東方宿儺譚    作:雅之幻想

23 / 75
平安時代の雰囲気に「Phantasm」は合わないなあ。
まあでもそういう作品ということで。


境界の裏.封印

「領域展開 伏魔御厨子」

 

 

結界術には結界術を。

宿儺の領域は二重結界を侵食していく。

 

 

「でも時間は稼げたわ。藍!こっちへ。」

 

 

と言いつつスキマで直に手元に藍を持ってきた。

これでは何の為に呼んだのやら。

しかし、八雲紫は至って真面目である。

故に、

 

 

「境符『四重結界』」

 

 

こちらも真面目に、結界術で応じることとした。

こちらは二重結界とは違い、宿儺との押し合いが成立している。

__その事実に一番驚いたのは、八雲紫本人である。

いくら異形とはいえ、人間が妖怪との結界術の押し合いで勝てるはずがない。

にも関わらず、領域の押し合いが成立している。

これは八雲紫の実力に、宿儺が届きうる事を示している。

 

 

「やはり貴方は封印する必要があるわね。」

 

「貴様程の実力者なら、この結界を張りながらでも出来るだろうな。」

 

「そうね、出来るわ。でもこれは霊子の試練でもあるの。だから悪いけど、貴方を踏み台にさせてもらうわね。」

 

 

本気を出せば、領域の押し合いをしながらでも宿儺を封じることが出来る。

だがこれはあくまでも、霊子のための試練。

霊子の潜在能力(ポテンシャル)を開放する、そのための試練だ。

 

 

「藍、結界の利権を貴方に預けるから、十秒持たせて。」

 

「分かりました。」

 

「霊子、やるわよ。」

 

「ちゃんと合わせてよね!」

 

 

なにか大技が来る。

先の会話と力の起こりから、宿儺はそう判断した。

こちらもやるしかない。

 

 

「龍鱗 反発 番の流星」

 

 

詠唱と手印を作り、最大出力で解を放つ。

そして壁を貫通させて三者を殺す。

それが、宿儺のとった選択だった。

 

 

「「完全憑依夢想封印!」」

 

「解」

 

 

両者の領域が崩壊し、砂煙が舞う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1000年後にな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宿儺が立っていた所には、20の指が残されていた。

 

 

「カハッ」

 

 

三人が立っていた所には、血痕があった。

それは身を挺して、壁を貫通した斬撃から二人守った、八雲藍の血痕だった。

 

 

「藍、お疲れ様。ゆっくり休みなさい。」

 

「ありがとう...ございます...」

 

 

紫は藍をスキマで運ぶ。彼女は妖獣だ。

あれくらいなら一週間で治るだろう。

 

 

「はあ〜〜。疲れたわ〜」

 

「霊子もお疲れ様。」

 

「もう飲まなきゃやってられなくなりそうだわ。」

 

「はいはい。帰ったら宴会でもしましょうか。先に送るわね。」

 

「あ、ちょっ!」

 

 

霊子はスキマに吸い込まれるように落ちていった。

 

 

「1000年後、ね。その時に私は見れるのかしら。弱点は作ったから頑張ってほしいけど。」

 

 

そう言って、指をスキマで全国各地に散りばめた。

両面宿儺と呼ばれた怪物は、人と妖怪の手によって封印された。

 


 

「はあ、はあ、はあ、」

 

 

宿儺は裏切ったのか、それとも何かトラブルがあったのか。

星漿体の殺害は失敗した。六眼持ちの無下限呪術師の使い手に阻まれてしまった。

 

 

「あれが...因果か...」

 

 

逃げ切れたのは奇跡だった。彼の任務が「護衛」でなければ殺されていただろう。

 

 

「だが...次こそは...」

 

 

今は逃げなければならない。新しい身体も手に入れなければ。

 

 

「_____あ...」

 

 

そうこう考えていると、茂みから宿儺の気配を感じた。

だがおかしい。宿儺の気配にしては弱すぎる。

 

 

「何だ...」

 

 

気配の元には、一本の指が落ちていた。

それはまさしく__

 

 

「宿儺の指」

 

 

そうか。彼は封印されたのか。

全く予想外も外。

 

 

「知らない術がかけられてるね。調べる必要がありそうだ。」

 

 

そうして拾い主_羂索は指を懐にしまった。

 

これから始まるのは、羂索による、1000年を賭けた、世界を巻き込む大事変だ。




次回は呪術廻戦本編の方で宿儺との決着まで更新できません。
なので暫くは閑話をお送りします。
それにしても宿儺と押し合いが成立した五条ってホンマおかしい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。