平安編やってくれないかなあ。
呪術界の総本山・山国御陵。
後に光厳天皇が祀られる常照皇寺の前身こそが、呪術の中枢となる堂だ。
「中は随分広いな。」
「空性結界が張られているからね。優れた結界術の使い手であれば、自由に内装を変えられるよ」
「ほう。」
空性結界は、結界術に優れた者が張ることが出来る特殊な結界である。
一度張った結界は張った者以外でも内部をイジったり解体することが出来る。
勿論それ相応の結界術を必要とされるが、ここでは天元に頼むだけで内装を変えることが可能だ。
「まあ私は自分で変えられるけどね。」
「自慢か。」
「自慢だよ。君にも出来るとは思うけどね。」
嘘偽りない本音だ。その気になれば、宿儺は結界術を一月で完全にマスターする。
そうなれば、足抜けした際の天元への抑止力としてだけでも十分なものとなる。
「これから君には、呪術界をもっと知ってもらおうと思う。」
「で、戦力として力を貸せと。」
「当たり。」
それが約束だ。貸せる力は貸してやろうと思う。
ただ問題は、扱える力の方だ。
神宝を抑え、御厨子を使う。そこまでは良い。
問題は神格だ。あと1年どころか、半年も持たない。力を使うほど、その時間も短くなるだろう。
神が赤子に憑くのはリスキーだったか。
「ここが私の部屋だよ。」
羂索が戸を開けた。
宿儺はあれこれ考えるのをやめた。
今はゆっくりしよう。
「邪魔するぞ。」
「ああ、どうぞ」
宿儺は襖を開けた。そして__
「帰ったか」
「人の部屋には勝手に入らないでほしいな。」
部屋では女性が待っていた。
「その子が・・・」
「ああ。”逸材”だよ。」
「”化け物”の間違いではないのか?」
「それも合ってる。どっちもかな。」
「初対面からも顔見知りからも化け物扱いか。」
「腹の口から話すのか。驚きだな。」
初対面で軽口を利く宿儺。だが天元はそれを咎めないし、羂索も指摘しない。
「おほん。」
羂索が咳払いをした。
「えー、この御方こそ、表向きにはこの”盤星教”の教祖であり、呪術界の頂点である天元様であらせられる。」
「私は君を”保護下に置く”という形で、ここでの居住を許可する。」
言いたくもないことを言ったらしい羂索は渋い顔をしていた。
それを気にも留めず、天元は宿儺の立ち位置を一言で説明した。
「君が何者か、どの様な力を持っているのかを聞かせてもらう。その異形についてもな。」
「この体は生まれつきだ。なんでこうなったかは知らん。」
「では君の術式を詳しく教えてもらおうか。」
宿儺は自分の術式は御厨子と穢れだと説明した。
斬撃・炎を扱う式である御厨子と、一度限りの穢れ。
「穢れは一発限りの式だが、今回はその中身を見せてやろう。」
そう言って宿儺は手を広げた。そうして周囲から集まった黒いモヤは、宿儺を中心に渦を巻いた。
そして渦が晴れたとき、出てきたのは__
「穢れは人を成長させる。俺とて例外ではない。」
四本腕と腹の口、肥大化した右の目元が目を引く男だった。
このまま宿儺の成長記録書くのは精神的にしんどいので、宿儺さんには大人になって頂きました。要はご都合展開です。許して下さい。