もう少しお付き合い下さい。
「随分な火力だったな。
斬撃の放たれた方向からそう言ってやってきたのは、白い布を袈裟の様に羽織った宿儺だった。
その体にあったはずの傷は、全て塞がっていた。
貫かれたはずの眼球は再生しており、傷跡がついているだけだった。
ただ火雷神で焼かれたことは間違いない様で、腕や頬など黒く焦げている部分があった。
「お久しぶりです。宿儺様。」
「久しいな、細愛。都久親王もか。息災だったか。」
「お陰様で。」
そう言って二人は頭を下げた。
依姫も慌てて頭を下げた。
「そう固くなるな、依姫。あの技は実に見事なものだった。俺が勾玉による回復に頼ったのは久方ぶりだ。それに細愛と都久、お前たちもリラックスするがいい。」
「とんでもございません。月の都の生みの親である月夜見様の
「先刻まで侵入者として扱われていたんだがな。」
「その節は大変申し訳ございませんでした。」
「良い。俺としても寝起きには丁度いい運動になった。」
3人は宿儺の懐の深さに感謝しつつ、何故地上に出てくることが出来たのかを疑問に思った。
聞いていた話では、宿儺は結界の核として封じられており、
出てくるのであれば結界に多大なる影響が出ているはずである。
にも関わらず結界になんの影響もないのであれば、この話は嘘だった事になる。
「俺が出てこられたのは俺自身の力と、それを活かせるチャンスが巡ったからだ。」
人の心を読んだかのように疑問に答える宿儺に驚きを覚える3人。
そんな3人を気にも留めず、宿儺は語った。
「何者かが俺の結界に大きな負荷をかけてな。修復やら何やらのドサクサに紛れて結界を維持する条件を変更した。結果俺はここに居るというわけだ。」
「ご説明ありがとうございます。では結界は大丈夫なんですね。」
「ああ、問題ない。」
最大の憂いが片付き、細愛と都久は胸を撫で下ろした。
ひとまずこれで月の都の無事が確定した。
「ところで、八意はどこだ。奴が俺の気配に気づかんとは思えんのだが。」
肝が冷え、背筋が凍った。
八意思兼は宿儺にとっては同僚であり、お互いに遠慮がなかった程の仲だ。
その質問は予想できたモノではあるが、同時にどう返答しても宿儺の怒りを買うだろうとも予想されるモノだった。しかし、ここで黙っていてはそれこそ怒りを買ってしまう。究極の二択を前に、都久親王は心を決めた。
「八意思兼_彼女は月の都を裏切り、地上へ逃亡しました。」
空気まで凍った。一瞬、沈黙が訪れた。しかし、宿儺の口から出た言葉は___
「そうか」
予想を裏切る、呆気ないものだった。
割とピンチでしたね宿儺さん。
まあ寝起きだしエネルギー減ってたし術式もうまく使えなかったしで
それなりにハンデ有りまくってたので仕方ないですね(早口)。
十種神宝の勾玉の力は、
・結界の補助:スーパーコンピューターの様な感じ
・回復:代用生命。負傷に対し、身代わりとして全てのダメージを請け負う。
・?????:??????
です。回復は使うと丸々一週間ぐらい使えなくなります。