サイバーパンクと青春記録   作:水面どり

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ワカモを描いてると段々とキャス狐になるのは私だけ?


7話 メインジョブ 『目覚め/NO SAVE POINT』 3

ワカモ達の仕事を引き受けた俺は、特に問題もなく連邦生徒会が所有するビルの前まで来ることができた……だが

 

ドガドガドガドガドガドガ!!!

 

重苦しい連射音、腹まで響いてくる遮蔽物の削れる振動が俺たちを出迎えた。

 

俺がゴリラアームで扉をこじ開けようとしたら、大量の防衛タレットが床、壁からニョキニョキ生えてきたのだ。 そこからは雨霰の弾丸の数々、ワカモもスケバンも俺も物陰に隠れる事を強要されていた。

 

「インターホンも押してないのに、手厚い歓迎だな!」

 

タレットは全部で8機、全てマシンガンで武装している。 絶え間ない弾幕が顔を出すことすら許してくれない。 ワカモやスケバン達が隙を見て鉛玉を叩き込んでいるが、結果は芳しくない。

 

「さて、どう開けてしまいましょうか?」

 

そう言いながら、手早くリロードを終えたワカモは防衛用自動迎撃タレットに再びライフル弾を打ち込んでいく。 だがその数は減っているようには見えなかった。

 

「ダメージを受けたタレットが引っ込んで自動修理して、また出てきてますね。 ワカモさん、クルセイダー戦車で一気に蹴散らしましょう!」

 

「いえ、クルセイダー戦車は後からやってくる連邦生徒会の連中に一当てしたいので……Vさん、どうにかできます?」

 

スケバン達も負傷者が出ており、このままではジリ貧だと判断したワカモは先ほど雇った傭兵を頼る事にした。

 

(さて、お手並み拝見といきましょうか)

 

「了解、モグラ叩きといこうか」

 

俺は飛び出すタイミング伺いながら、タレットの放つ銃撃が止むのを待つ、そして発射音が少なくなり始めたタイミングで仕掛けた。

 

 

 

 

 

「サンデヴィスタン」

 

 

 

 

 

時の流れが加速した世界で、俺は遮蔽物から顔をだしマロリアンアームズを構える。

 

残り弾数4発

 

替えの弾丸はなし

 

先ずは扉の上下にいるタレット4機だ。

 

1発、2発、3発と打ち込み、最後の1発を打つ前に途中でサンデヴィスタンを解除して遮蔽物に引っ込む。

 

「どうだ?」

 

「すごいっす、銃声が一回鳴ったと思ったら、タレットが一気に3台も!!」

 

「どれもタレットのセンサーの詰まったモノアイに命中、アレではマトモに機能できませんね。 お見事ですが、また自動修復されてしまいますよ?」

 

「ああ、だからもう一回だ。 スケバン、ピストルの弾とかねぇか?」

 

「はい! どうぞVさん!」

 

あの一瞬の活躍だけで、随分とかしこまった口調になったもんだ。 コレが長いものに巻かれろって奴か?

スケバンから受け取った弾をマロリアンアームズに装填して、今度はサンデヴィスタンを使わず遮蔽物から駆け出した。

 

「ちょ、Vさん!? それじゃあ蜂の巣に!」

 

銃撃の少なくなった今なら問題ない。

走りながら俺はマロリアンアームズをタレットに向け、『ダッシュ』を行う。 すると、再び時の流れが遅くなる。 違いがあるとすれば俺の動きも遅くなっていることか。

神経系のサイバーウェア『ケレズニコフ』そして前頭葉のサイバーウェア『ケレズニコフブースト』が起動したのだ。

 

ダッシュでスタミナ消耗しているため、集中モードとデッドアイは発動できない。 一機のタレットに銃弾を2発連射、そして迫ってくる銃弾の雨を避けるために再度ダッシュ。 本来ならケレズニコフは6秒のクールダウンが必要だが、そこで二つ目の前頭葉のサイバーウェア『量子チューナー』の出番だ。

量子チューナーは言わばクールダウン電池のようなもので、他のサイバーウェアを更に強くする、とある女からの贈り物だ。

 

再度ケレズニコフ起動、4発使い俺がさっきまでいた場所を射撃しているタレットを2台を無力化する。 タレットも残り2台だが、後は彼女達に任せよう。

 

「ワカモ! スケバン!」

 

「は、ハイっす!」

 

「うふふ、手際がいいですねぇ!」

 

俺が声をかけると即座に銃弾がタレットへと集中した、今までの借りを返さんと言わんばかりだ。

 

ここからはスピード勝負だ。俺は壁に引っ込んで自動修復してるタレットにサンデヴィスタンを使い近づく。 そしてゴリラアームを起動させ、引っ込んだタレットに突っ込んだ。

 

「ふん!」

 

そして引っこ抜く。 ブチブチと野菜の根が切れるように、タレットに繋がれたコードが引きちぎれる。 タレットのモノアイが明滅して、完全に機能停止にする。

 

「今日は豊作、とでも言えばいいか?」

 

既にサンデヴィスタンの効果は消えてるが、それでもお構いなしに次から次へとタレットを引っこ抜いていく。

 

「えんやこーら、えんやこーらってか」

 

全てのタレットをささっと引っこ抜き終わると、良い笑顔をしたスケバン達が手を振りながら走ってきた。

 

「Vさんすげぇよあんた! 何だ今の早撃ち、超痺れたぜ!」

 

「ハンドガンだけで最新タレットを沈黙させるとか聞いたことねぇよ!」

 

「超強い! もしかしたらゲヘナの風紀委員長と同じくらい強いんじゃないかアンタ!」

 

褒め言葉が次から次へと飛んできた。 口を挟む間もない。 というかここまで純粋な感情に誉められたことがないので、どうにも背中がムズムズする。 そこで助け舟が出された。

 

「ハイハイ、貴方達気を抜きすぎですよ」

 

ワカモは手を叩きながらそう言うと、視線を別の方向へと回した。 そこには一台の真っ白なジープがコチラに近づいて来ていた。 その横には連邦生徒会の文字が。

 

「増援か」

 

「ええ、ほらスケバンさん方、出番ですよ」

 

「ええ!? ウチらっすか!? Vさんとワカモさんで余裕じゃないっすか!」

 

「貴方達……いい加減働いてくれません? タレットの殆どはVさんが、残りは私が、貴方達何かしました? 給料全カットがお望みで?」

 

どうやら残り2台はワカモが処理していたようだ。

 

「ぐ、いくぞテメェら! 連邦生徒会に目にもの見せてやれ!!」

 

ワカモの放つ正論と圧にたじろいでしまったスケバン達は、追い立てられた獣のように連邦生徒会の連中に向かって行った。

 

「さて、Vさん、少し彼方でお話しよろしいでしょうか?」

 

彼女は少し離れた所にある自販機を指差した。

 

 

 

 

 

「こちらをどうぞ」

 

ワカモは自販機で購入したものを俺に渡した。 別世界の飲み物、俺はそれに期待しながら受け取ると。

 

「何味か……な……?」

 

それは赤い箱にリボルバーの絵が描かれていた商品だった。ピストルの弾丸だ。

 

自販機で売んなよ物騒すぎだろ。

 

スンっとしつつもありがたく受け取り、マロリアンアームズに装填していく。 残りの弾をワカモに差し出したが、それは首を横に振られたので自分で持っておく事にした。

 

「貴方、キヴォトスの外から来ましたの?」

 

いきなり、本題を切られた。

 

何か重要な話があるのだろうと思ってはいたが、ここまで自分自身の核心に迫るものだと考えてはいなかったので顔に出ていたのだろう、ワカモはクスクスと手を仮面の前に持っていき上品に笑っていた。

 

「どこで気づいた?」

 

「そうですねぇ、纏う雰囲気というのもありましたが……核心はあの『サンデヴィスタン』とつぶやいた時ですね」

 

そう言いながらワカモは自販機で続けて購入を続けていく。

ガコンガコンと自販機が物を落とす音が2人の間で埋められる。

 

「あの瞬間、一気に殺意と言いましょうか、敵意と言いましょうか、そんな強い意志が放たれていらしたので、キヴォトスではそんな感情で銃を握る方はあまりいらっしゃいません」

 

「……」

 

「それになにより、貴方が持つその感情を介さない一直線で無駄のない洗練された殺意は、人を殺さなくては磨かれないものでしょう? それも大量に」

 

「何が言いたい、ワカモ」

 

マロリアンアームズに指をかける。 いつ、どんな事が起きてもいいように。

正直、信頼なんてしていなかった。タレットを壊した時、マロリアンアームズの弾を1発だけ残したのは裏切りに備えてのものだった。 たった1発、されど1発、有ると無いとで雲泥の差だ。 ワカモの一挙手一投足を見逃さない。 何か怪しい動きをしたらすぐにぶち抜く。

 

「ふふふ、怖いですねぇ。 いや待って本当に怖い、それやめなさい貴方」

 

と、別に裏切るつもりはないと両手を横に振り、慌てて首を横に振った。 何だが緊張感が抜けてしまいマロリアンアームズにかけた指を戻して、自販機に背中を預ける。

 

「その、アレです、あの、えっと」

 

ワカモの煮え切らない態度が続く。 いったい何がしたいんだコイツは? だんだんと苛立ちが募ってくる。

 

「本当の事をいうと私、貴方と敵対は絶対避けたいのです。 なのでその、連絡先をですね……」

 

ああ、なるほどつまり……

 

「何かあった時に頼れる仕事仲間が欲しいと?」

 

「ええ、その通りです。 私、実は追われる身でして・・・・・・1人では何かと不便なのです。 なので実力があって、金が必要で、仕事をキチンとしてくれる方を探していました」

 

「追われる身……ねぇ」

 

だいぶ厄介な女に捕まったな。 だが裏に通じている奴との繋がりは欲しいとも思ってはいたので俺はワカモの提案を承諾する事にした。

 

「わかった、その話を呑もう。 だがさっさとそう言えばよかったじゃないか、何を遠回りな会話をして戸惑っていたんだ?」

 

「それは……その・・・・・・あまり慣れていないのです。 今まで頼られる事が殆どなので、自分から何かを誘うと言うのは……」

 

なんだこいつ、犯罪者の癖に結構可愛い事言い出しやがって。 犯罪者と言ってもまだまだ子供って事か。

 

俺はワカモに手を差し出した。

 

「これからもご贔屓に、お客様」

 

俺の差し出した手に、少し戸惑いながらもワカモは手を握り返してくれた。

 

「ええ、よろしくお願いします。 傭兵さん」

 

俺とワカモの契約が成立したと同時に、スケバン達のクルセイダー戦車が大破した。 そして届いてくるSOS信号。

 

「お願いしまーーーーーす!! Vさーーーん!!」

 

「……給料カット確定」

 

「はは、まぁ俺がフォローしてくるよ」

 

スケバン達の援護に行こうとする俺にワカモは背後から語りかけてきた。

 

「Vさん、キヴォトスでは絶対殺しは厳禁ですからね。 気をつけてください」

 

「ああ、ご忠告どうも。 適当にやって適当に引き上げるさ。 今回の仕事は殲滅じゃなく、連邦生徒会への嫌がらせだしな」

 

俺はそう言って、スケバン達の元へと向かった。

 

メインジョブ 『目覚め』

・連邦生徒会と戦闘を行う

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