東方宿儺譚    作:雅之幻想

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同化と人類補完計画って似てますよね。なんとなくですが。


18.十年

穢れの力により、大人になった宿儺。

 

 

「その姿になれるなら、最初からなってくれればよかったのに。君をおぶってここまで来るの大変だったんだよ?」

 

 

そう愚痴を言うのは羂索だ。

眼の前で赤子が大人になったというのに、動じる素振りも見せない。

その胆力は尊敬に値するだろう。

 

 

「ではこれで、君はもう穢れとやらの術式も使えないのだな?」

 

「完全に焼き切れた。もう使えん。」

 

 

驚きを隠しきれていない天元は声を震わせてそう聞いた。

正確には穢れは術式ではなく神格だが、ここではそういうことにしておく。

 

 

「君のことは追々知ることにしよう。改めてようこそ、呪術界へ。」

 

 

そう言って天元は出ていった。

 

 

「やっぱり人は穢れで成長するんだね。」

 

「量次第で毒にも薬にもなるのが穢れだ。」

 

「毒側のイメージしかなかったから、薬側は初めて見たよ。」

 

「まあ一気に接種すると死にやすいのは穢れも薬も一緒だ。俺以外は、得た穢れをそのまま成長に使える訳では無いからな。」

 

「でも君はもうそれを使えないと。」

 

「残ってた神格は完全に消えた。俺が人の身を脱するまで、穢れの力は使えん。」

 

「それは残念。頭だけでも若返らせて貰おうと思ったのに。」

 

「お前の頭は1000年経っても変わらんだろう。」

 

「じゃあ1000年経ったら確認しに来てよ。神の姿で。」

 

「それまでお前が生きていたら、な。」

 

                      

 

あれから十年の月日が経った。これまでの大きな出来事は三つ。

 

一つ。蓬莱の薬は羂索に渡した。量が少ない上、元々処分する予定だったものだ。

一応一度くらいは死んでも復活すると考えてはいるが、自分が必要になる時は多分来ないだろう。

羂索はかなり喜んでいた。処分する手間が省けて有り難い。

 

一つ。羂索との約束である「帝と話す」は達成した。

尤も既に時が経ちすぎてしまい、羂索から話された以上の情報は得られなかった。

 

そしてもう一つ。

天元が結界を張りに行っている間に、俺は羂索と共に裏切った。

というのも、羂索は元々天元の下で働く気なかったのだ。

 

 

「君との契約である『帝と話す』は既に達成された。次は私のやりたいことをやるよ。」

 

「何をする気だ。」

 

「呪術による新たな世界の創造さ。」

 

「・・・本気か?」

 

「本気だとも。」

 

「出来るのか?お前に。」

 

「算段はある。君の力と天元があれば。」

 

「・・・同化か。」

 

「君には天元を守る者と戦って欲しいのさ。まあ殺しても構わないけどね。」

 

「何故俺が貴様の話に乗っかる前提なのだ?」

 

「乗っかってくれないと成功出来ないからね」

 

 

やらんとすることは理解できる。その実現にも興味がある。

何よりも__

 

 

「暇つぶしには丁度いい。」




意外とノリが良い宿儺さんですね。
興が乗れば結構いろいろ手伝ってくれそうなイメージ。
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