東方宿儺譚    作:雅之幻想

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遅れました。
雑巾の絞りカスみたいなアイデアしか出ない。


29.別れと道中

「という訳で頼む。俺を博麗神社へ案内してくれ。」

 

「えー。っていうかどういう訳よ。」

 

「どんな訳でも引き受けてやれよ。この際階段前に連れてくだけでもいいだろ。」

 

「それで構わん。」

 

「いいんだ。それくらいならまあ。」

 

 

話というのはトントン拍子に進むものだ。

その後も暫く呑み続け、博麗神社に行くときには頭痛に襲われてしまった。

 

 

「じゃあな星熊。世話になった。」

 

「いいってことよ。アタシはまた一緒に呑めればそれでいいさ。」

 

 

そう言葉を交わして、星熊とは別れた。

 

 

「随分淡白な別れだな」

 

「今生の別れでもあるまい。涙を流す別れを期待したか?」

 

「いや。お前が涙ぐむなんて想像できないな。」

 

 

という会話を交え、宿儺と萃香は博麗神社に向かっていた。

因みに口調など表面上は平静を装っているが、宿儺は今激しい頭痛に襲われていた。涙ぐむなら別れよりも頭痛に涙したい。

 

 

「流石に飲み過ぎたな...」

 

「人間なのにあれだけ飲んでも倒れないのはおかしいと思うけどね。」

 

「こういう人間もいる。それだけだろう。」

 

 

尤も宿儺は人ではないが。

 

 

「それにしても紫に連れてこられたのが地底だなんて変わってるな。」

 

「どういう意味だ。」

 

「いや、普通は会話なんかしたら博麗神社に飛ばされるんだが、お前は地底に送られたんだろ?地底になんかあったのか?あそこを訪れる人間なんて殆どいないけど...」

 

「そんな事・・・俺の方が知りたい。」

 

 

実際、なぜ自分が饕餮と戦ったのかはよく分かっていない。「とりあえずボコして」と言われたからやったが、今思うと八雲紫が直接手を下せば良かったと思う。

 

 

「まあ奴は俺を封じるときですら殆ど動きはしなかったしな。元々人任せな性だったのだろう。」

 

「封じるとき?」

 

「1000年前にな。」

 

「ふ~ん。1000年前かぁ。」

 

 

思うところがあるのか、萃香は下を向き、ブツブツと独り言を言っている。萃香は宿儺を先導する形で歩いているが、曲がり角ではちゃんと曲がる様子を見る限り、前は見えているらしい。

 

 

「その角が邪魔になることは考えてなさそうだな。」

 

「あっ、え?なんか言った?」

 

「何も。」

 

 

鬼。八雲紫は「幻想郷は忘れ去られたものが行き着く所」と言った。伏黒恵の記憶では、明治の時代に陰陽師は存在を禁じられ、この世から消えたらしい。それと共に、陰陽師に倒されていた妖怪までも消えてしまったのだろう。光と影は表裏一体。光が消えれば影が消えてしまうのは、ある意味当然である。逆に呪術師という存在がいたからこそ、今尚呪霊が存在できるのだろう。思い切って呪術師を消してみれば、呪霊という存在も消えるのだろうか。

 

 

「光が消えて影が深まるやもしれんな。影とも気づけぬ者が大半だろうが。」

 

「ブツブツ言ってるみたいだけど、ちょっと良い?」

 

「ん?ああ。何だ。」

 

「着いたよ。博麗神社。」

 

 

そうして目に飛び込んできたのは、赤い鳥居と長い階段。博麗神社へと続く参道である。




pixivで「秘封羂索」を連載し始めました。
更新頻度はこっち(東方伏魔殿)よりも遅いですが、興味のある方はぜひ。
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