再開に伴い、今までの話全てに変更を加えました。より読みやすくしたつもりです。
「・・・知らん天井だ。」
そう言って、宿儺は目覚めた。目に入って来た天井は、一週間で見慣れた博麗神社の天井 ではない。八意の住む永遠亭の天井だ。八意達と会話をし、八意のマトモな料理を食べ、八意と晩酌をし、床についた。
「あ、宿儺様。おはようございます。」
そんな事を思い返していると、兎耳の少女が入ってきた。その瞳は、徹夜でもしたのかという程
「お前は確か・・・優曇華だったな。」
「はい。元玉兎の鈴仙・優曇華院・イナバです。朝食ができたので呼びに来たところです。」
「分かった。顔だけ洗わせてくれ。」
「了解です。食事場所は昨日と変わらないので、ごゆっくり。」
「冷めるまでには行く。」
少女が出ていき、宿儺も洗面所へと向かう。廊下を渡る際、少しの肌寒さに宿儺は身震いした。今は11月の頭。秋が冬に代わり始めるタイミングである。日は昇ってはいるが、陽光は竹に遮られ、渡り廊下には日が差していない。おまけに宿儺の服装は羽織り物一枚で、服の隙間からは鍛えられた逞しい肉体を覗くことができる。
そんな寒気を気にせず、目を覚ますために冷水で顔を洗う。秋の夜の寒さに当てられて普段よりも冷たい水は、宿儺の眠気を覚ますには十分すぎるものだった。
「冷水にやられるとは、俺も年を取ったな。」
「驚いただけで大げさよ。」
「お前なら判るだろう、八意。」
「あら、私はまだまだ若いわよ?」
蓬莱ジョークにツッコむことなく、宿儺は八意の脇を抜けていった。挨拶は今ので済ました。
尚、まだ水気が残る顔に外気が当たり、宿儺はまたしても冷たい思いをしたことを記しておく。
「宿儺様はこの後はどうなさる予定ですか?」
「そう、だな...」
食事が終わり、食器を片付けてもらっている優曇華にそう尋ねられた。
本来ならば情報収集に奔走するところだが__
「流石に博麗に心配をかけるだろう。食はいらんと言ったが、帰らないとは言っていないからな。」
「ということは、博麗神社に戻られるのですね?」
「そういうことになるな。八意と蓬莱に挨拶をしておこう。」
尤も宿儺は
「おはようイナバ。いい朝ね。」
「あっ、姫様。おはようございます。朝食ができてますよ。」
「ありがとう。あら、宿儺も居たのね。」
「挨拶に行く手間が省けたな。」
「挨拶?」
「俺は今日は博麗神社に戻る。故に別れの挨拶だけして帰ろうと思ってな。」
「そうなのね。ちょっと残念だわ〜。色々聞きたいことあるのに。」
「幻想郷から去るわけではない。また来る。」
「じゃあ帰る前に一ついいかしら?」
「俺に答えられることであり、その情報を渡しても問題ないと判断できれば構わん。」
とはいえ、蓬莱山は八意の教え子だ。あまり隠し立てする気はないが__
「あなたと永琳って、どんな関係なの?」
__絶妙に答えづらい質問なのは困る。
「俺と八意の関係・・・か。彼奴を初めて見たのは、岩戸隠れの宴のときだ。」
宿儺が幻想入りしたのは10/24です。東方剛欲異聞の発売日です。