東方宿儺譚    作:雅之幻想

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コミケで錦上京を買い、霊夢Easyを一発クリア。
調子に乗ってNormalに凸ったら馴子ちゃんにボコられました。


54.ツェペシュの幼き末裔

 入ってきたのは、見たところ齢10の少女。しかし背中の不気味な蝙蝠の羽と、吸血鬼という種族の放つ、恐怖や畏怖を感じさせるオーラは幼子のそれではない。尤も、精神年齢は見た目相応のものもある。それは酒の席で確認済みだ。

 

「……運命は、妹の相手に貴方を選んだのね」

 

「何の話だ」

 

「これからの話よ」

 

 そう言って少女は対面の席に座った。そしてすぐに十六夜がテーブルに紅茶を置き、彼女は少女の背後に立った。手際が良い。

 

「……大体の話は、十六夜から聞いている。近々訪れる紅い月に備え、お前の妹の暴走を止める役が必要。故に俺を招いた、と」

 

「ええそうよ。最近、妹の力が増してて、紅月になったら私でも止められない……というのが、パチェの試算だそうよ」

 

「ぱちぇ?」

 

「パチュリー・ノーレッジ。紅月が近いとの試算を出した魔法使いですわ」

 

「暇だったら会いに行くと良いわ。いつも大図書館に居るから、後で案内させるわね」

 

「図書館か……そこの本は、好きに読んでも良いか?」

 

「パチェがどう言うかだけど、屋敷の主としては許可するわ」

 

「交渉次第、といったところか」

 

「盗んだりするならともかく、読むだけならとやかく言われないと思うわ」

 

 こんな屋敷(悪魔の館)に盗みに入るマヌケが果たしているのだろうか。

 

「お嬢様、脱線はこの位に……」

 

「そうね。咲夜、ワイン持ってきて頂戴。あとジャーキーも」

 

「はい、こちらに」

 

 そう言って机の上にワインとグラス、そしてジャーキーなるものを置いていった。今の今まで、何も持っていなかった筈だ。驚きはしなくなってきたが、やはり気になる。

 尤も当の十六夜咲夜は、そんな興味を向けられているとも知らずにワインを注いでいる。

 

「さて、話をしましょうか。これからの、契約の話を──」

 


 

「浴室はこの突き当りのところに、そしてこちらが宿儺様のお部屋です」

 

 案内された部屋もまた、赤をベースにした色合いになっている。この屋敷に長居した暁には色彩感覚が狂ってしまうのだろう。

 

「本日はお疲れ様でした。朝には起こしにまいりますので、それまでごゆるりとどうぞ」

 

 部屋には既に荷物(といっても殆どが替えの服)が運び込まれていた。ごゆるりと、と言われたのでひとっ風呂行っても良いのだが……

 

「……折角だが、まだ疲れを感じていない。そこで一つ頼みがある」

 

「何でしょう」

 

「件の魔法使い、パチュリー・ノーレッジのところへ案内しろ。大図書館とやらに興味がある」

 

「……承知致しました。では、こちらへ」

 

 そうして案内された大図書館という部屋。応接室や先刻案内された部屋とは違う、いかにも重要といった感じの扉が待ち構えていた。

 

「こちらがパチュリー様が管理している大図書館になります。どうぞ」

 

 そうして扉は開かれた。そこに待ち受けていたのは──

 

「……おお」

 

 ──先が見えない程長い、大量の本の道だった。




お久しぶりです。ちょっとブランクに突入してました
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