まだ読み途中だった方々には、お詫び申し上げます。
「天照を引きずり出す案か。何故俺にそれを?」
「兄弟である貴方の意見が加われば、更に良い案にできるだろうと思いまして。」
「俺が生まれ堕ちたときから彼奴は既に神として成り過ぎていた。助言は期待するな。」
「構いません。」
八意は策を話した。
要約すると『天岩戸の眼の前で宴会をして天照の興味をそそり、こっそり覗いてきたところで天照を引きずり出し、天岩戸を封じる』というものだ。
「人々の
「まあそうだろうな。彼奴ほど祭が好きな神はいない。が...」
あの温厚な姉が引きこもるレベルとなると、ただの祭では釣れないだろう。何かしら面白いものをかさ増ししなければ。
「宴の開始の合図を、長鳴鶏の鳴き声にするのはどうだ?」
「・・・なるほど。確かにそれはいいですね。でしたらこちらは...」
「と、こうして俺と八意によって天岩戸の作戦がほぼ出来上がった、という訳だ。」
「そんな事があったのね。」
「そんな事もあったわね。」
「ん?いたのか八意。」
「いたわよ。『無駄な争いはしないだけです。』の辺りから。」
「ねえ永琳、そこからどうなったの?」
「宿儺に相談して改善したところが見事にハマったお陰で、天照は岩戸から出てきたわ。」
「せっかく天照が出てきたのに、こんなところで何してるの?」
「作戦会議だけ行かせ、宴会となったら嬉々として参加した姉に話すほどではない。」
「ボロクソ言うわね・・・。」
「天照を出すことができたのは、間違いなく八意思兼のおかげだ。礼なら奴に言え。」
自分の思想と精神状態も相まって、八意の策は自分では思いつかなかった。
「その思兼が、貴方にお礼を言いたいみたいよ。」
月夜見が指をさした方を見ると、八意がこちらに向かっていた。
天岩戸から少し離れた丘の上にいる宿儺と月夜見だが、その存在は殆どの神が気づいていない。神々は天照の復活を祝ってどんちゃん騒ぎ。その立役者が席を外し、こちらへ向かってきている。
「どんな隠密術を使ったのやら。」
「お礼言いたいだけみたいだから、そんな身構えなくてもいいでしょ。」
「何故判る?」
「何となくだけどね。ただ彼女から感謝の気を感じただけ。」
「それだけ気配に敏感ならば、俺に話しかけるタイミング位は見極めてもらいたいものだな。」
「見極めてるけど、別にいいかな〜って。」
「半殺しにしてやろうか?」
「その時は天照に援軍を頼むわ。」
「フン。」
八意が声の届くところまでやってきたので、この話はお開きにした。
八意は宿儺の前に来るなり、跪いた。
「宿儺様、突然申し訳ありません。本日は近日のお礼申したく参りました。取り込み中でしたか?」
「構わん。ただの
「お気遣いありがとうございます。」
「礼には及ばん。この姉に嫌がらせをされるのを嫌っただけだ。」
「あらそんなことしないわよ失礼ね。精々ちょっと寝てる間に顔に落書きをする程度よ。」
「後で俺のところに来い。半殺しにしてやる。」
「・・・フフッ。」
「何だ?」
「いえ。ただ、仲が良いなと思っただけです。非礼をお許しください。」
「私は全然いいわよ。そんなに仲良く見える?」
「一般的なものとは異なっているでしょうが、仲の良さは伝わります。」
「ねえ宿儺聞いた?私達仲良さそうに見えすごい嫌そうな顔するわねあなた。」
「日頃の行いを改めねばな・・・」
「私そろそろ本格的に泣くわよ?」
「構わん。記録には残しといてやる。」
「ほんと相変わらずね...可愛げのない。ま、それはさておき。」
そう言って月夜見は八意の方を向いた。
「思兼、あなたどこか所属はある?」
「いえ。この件まで私はただの八百万の内の一に過ぎなかったので。」
「なら、ウチに来ない?悪いようにはしないわよ?」
天照 :清楚系お姉様ポジ。やや天然。大学生くらいのイメージ。黒髪。美女。強い。
月夜見:宿儺ラブな姉ポジ。高3くらいのイメージ。美女。姉弟の中では最弱。
素戔嗚:問題児。宿儺より強い。高2くらいのイメージ。黙ってればイケメン。
宿儺 :月夜見と二人暮らし。悪役が似合う整った顔。姉の月夜見より強い。中学生くらいの(ry