はえー、起承転結ってそう言う意味があったンゴねぇ(常に国語の評価2)
ビルの一階、入り口を過ぎて直ぐの所に俺の部屋が用意されていた。 管理人室と名札が貼られ、色合いも地味な質素な扉がギイと鈍い音を立てて俺を迎え入れた。
「思った以上になにもないな」
廃ビルだから当然な話だろうが、あまりにも殺風景に過ぎた。 なにせ何処を見ても灰色の剥き出しコンクリート、壁紙もフローリングもカーペットも何もない。 唯一あるのは刑務所のような質素なベッドが一つ、それだけである。
「家具の購入が急務だな」
だが昨日のように誰が使用していたかも分からない廃墟で寝泊まりするよりよっぽどマシな状況になったと言える。 ワカモの仕事で金を、オーナーの仕事で住居を、後は身分証が有れば文句なしだ。
ベッドの側にカーネイジGUTSを立てかけ、マロリアンアームズを枕のそばに置く。 ベッドに腰掛け、そのまま仰向けに倒れる。
激動の一日だった。 目覚めて、この世界の住人を目撃した事で別世界だと知った。 ワカモと出会い、武器と報酬に釣られて連邦生徒会に喧嘩を売った。 オーナーと知り合い、仕事を引き受けて再びホシノと対面して戦闘をした。
別世界、頭で理解しようとしてもしきれないその意味が俺に襲いかかってきた。 生徒と呼ばれる子供が銃をゲーム感覚で撃ち合い、命まで奪い合う事もなければ血に染まる事もない銃撃戦。 悲鳴は上がっても悲劇はなく、最後は勝った負けたで泣くか笑う。 撃った側も撃たれた側も赤く染まってイカれた笑い声が木霊する俺達の世界とまるで違う。
『作戦タイム!』
『楽しかったね』
先生の言葉とホシノの言葉が蘇る。 俺は元いた世界であんな顔で、あんな感情で生きていただろうか? 死に物狂いで駆けずり回り、銃をぶっ放して、自分が生きてることに安心して、また明日同じ事を繰り返す。 それを永遠に繰り返していただけだ。 文字通り、生きてる世界が違う。
彼女達は誰も殺していないのだろう。
だが俺は殺した事がある。 その手を血で汚している。 なし崩し的でもなく、不可抗力でもなく、自分の意思で、決断で。
「俺はお人よしなんかじゃない。 この世界でのうのうと生きていい人間なんかじゃないんだ」
俺が殺しを避けていたのは敵を作るのが怖かっただけだ。 殺した相手の親しい奴が俺に復讐しに来るんじゃないかとビビっていただけだ。
かもしれないな。 だがそれだけじゃないだろ?
マロリアンアームズから聞こえるはずのない声が聞こえた気がした。
お前はずっと後悔していたんだ。 テメェのお友達、ジャッキーウェルズを目の前で死んでいく様をただ見ていることしか出来ず、無力な自分自身を許せなかった。 そうだろ?
だからそれ以来、紺碧プラザの一件以降、更に相手を殺すのを躊躇しちまった。 敵にもジャッキーウェルズみたいなお友達がいるんじゃないかって考えちまった。
気づけば、ぼんやりとした視界の端に、扉に背を預けた状態の俺の体があった。 金髪にオールバックの頭、サングラスにSAMURAIのジャケット、間違いなく俺の、ナイトシティの体だった。
いいかV、お前は確かに馬鹿野郎だ。 ナイトシティで殺しをためらって、挙句に感情を殺しながら引き金に指をかける大馬鹿だ。 でもな、最後の選択で俺を助けたのも後悔したからなのか?
いや、違う。 あれは……ジョニーなのか? 眠たすぎて、俺は変な夢でも見ているのか?
パナムも、タケムラも、ジュディも、ナイトシティの連中を助けたのも全部、後悔があったからか? 違うだろ。
それはお前がお前だったからだ。 後悔でも何でもない、気づけば体が勝手に動いて人を助けてしまう。 そこに考えなんて何もない。 後悔だって入っちゃいない。 唯一つ、あるのはお前の魂だ。
視界がグラグラと揺れ、だんだんと暗くなっていく。 ダメだ、もう眠たくて堪らない。 意識を保てない。
くそ、もうオネンネかよ。 V、忘れるな。 俺がいなくなったとしてもお前の在り方を見失うな。 後悔を抱えてでも、例えそこが自分の全く知らない地獄だったとしても前に進め。 そして……
もう一度、夢に火をつけろ。
ジャッキーの夢だけじゃない、お前自身の夢にもだ。
「俺の……夢……?」
テメェ自身が何を求めていたか、思い出せ。
チュートリアル・サイバーサイコシス
・Vとジョニーが離れたことによりサイバーサイコシス発症のリスクが生まれました。 精神に負担がかかる状態が続くとサイバーサイコ化が進行します。 サイバーウェアを身につければ身につけるほどサイバーサイコシスを発症しやすくなります。
・サイバーサイコ化は仲間との交流や、食事、睡眠などのロケーションによってある程度減少が可能です。 神秘強化によって強化されたサイバーウェアはサイバーサイコシスの負担にはなりません。 更にストーリーの進行に合わせてVはキヴォトスの常識や感覚に慣れていくでしょう。
・絶対にキヴォトスの住人を殺してはいけません。
「あれは、何かあったねぇ」
Vがガレージを去ったのを確認したオーナーがそう呟くと、ワカモも眉間に力を入れて同意の声をあげた。
「ええ、随分と険しい顔をしていました」
何か思い悩んでいるのは明白だった。 それを誤魔化す為か普段より声に力が入っていたし、顔全体が無理して表情を作っているような力み方をしていた。
「まったく、少しぐらい相談してくれればいいのにねぇ。 若い奴が無理しても碌なことにならないってのに」
オーナーがワカモを当てつけのように煙管を向けると、ワカモは煙を嫌ってか仮面を被り直した。
「おほほ、それ私にも言ってやがります?」
「当然さ、一言連絡でもくれればSRTから匿ってやったっていうのに。 迷惑をかけるから遠慮でもしたのかい?」
「……どうでしょうね」
どう聞いても強がりにしか聞こえないワカモのすっとぼけに、眉間に手を当て深いため息を煙管の煙と共に吐いてしまう。
「自称とはいえアンタ、アイツの先輩なんだろ? 助け舟ぐらい出してやりな」
「そう、ですね……でもどうしたらいいものか……」
普段はイキイキと破壊と略奪を繰り返すワカモだが、それ故に相手に気を使うというのはあまり無かった。 味方だったとしてもせいぜい時間稼ぎの消耗品としか考えておらず、フォローとは無縁の生き方をしていたからだ。
ウンウンとしばらく頭を捻るが、これといった妙案は出ず。 だがそこで思わぬ方向から光明が照らされた。
「うーっす。 風呂場の掃除終わりましたー」
デッキブラシと洗剤の入ったバケツの持ったスケバンがガレージに入ってきたのだ。
「風呂?」
「ん?」
おっとぉ? なんかワカモの様子がおかしいぞ? とオーナーが気づいた時には既に遅く、目の前のテロ狐は考え込む様に顎に手を当てその場でグルグルと歩き始めた。
「裸の付き合い」
「は?」
そしてとんでもワードを叩き出した。 普段のワカモなら恥ずかしくて絶対に出さない結論が『初めてできた後輩』というノイズによって抽出されてしまったのだ。
「オーナー、私、Vさんとお風呂入ります」
次回!
「後輩、風呂!」
「バッカじゃねぇの!? 本当にバカじゃねぇの!!?」
「脱げ、脱ぎなさい!」
「誰かー!! 助けてくれえええーー!!」
Vとワカモと裸の付き合い!
貴方はどれくらい知識がある?
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サイバーパンクは名前だけ知ってる
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サイバーパンクは動画勢
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サイバーパンクは雰囲気でプレイ済み
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サイバーパンクで知らないことなど何もない
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サイバーパンク? なんそれ?