サイバーパンクと青春記録   作:水面どり

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遅れてしまい申し訳ない・・・

サイバーパンク2077のネタが切れてきたので思い出しついでに最初からやってました。


24話 メインジョブ 『悪友/』 1

ホシノ達、アビドスの連中との逃亡劇を乗り越えた俺は現在、ブラックマーケットの表通りに並んだ店の一つ、『レストラン』の前でケータイを開いてワカモからのメールに目を通していた。

 

「表からは入れないから、店の裏側に道を回ってガレージを通り抜けろ、ねぇ……」

 

ガレージを開く為の番号が添付されたメールを切り、ケータイをしまって営業休止の張り紙の貼られた店の入り口から離れる。 コの字を描くように道を歩くと、そこにはチラホラと茶色い錆が浮かぶシャッターに閉じられた緑色の大型のガレージがあった。 元々は何処かの企業の物だったのだろう、掠れて読めなくなったロゴが物寂しさを演出していた。

 

「こんなガレージまで保有するとか、オーナーは何者なんだよ」

 

シャッターの横に設置された古臭いガレージに似合わない電子ロックに番号を打ち込むと、重苦しい音を立てながらシャッターが開き始める。 自分の背の高さまで開いたら潜るように抜け、中へと入る。

 

ガレージの中は何人かのスケバンが慌ただしく作業しており、その中心には見覚えのある赤く塗装された装甲輸送車とその隣の銀色の車、荷物積み替えに使用した黄色いトラック、そして正座する涙目のスケバンリーダーと正面で威圧感を出しながら仁王立ちするワカモとオーナーがいた。 金剛力士像はご立腹らしい

 

「あの、その」

 

「「……」」

 

どうしよう、すごく関わり合いになりたくない。 だが話しかけなければ仕事の報告も出来ず、報酬も貰えない。 俺は腹を括って3人に近づいていった。

 

「なんだ、どうしたんだ?」

 

「ゔぃ、ゔぃーさぁーん」

 

スケバンリーダーが顔面をグショグショに濡らしながら光明が見えたと言わんばかりに顔を向けてきた。 そして威圧感を放つ二人も振り返り、ワカモは仮面を横にずらし、オーナーは煙管を口から離した。

 

「あら、おかえりなさい後輩」

 

「……おう」

 

ワカモからの聞き慣れない言葉にむず痒さを感じながら返事をする。 俺は戸惑いを隠すように咳払いしながら、二人に現状の説明を要求した。

 

「で、いったい何があったんだ?」

 

「コイツを見とくれ」

 

オーナーが顎で指したのは赤く塗装された輸送車だった。 だいぶムラが酷く、急いで塗り直した様子が見て取れるが……

 

「まさか」

 

「そう、そのまさか、さ」

 

「スケバンさん方が持って帰ってきてしまったのです。 カイザーの輸送車を」

 

何やってんだマジで。 それではトラックに積み替える意味がないし、俺がアレだけホシノ達に追い回された時間が全てパーではないか。

 

「オイオイ、マジかぁ……!」

 

 

 

話を要約するとこうだ。

 

俺が集合地点でカイザーから強奪した装甲輸送車を届け、付近をパトロールしていたホシノの迎撃に向かった。 その後、予定通りにトラックに輸送車の中身を移し替えて出発というタイミングで誰かがこう言ったらしい。

 

「輸送車、もったいなくね?」

 

おそらく長い間の不良生活故に魔が差してしまったのだろう。 そこからの動きは早かった。 トラックは一先ずレストランに向かい、護衛用の銀の車はなんとホームセンターへと爆走。 開店準備中に頭を下げて頼み込み何とかペンキを購入。 そしてそのままリターン、ありったけのペンキで輸送車を塗装し直したのだ。

 

 

 

「もったいなくね? じゃねぇよ!!」

 

確かにあの輸送車は売れば相当の金になるだろう。 装甲はもちろん、運転サポートシステムに最新鋭のパワーを誇るエンジン、宝箱と言っても過言じゃない。 だがコイツらは忘れていたのだ。 車には絶対に付いている位置情報システムという存在を。

 

「なんか帰りが遅いとオーナーから連絡を受けて私が向かってみれば、そこにはペンキを塗り終えていい汗かいたスケバンさん達が。 急いでタブレットを輸送車にブッ指しましたよ」

 

当然コイツらがペンキを塗った分だけ俺もアビドスの連中に追い回される時間が増えたのだ。 まさしく無駄な苦労をかけさせた訳だ。

 

「ワカモがハッキングしてくれたお陰で位置情報システムは何とか切れ、事なきを得られたけどね。 それでも痕跡が残っちまったよ。 しばらくスケバン共は外に出せられないね」

 

「ええ!? 何でですか!?」

 

「お前らがペンキを買ったからだよバカ共!!!」

 

位置情報システムによってカイザーには輸送車がいつどこにあったかは丸わかりで、しかも現場には使用したペンキの後、ご丁寧にペンキを買ったレシートまである。 スリーアウト、ゲームセットだ。

 

「お前ら当分は外出るなよ! 絶対カイザーに捕まるからな!!」

 

唯一の頼みの綱だったのだろう、俺がそう怒鳴るとスケバンリーダーは完全に撃沈し、床に染みる汚れのように力尽きてしまった。

 

「で、どうするつもりだ? この粗大ゴミ」

 

輸送車改め、赤く染まった粗大ゴミは現在俺たちの前で鎮座していた。 厚い装甲が雑に塗られたせいで酷く価値を落としてる、値段的にも景観的にも。

 

「まさか売るわけにもねぇ……」

 

「それだけはない。 カイザーから何処で売られたかとか絶対に調べられてここまで辿られる」

 

「いっそ粉々に壊してしまいます? こう、ダイナマイトとかで」

 

「……そうだな。 それしかないか」

 

さて、そうなると何処で破壊するかが問題だ。 ここで破壊したらガレージごと倒壊しかねないし、そんじょそこらでやったら治安機関がすっ飛んで来る。

 

「……まあ、急いで決める事でもないか。 位置情報システムは完全に切れてるならこの場所がバレる事は無いはずだ」

 

「それもそうだね。 それじゃあ次は報酬の話をしようか、V」

 

 

 

「V、アンタにやる報酬は住む場所さ。 それにホシノだけじゃなくアビドス全員を相手に苦しい条件でよくやってくれた。 ボーナスとしてこれも受け取りな」

 

オーナーが差し出したのは一枚の紙だった。 チップでのやり取りじゃないのに違和感を感じつつも受け取り、目を通す。

 

「……権利の移譲?」

 

「ああ、うちの店の隣の廃ビルだけどね、そこの持ち主に交渉して譲ってもらったのさ。 相当カイザーに嫌がらせを受けてたみたいで、ウチが襲撃を仕掛けた事を知らせたら手を叩いて大爆笑さ。 格安で譲ってもらえたよ」

 

「つまり、なんだ? 俺があの廃ビルを管理するってのか?」

 

「ああ、誰を住まわせるか、家賃はどれくらいか、家具の配置、全部アンタの自由さ。 だけど、ウチの従業員ぐらいは住まわせてくれよ」

 

チュートリアル・ビル運営

・Vはビルを入手しました。 これによって継続的な収入を得る事ができます。 どんな人物、どんな生徒を住まわせるかは貴方の自由です。 サイドジョブやイベントで出会った行き場のなくなった生徒を住まわせてみましょう。

・ストーリーの進行によって様々な改築が可能になります。 生徒との交流を深められるレクリエーションルーム、テック開発ができるワークルーム、生徒と模擬戦を楽しめる射撃演習場など、キヴォトスライフを充実させていきましょう! 改築には大量の物資が必要です。

 

「まさかビルに住むんじゃなく、運営する側に回るとはな。 ありがとうオーナー、住む場所がないのは大変だったんだ」

 

権利書を懐にしまいオーナーに礼を述べるが、手と首を振られてしまった。

 

「よしてくれ、アタシはただ報酬を渡しただけさ。 アンタは不測の事態にも関わらずよく働いてくれた、それだけの事だよ」

 

煙管の炭を落とし、懐にしまう様子はまさに貫禄あるフィクサーのそれだった。 俺は本当にいい出会いをしたようだ。 そこでワカモが同意するように口を開いた。

 

「ええそうですね、仕事をした者には報酬を、当然の事でしょう。 ところで私の報酬は?」

 

「あるわけないだろう、何言ってんだい」

 

ピシリ、ワカモが石化してしまった。 オーナーがまた別の紙を取り出すとそれ広げた。

 

「あの時の地図か」

 

「ああ、そしてここからここまでが作戦地点だね」

 

ペンで四角く枠を書いていき、そして枠の外に赤ペンでペケマークを書き込んでいく。

 

「まって」

 

「待たない」

 

ワカモが震える声で手を伸ばすが、オーナーはそれをペシリと叩いた。 どうやらしくじったのはスケバンだけではないらしい。 合計で五カ所の建物に赤いバッテンがついた。

 

「ワカモ」

 

「はい」

 

「やりすぎ」

 

つまりこういうことだろう。 この四角い枠が作戦地点で、はみ出した赤いバツがワカモが対象外なのに破壊してしまった建物なのだろう。 誤魔化すように仮面を付け直していたが、耳はペタンと項垂れていた。

 

「ついつい熱が入ってしまいまして」

 

「アンタは昔っからそうだね、破壊の仕事を引き受けては余計なものまで爆発させて……またSRTに追い回されても知らないよ」

 

だが直ぐに持ち直したのか悪びれる事なくそう言い切るワカモにため息を吐きながら、仕方ないと言わんばかりに鍵を投げ渡した。

 

「V、すまないけど入居者一人追加だ」

 

「別に構わないが、ワカモはいいのか?」

 

「おそらく私の隠れ家はSRTに全て破壊されてるでしょう。 オーナー、私の大事な荷物を回収していただき感謝します」

 

「ふん、次からはもっと上手くやんな。 ワカモ」

 

 

 

現在の入居者

スケバン10名、ワカモ、V

 

空きの広場、2つ

 

 

 

「そうなると、大量の物資や家具が必要ですね。 後輩、明日でいいので“ショッピング”に付き合いなさい」

 

「ショッピング? 別に構わないが、そんなに金なんてないぞ。 あと後輩やめろ」

 

「あら、知りませんの?」

 

 

 

 

 

「“ショッピング”に金なんて必要ありませんよ」

 

邪悪な笑みを浮かべて、廃棄予定の輸送車を見ながらそう言った。

 

「丁度いい、使い捨て可能の頑丈な足もございますしね」

 

メインジョブ 『悪友』

・ワカモと共に“ショッピング”に向かう




車のネタだったからエルキャピタルを噛ませたかったけど、出来なかった。 うごご

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