東方宿儺譚    作:雅之幻想

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東方天空璋のEXTRAをクリアしました。まあまあキツかったです。
凄くどうでもいいですね。


6.地上へ

「八意思兼は禁薬とされた蓬莱の薬を作り、それを当時の姫である輝夜(かぐや)姫に飲ませた罪で、輝夜姫諸共地上に流刑となりました。もう月の都に、八意殿は居られないのです。」

 

 

都久親王の告白に続き、細愛親王が詳細を語った。

それに対する宿儺の返答は、想像を超えるモノだった。

 

 

「ならば俺も、地上へ出向くとしよう。丁度力も殆ど失くなった所だからな。」

 

 

愕き(おどろ)一驚(いっきょう)・驚嘆・仰天・喫驚(きっきょう)・驚愕・驚き___

驚きという情報がいつまでも完結しなかった。

当然である。月の都に住む者にとって、地上は監獄。否、それ以下の処である。

穢れにまみれた最悪の場所。そんな処に行く者など、大罪人だけである。

止めるべきだ。しかし驚きが発声を妨げる。

 

 

「そう驚くな。大方、穢れに塗れた地上に行くのが信じられんのだろう。

 心配せずとも、俺は穢れを操れるのだ。地上で死ぬことなど有り得ん。」

 

 

そうだ、そうだった。

驚きが消えた。同時に、理解が満ちていった。

宿儺は穢れを操る神。穢れの影響を受けることがないのだ。

何故そのことに気付かなかったのか。老化だろうか。

いやそもそも、月の都で老化などあり得るはずが__

 

「それはさておき、月に何故こんなにも穢れがあるか、教えてもらおうか。

お前達の体に、穢れが蓄積しているぞ。」

 

穢れだって?そんなものがあるはずがない。そもそも月の都は、眼前の宿儺の結界によって

穢れからは守られているはずだ。依姫は思い返した。そして、一つの可能性に行き着いた。

 

 

「恐らくですが、先日地上の妖怪の月侵攻がありました。その妖怪たちの穢れかと。」

 

「地上の妖怪の月侵攻だと?」

 

「はい。地上の妖怪が満月の通路(みち)を通り、月の都に攻め入ろうとしました。」

 

「最終的には八意殿の仕掛けた罠が決定打となり、地上の妖怪を降伏させることが出来ました。」

 

「その時に多少穢れを貰ってしまったんだろう。お前達月人は、俺の結界のお陰で、穢れとは無縁の生活を送っているからな。穢れに対する耐性が殆どない。細愛と都久も、穢れへの耐性が昔よりも大部弱まったな。」

 

 

放っておけばこの穢れは月の都に蔓延する。誰かが寿命を迎えることはないが、彼らの様に肉体に老化が見られるかもしれない。それは真実を知る者以外にとっては、結界の弱体化を示す事だ。

宿儺とて神。信仰を失うのは困る。

 

「穢れ回収の慣らし運転には丁度いい。」

 

そう言って右手を三人の前に突き出した。

 

 

「集」

 

 

三人から黒いモヤが出てきたかと思えば、それは宿儺の右手に吸われていった。

そして更に、右手を地面に添え、再び「集」と唱えた。

 

その時、三人は見た。

先ほどの黒いモヤが、辺り一帯から宿儺の方へ向かっていくのを。

 

 

「大体、こんなものか。」

 

 

頭がスッキリした気がした。

実際、スッキリしたのだろう。

 

 

「では俺は地上へ行くとしよう。少し、力も戻ったしな。」

 

「分かりました。道中、お気をつけて。」

 

「道中?そんなモノはない。」

 

「は?」

 

「__辺津鏡よ。沖津鏡と表裏一体と成りて、空を繋げ給え」

 

 

そう言って、宿儺の手元に鏡が現れた。

そして宿儺はこちらを見ると、

 

 

「じゃあな依姫。次は本気で相手してやる。」

 

 

そう言って、鏡の中に入っていった。

 

それから1000年間、宿儺は一度として月の都に現れなかった。




鏡が出てきましたね。鏡の能力は空間を繋げるだけです。
ほんとは詠唱しなくても鏡は出せます。え、なんで詠唱させたかって?
宿儺の力が減ってたのと、地球が遠かったからですね。
明確な種明かしは先の方で。
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