東方宿儺譚    作:雅之幻想

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呪術完結。モヤモヤが無かったと言えば嘘だけど、宿儺の最後は良かった。繋げやすい。


31.今の居間まで

「あら、いらっしゃい。」

 

「いらっしゃい、ってここ私の神社なんだけど!」

 

 

八雲紫は博麗神社の居間に空間を繋げたらしい。

 

 

「まあまあ。それより遅かったじゃない宿儺。」

 

「かなりの間地底にいてな。石油の汚れと臭いを落としていた。あと鬼と飲み会。」

 

「お前二日酔いとかじゃない?大丈夫か?」

 

「大丈夫だ。問題ない。」

 

「じゃ、話をしましょう。」

 

「なぜ俺を連れてきたのか、饕餮がどうなったか、幻想郷とは何なのかを聞かせて貰おう。」

 

「え、饕餮!?あんた饕餮にも会ったの!?」

 

「あ」

 

「ああ、その話は後でするから。まずは今回の異変について話させて。」

 

 

口を滑らせてしまったが、紫的には問題ないらしい。鬼にも隠し通したのが馬鹿みたいに思える。

 

 

「今回の異変って、饕餮が原因じゃないのか?」

 

「どうもそうじゃないっぽいのよねぇ。」

 

「俺の努力を返せ。」

 

「まあ関係ないって事は解ったから、収穫よ。」

 

殴りかかりたいが、そう言われたら黙るしかない。

そもそも幻想郷の事をよく知らない宿儺が幻想郷の異変に首を突っ込み過ぎるのはおかしな話だ。

 

 

「じゃあ結局犯人は誰だったの?」

 

「それが分かっていないのよねぇ。」

 

 

首謀者と思わしき人物も、犯人ではなかった。しかし饕餮を倒した後から石油の噴出量が減ったのであれば、そこに関係があると考えるほうが自然だ。とそこへ、

 

 

「号外ー!号外だよー!」

 

 

障子を突き破って新聞が投げ込まれた。

普段ならスルーしていたその新聞も、今日だけは違った。

 

 

「あら、これあなたじゃない?」

 

 

自分を見出しに使った、件の新聞だったからだ。

 

                      

 

「鬼が異変を解決ねえ。」

 

「地底には決して立ち入らないことを勧める。勧めを断れば問題ないな。」

 

「やはり写真の許可は欲しかったな。」

 

「って、ほんとに貴方がやったの?」

 

「星熊勇儀と戦ったのは事実だが、石油の件は俺ではない。」

 

 

新聞を読んだそれぞれの感想がこぼれ出た。

 

 

「そうよ。宿儺はあの饕餮尤魔を倒してくれたの。私が外の世界から連れてきてね。」

 

「へー、お前宿儺っていうのか。」

 

「饕餮を倒した!?」

 

 

八雲紫が発した言葉に、二人は別々の感想を抱く。どうやら霊夢は饕餮を倒せなかったらしい。

 

 

「外の世界にもそんな奴がいるなんて、菫子から聞いたことないんだけど...」

 

「元々、呪術師(俺達)は数が少ない上、その存在は秘密にされてきたらしい。」

 

 

伏黒恵の記憶や羂索の話だと、政府がその存在を呪霊もろとも隠し続けていたらしい。もし存在を公表すれば、目に見えず一般人では絶対に対処できない脅威による混乱や、その混乱を元にした呪霊の発生などが起きてしまう。外国への武力干渉などを除けば、明かすメリットは殆ど無かったらしい。

 

 

「まあその中でも宿儺は最強だったから、外の世界の皆が皆彼みたいな訳じゃないわよ。」

 

「それでも強い奴は居るんでしょう?そうなったら本格的に危ないわよ。」

 

外の世界で最も強かった男(五条悟)は俺が殺した。それ以外は饕餮相手に勝てないような奴ばかりだ。」

 

 

霊夢が一度負けた相手を引き合いに出されてもイメージが沸かないというものだ。呪術師というのが饕餮よりも弱かったとしても、霊夢たちが勝てる保証などどこにもないだろう。

 

 

「ま、何にしても相手は人間。万が一のときにはどうとでもなるわ。」

 

「その人間に饕餮の相手をさせたのはどこのどいつだ。貴様が直接手を下せばよかっただろう。」

 

「いやよ。石油で汚れちゃうじゃない。」

 

「至極真っ当な意見をどうも。」

 

 

最高にキレそうだ。一度石油でとんでもなく汚してやりたい。そこに(フーガ)を打ち込んで再起不能にしてやりたいくらいだ。

 

 

「まあどちらにせよ、あなたには幻想郷に住んでもらうことになるけど良いわよね?」

 

「ああ。だがそういうのは幻想郷に行く前に言うものじゃないのか?」

 

「死人に口なし。あなた私が止めなかったら地獄にいたわよ?」

 

 

切り落として使ったところか。旧地獄がああならば、今の地獄はどのような感じなのだろうか。

 

 

「待って紫。幻想郷に住むって、どこに住まわせる気?」

 

「ひとまずは博麗神社でいいかしら。」

 

「地に体を委ねる事にならなければどこでも。」

 

「じゃあ決まりね。」

 

「私の意思はどうなるのよ!」

 

「あら、別に構わないでしょう?」

 

「世話になる。」

 

「ぐぐ...」

 

「諦めろよ。」

 

 

霊夢は折れ、宿儺が住まう事を渋々承諾した。饕餮以上の危険分子を神社においておくのは、監視という意味でも都合が良かったため、仕方なくである。一方宿儺としても、幻想郷で暮らす上での拠点ができたのは有り難かった。




天狗はガラスを割ってでも新聞を届けるから、障子ぐらいは平気で破ってきそう。しんぶ〜ん。
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