まあでもそういう作品ということで。
「領域展開 伏魔御厨子」
結界術には結界術を。
宿儺の領域は二重結界を侵食していく。
「でも時間は稼げたわ。藍!こっちへ。」
と言いつつスキマで直に手元に藍を持ってきた。
これでは何の為に呼んだのやら。
しかし、八雲紫は至って真面目である。
故に、
「境符『四重結界』」
こちらも真面目に、結界術で応じることとした。
こちらは二重結界とは違い、宿儺との押し合いが成立している。
__その事実に一番驚いたのは、八雲紫本人である。
いくら異形とはいえ、人間が妖怪との結界術の押し合いで勝てるはずがない。
にも関わらず、領域の押し合いが成立している。
これは八雲紫の実力に、宿儺が届きうる事を示している。
「やはり貴方は封印する必要があるわね。」
「貴様程の実力者なら、この結界を張りながらでも出来るだろうな。」
「そうね、出来るわ。でもこれは霊子の試練でもあるの。だから悪いけど、貴方を踏み台にさせてもらうわね。」
本気を出せば、領域の押し合いをしながらでも宿儺を封じることが出来る。
だがこれはあくまでも、霊子のための試練。
霊子の
「藍、結界の利権を貴方に預けるから、十秒持たせて。」
「分かりました。」
「霊子、やるわよ。」
「ちゃんと合わせてよね!」
なにか大技が来る。
先の会話と力の起こりから、宿儺はそう判断した。
こちらもやるしかない。
「龍鱗 反発 番の流星」
詠唱と手印を作り、最大出力で解を放つ。
そして壁を貫通させて三者を殺す。
それが、宿儺のとった選択だった。
「「完全憑依夢想封印!」」
「解」
両者の領域が崩壊し、砂煙が舞う。
「1000年後にな」
宿儺が立っていた所には、20の指が残されていた。
「カハッ」
三人が立っていた所には、血痕があった。
それは身を挺して、壁を貫通した斬撃から二人守った、八雲藍の血痕だった。
「藍、お疲れ様。ゆっくり休みなさい。」
「ありがとう...ございます...」
紫は藍をスキマで運ぶ。彼女は妖獣だ。
あれくらいなら一週間で治るだろう。
「はあ〜〜。疲れたわ〜」
「霊子もお疲れ様。」
「もう飲まなきゃやってられなくなりそうだわ。」
「はいはい。帰ったら宴会でもしましょうか。先に送るわね。」
「あ、ちょっ!」
霊子はスキマに吸い込まれるように落ちていった。
「1000年後、ね。その時に私は見れるのかしら。弱点は作ったから頑張ってほしいけど。」
そう言って、指をスキマで全国各地に散りばめた。
両面宿儺と呼ばれた怪物は、人と妖怪の手によって封印された。
「はあ、はあ、はあ、」
宿儺は裏切ったのか、それとも何かトラブルがあったのか。
星漿体の殺害は失敗した。六眼持ちの無下限呪術師の使い手に阻まれてしまった。
「あれが...因果か...」
逃げ切れたのは奇跡だった。彼の任務が「護衛」でなければ殺されていただろう。
「だが...次こそは...」
今は逃げなければならない。新しい身体も手に入れなければ。
「_____あ...」
そうこう考えていると、茂みから宿儺の気配を感じた。
だがおかしい。宿儺の気配にしては弱すぎる。
「何だ...」
気配の元には、一本の指が落ちていた。
それはまさしく__
「宿儺の指」
そうか。彼は封印されたのか。
全く予想外も外。
「知らない術がかけられてるね。調べる必要がありそうだ。」
そうして拾い主_羂索は指を懐にしまった。
これから始まるのは、羂索による、1000年を賭けた、世界を巻き込む大事変だ。
次回は呪術廻戦本編の方で宿儺との決着まで更新できません。
なので暫くは閑話をお送りします。
それにしても宿儺と押し合いが成立した五条ってホンマおかしい。