初陣の相手に悩みましたが、饕餮尤魔に決定。
題名が君の名はのパロ?キノセイデハ?
空色の服を着た少女が地底を縦横無尽に駆け巡り、あらゆる角度から攻撃を仕掛ける。
常人では目で追うことも叶わない速度で繰り出される連撃を、宿儺は完璧な力加減と技術で全て凌いでいた。刺突を躱し、蹴りを受け、拳を流した。
「もっと致命的な隙が欲しくなるな。」
「その欲も、私が喰らってやろう!」
数々の攻撃が凌がれているというのに、少女の闘気は消える気配がない。
放たれた拳は岩を砕く威力。一体その矮小な身体の何処にそんな力があるのかと問いたくなる。
そう思いつつ、宿儺は少女の攻撃を避け、腹にカウンターを入れた。
「ほう」
「クックック、効かないねえ。」
お互い内に秘めた思いは違えど、両者は笑みを浮かべた。
少女が余裕の笑みを見せるのに対し、宿儺は期待の笑みを浮かべていた。
その笑みを浮かべながら、宿儺は少女を投げ飛ばした。
凄まじい速度で壁に激突した少女。
「解」
そこに斬撃を入れる。激突した壁に斬撃の跡が刻まれる。
依代が死に絶え、再び神として復活した宿儺。
その出力はまだ完全には戻っていないが、あの少女の胴を真っ二つにするには十分すぎる威力だ。
「普通ならな」
こちらへ歩いてくる先刻の少女。
宿儺は再び、その少女へ斬撃を入れる。
しかし、その斬撃を受けつつも、少女は真っ直ぐこちらへ歩いてくる。
その肉体には微塵の傷もなく、出会った当初の状態を保っていた。
さっきのカウンターの手応えといい、実に妙だ。
「まるで沼を殴っているような感覚だ。」
「人のことを沼とは、言ってくれるな。」
「お前の術式の種が判ったら止めてやろう。」
あれだけの斬撃を受けてなおピンピンしている点。
腹を殴ったときの感触。
「喰らう」という言動。
沼という例え。
宿儺はあらゆる可能性を考え、その中でも可能性が高そうなものを厳選した。
「虱潰しといこう。」
「潰してみやがれ。」
宿儺は瞬きする間に少女の間合いに入り、連撃を叩き込んだ。
沼にハマる速度を上回ればいい、というわけではないらしい。
「これも効果なし。」
「オラァ!」
脇腹に杓による一撃を受け、宿儺は吹き飛ばされた。
「あの杓は、確か...」
「っシャア!」
まだ飛ばされている最中だというのに、上から蹴り落とされた。
矢のような速度で地面に激突した宿儺。
そして起き上がる前に、杓の先端で背中を刺された。
「カッ」
肺・心臓・肺のすべてを一撃で貫き、宿儺は吐血した。
少女は杓を抜き、距離をとった。
距離を取って3秒ほど経つと、宿儺は立ち上がった。
やはり只者ではない。改めてそう認識した少女は、再び構えた。
「ああ、そうだ。スポークだ。」
先割れスプーンをスポークと言うそうです。
何でも知ってる伏黒恵(16)