矯正局を抜け出した生徒が、不良達を束ねて外郭地区を戦場にし、連邦生徒会所有のシャーレの建物を占拠しようとしている。
その報告を受けた七神リンの要請によりシャーレ奪還の為、先生と暇そうな生徒4人は連邦生徒会所有するジープで移動していた。
『敵の主犯の名はワカモ、孤坂ワカモ。 矯正局を脱出した停学中の生徒です。 とても危険性の高い生徒ですので、お気をつけてください先生』
“わかった、ありがとうリンちゃん”
私はリンちゃんにお礼を言い、生徒達を見渡す。
青い髪のSMGを持ったユウカ。
黒い長髪に大きな黒い翼を生やし、スナイパーライフルを抱えるハスミ。
白い髪に白い翼、アサルトライフルを装備してるスズミ。
風紀委員という腕章をつけ、拳銃を腰に下げてるチナツ。
私は彼女達と共にサンクトゥムタワーの行政執行権を取り戻す為に、シャーレの部室へと向かっていた。
“他にも要注意人物とかいるかな?”
『いえ特には、あとは地元の不良達と……1人傭兵を雇ったようです』
その発言にユウカとスズミが反応した。
「傭兵? 不良達とワカモが雇ったの? そんなお金どこにあったのよ」
「武装であればいくらでも調達できますが、傭兵となると怪しいですね。 その傭兵は騙されたのでしょうか?」
そしてそれに続いてハスミとチナツが会話に混ざってきた。
「傭兵は通常であれば、確か時給制のはず、時間をかければ勝手に撤退するでしょう」
「孤坂ワカモは矯正局を脱獄したばかりで、然程金を所持していない筈です。 雇えたとしても相当安い傭兵かと」
『それにシャーレには我々連邦生徒会が用意した強力な防衛設備を配備しています。 ワカモならともかく、不良達や傭兵が五体満足に突破は不可能でしょう』
結局この時は、傭兵は大した相手じゃないという結論に至っていた。 それが大きな間違いとも知らずに……
ところが、目的地に着く前に私たちを出迎えたのは中規模部隊と呼んでも差し支えのないスケバン達だった。 この事態にユウカと通信機越しのリンが大きな声をあげた。
「ちょっと!? 何が強力な防衛設備よ、みんなピンピンしてるじゃない!!」
「そんな、これ程多くの不良を残してるなんて……シャーレの防衛設備はどうしたのです!?」
それに対してスケバンの1人が前に出てきてニヤニヤと笑いながら答えてくれた。
「ああん? それはな、ウチらが雇った傭兵が殆どやってくれたんだよ!」
「やったって……連邦生徒会の防衛システムを1人で? それは嘘ですね、孤坂ワカモが貴方達を盾にでもして破壊したのでしょう」
このスズミの発言を聞いたスケバン達は全員で顔を見合わせた後、大きな声で笑い声を上げ始めた。
「だーっはっはっは!! 私たちが盾? 確かにワカモさんはそうするつもりだっただろうが、あの人が全部、アタシ達が使い捨ての駒になる前にあっという間に片付けてくれたぜ! Vさんがよ!!」
「Vさんさえいりゃ、連邦生徒会なんて怖くないんだよ!! いや連邦生徒会どころかゲヘナの風紀委員長すら超えるかもしれねぇんだ!!」
コレにゲヘナ風紀委員のチナツは黙っていられなかった。
「はい? 傭兵がヒナ委員長を超える? それこそありえません、あの人は混沌ひしめくゲヘナ最強の風紀委員長ですよ? それが一人の傭兵程度に負けるわけないでしょう。 そんな人がいるならもう情報部で捕捉している筈です」
「はっ! そりゃお前が世界を知らない馬鹿だからだよバーカ!!」
ビキリ! と顔を黒くしたチナツの頭から音がした。 大変だ、とてもキレていらっしゃる。
“まあまあ、落ち着いてチナツ”
「ですが先生!」
「そうです、先ずは落ち着いてくださいゲヘナの風紀委員。 今、私達の目標は先生を無事シャーレへと送り届ける事です。 ここへは口喧嘩をしに来たのではないですよ」
私とハスミでどうにかチナツを宥める。 ハスミの発言を聞いて、どうにか冷静になった彼女は深呼吸したあと謝罪をした。
「す、すいません、先生の前でお見苦しい所を……それにトリニティの方にも」
“大丈夫、気にしてないよ”
「ええ、私もです。 ゲヘナは野蛮な方がばかりと思っていましたが、チナツさんはそんな方々とは違うようですね。 少し安心しました」
「なぁ、仲直りはもう済んだか? じゃあもういいよな!?」
そして大量のスケバン達が一斉に銃を構えた。 それに合わせて生徒達が全員遮蔽物へと身を隠し、チナツが私の手を引いて一緒に後方へと隠れた。
「全員一斉射撃!! 誰一人発砲する隙を与えるんじゃねぇぞ!」
そして鳴り響く銃撃音。 私のキヴォトス最初の戦闘が始まった。
「く……そ……! 戦車まで用意したのに……!」
スケバン達との長い攻防を繰り広げ、どうにか勝利を収める事ができた。
「戦闘終了、状況を確認します」
“みんなお疲れ様、まさか戦車まで出てくるなんて驚いたよ”
「先生、戦術指揮お疲れ様です。 クルセイダーⅠ型、おそらく私達トリニティから不法流通した代物でしょう」
「一体どこからこんな物を調達したのやら……コレもワカモが用意したのかしら?」
「そういえば彼女の姿が何処にも見えませんね、一体どこに」
「お願いしまーーーーーす!! Vさーーーん!!」
一人のスケバンがそう叫んだ。 全員がハッとそこへと振り向くと、彼女は勝ち誇った顔をしていた。 いや、それよりもその目には酷く焦がれたような色が映っていた。
「もう終わりだよ。 お前ら」
チナツがハンドガンでスケバンを鎮圧するも、嫌な予感は消えなかった。
みんなもそうなのだろう。 全員が顔を見合わせて、何かを伺っているような、そんな妙な緊張感がある空気が漂っていた。
「ねぇ、どう思う? スケバンが言ってたVっていう傭兵」
先にユウカが切り出した。 するとみんな、思い思いの口を開いた。
「正直、かなり危険かと。 あのスケバン達が全員そのVという人物に心酔してるようでした」
「はい、実力は流石に誇張ありきだと思いますが、あのスケバンを魅せる技術は本物かと」
「自警団を続けていましたが、あんな状態の不良は初めて見ました。 普通じゃありません」
“人を惹きつけるカリスマ性が高いのかな? みんなの意見を聞く限りではそれしかわからないかな”
コンコン
突然、破壊された戦車の方からノックでもするような音が聞こえた。 全員そこへ向けて銃を構える。
姿は見えない。 スズミとユウカが頷き合うと、スズミは右から、ユウカは左から戦車を回っていく。 チナツは私を庇うように前に、ハスミはスナイパーライフルを構えていつでも援護できるように構えている。
だけど、なんだろう。 すごく不味い気がする。 頭が全力で警報を鳴らしている。 なのにその原因がわからない。
そしてユウカとスズミが戦車で再び顔を合わせると、互いに銃を下ろした。 そして安心したようにこちらへと向かってきた。
その後ろに拳を構えた生徒が突然現れた。
“ユウカ!!!”
「え?」
その生徒の拳がユウカに突き刺さったと共に、その生徒の呟きが耳に届いた。
「サンデヴィスタン」
そして次の瞬間、銃声が鳴った同時に、スズミ、ハスミ、チナツは地面に倒れ、ユウカは殴り飛ばされ、その生徒は壊れた戦車の上でハンドガンのリロードしていた。
“なんだ、今のは”
まるで時間がスキップでもしたような光景だった。 あれほど頼もしい生徒がこんな簡単に倒されてしまうなんて。
「やあチューマ、生徒を戦場に立たせて一人残った気分はどうだい?」
あれが、スケバンの言っていた傭兵『V』
「はは、流石だぜ……Vさん」
戦場において、不意打ちこそ、もっとも警戒するべき戦略である。
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