事が少しでも減るように、呪霊の発生を抑制する結界を貼ることになった。私はその候補地の視察に来たんだ。」
更に聞くと、張る予定の結界というのは呪術師の結界術の制度を底上げする役目もあるそうだ。
「なるほどな。で、何故俺にその話を?」
「君に流れてる呪力は、私が見てきたどの呪術師の呪力よりも濃いんだよね。その力をぜひ我々に利用させてほしい。」
「本人の眼の前で利用と言うな。」
「折角の逸材だ。真実を話すべきだろう。」
「...報酬は?」
「天元の権力で出来ることなら。」
「その天元とやらは、帝と話が出来るか?」
「帝か。大きく出たね。時間はかかるが、いずれ出来るようになる。目的が達成されればね。」
結界を張るのは別に造作もない。何なら宿儺自信の手で張る事もできる。
ただそれでは、思惑と異なる結界ができる可能性がある。
それに何より、今は術式の行使が難しい。ここまで来たら肉体を移し替えて、術式をリセットした方が早い。もっと言えば、人の身で一生を過ごしてみるのも一興かもしれない。
「お前の意向は理解した。その条件を飲もう。」
「それはありがたい。」
「ならばこちらも、お前に真実を話しておこう。」
「真実?」
「これから話すことは他言無用だ。いいな。」
「__ああ、わかったよ。墓の下まで持っていこう。」
二人は縛りを結んだ。そして__
「穢神・月夜見宿儺」
「は?」
「それが俺の正体だ。」
頭に縫い目のある僧に、そう告げた。
陰陽師:才能3割・努力7割
呪術師:才能8割・努力2割 くらいの割合です。