東方宿儺譚    作:雅之幻想

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参道というのは、人と神が神社に行くときに通る道である。参道の真ん中は正中(せいちゅう)と呼ばれる神の通り道であり、人は端の方を通るのがマナーである。故に宿儺は、迷わず中央を通った。


30.博麗

「本当にお前は行かんのか?」

 

「刺激したくないからね〜。私が連れてきたって事、霊夢には言わないでね。」

 

 

ヒラヒラと手を振り、萃香は行ってしまった。

瓢箪をぶん回しながら歩く萃香。普通に危ない。

 

 

「それはさておき。」

 

 

いよいよ博麗霊夢との対面だ。あの巫女からどれだけ成長したのか。力の性質は変わったのか。

 

 

「今に判る。」

 

 

そう言って、宿儺は階段を登り始めた。不思議なことに、空を飛んで行く気にはならなかった。人の身の生活に慣れきってしまったのか、飛んで移動することに違和感を覚えようになってまった。

 

 

「変わったな。俺も。」

 

 

階段の途中で立ち止まる。神社はまだまだ先だ。

 

ふと、自分の手を見た。汚れ一つない自分の手。その中で穢れの力が流れているのを感じる。変化を司る穢れ。その力は自分だけがコントロールできる。フグが自分の毒で死ぬことがないように、自分が穢れの力を利用することはあっても侵される事は無い筈だ。

 

 

「・・・止めよう。迷いは力のブレを生む。ただでさえ今は調整中だというのに。」

 

 

久々に十種神宝を扱い、宝を出す早さが遅くなっていることに気がついた。このロスをできるだけなくしたい。戦闘中に隙を生むなど、言語道断だ。

 

 

「暫くは慣らしだな。いい戦いの機会があればいいんだが。」

 

 

そんなものがそう簡単に見つかる訳が無い。宿儺は天を仰いだ。

その時、上の方から小瓶が飛んできた。

 

 

「くそー。新技は失敗だったか〜。」

 

 

そう言って飛んできたのは、ほうきに乗った白黒の少女だ。そしてその後ろには...

 

 

「なによ。自信満々に新技ができたって言うから期待してたのに、不発じゃない。」

 

「ああ、あとは試すだけだったからな。新技はできてはいたぜ。」

 

「何も起きなかったじゃない。まさかそういう新技?」

 

「ああ、新技だぜ。次は元々の新技を見せてやるから、楽しみにしてろよ。」

 

 

件の、博麗の巫女がいた。

 

 

「それで、あなたは誰?」

 

「こんな妖怪神社に参拝者なんて珍しいな。」

 

「ちょっと!折角の参拝客の前でなんてこと言うのよ!」

 

「参拝とは趣旨が違うがな。」

 

「じゃあ何しに来たのよ。まさか外来人?」

 

「八雲紫に『博麗神社で』と言われてな。」

 

 

参拝客でないと分かった途端、目の輝きが消えた。妖怪神社と呼ばれるほど、ここには妖怪が集まるのだろうか。参拝客もさぞ少ないだろう。

 

 

「今すごく失礼なこと考えなかった?」

 

「貴様の能力は読心術か?」

 

「私だって何とかしたいわよ...って、それよりも何?紫?私何も聞いてないけど。」

 

「どうせ今に説明があるだろう。」

 

「スキマで私達を連れてくるとか?あいつならあり得るわね...」

 

 

全く同感だ。八雲紫ならやりかねない。

それにしても似ている。博麗霊子にそっくりだ。博麗の巫女は皆こうなのだろうか。

なんて考えているうちに

 

 

「来たか。」

 

「そうみたいね。」

 

「なにがッ__」

 

 

足元が抜け、月夜見宿儺・博麗霊夢・霧雨魔理沙の三人はスキマへと吸い込まれた。




超がつくほど久しぶりの投稿です。多分今後の投稿頻度は一週間に一回あるかないかぐらいです。秘封羂索があるのと、中の人が忙しいので。
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