サイバーパンクと青春記録   作:水面どり

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時間かかって申し訳ございませんでした!

先の展開をちょっと考えていたら、何も書けない状態になってしまって、結局いつも通りにその場のノリと勢いに任せて書くことにしました。


29話 メインジョブ 『悪友/』 5

レストランで今後の予定やら計画を立てながらの食事を終えて、俺とワカモ先輩はショッピングに向かう為に裏手にあるガレージへと足を伸ばした。

ガレージの中では数人のジャージを着たスケバン達が赤く塗装された輸送車にスパナやらトンカチやらの道具でいい汗をかいていた。

 

「スケバンさん方、装置の取り付け終わりましたか?」

 

「はい、丁度終わりましたよ」

 

よく見れば最新鋭の輸送車には似つかわしくない、昔のテレビアンテナのような物が生えていた。 

 

・あれはなんだ?

・もしかして……技術20←

 

「もしかして、ジャミング装置か? 随分と骨董品に見えるが動くのか?」

 

「動く事は動きますが、性能もよろしくありませんし、起動できたとしても1回、ですがジャミング範囲だけは優秀です」

 

「ふむ……」

 

俺はダブルジャンプを駆使して輸送車の上へと登ると、スケバンへと手を伸ばす。 スケバンは意図を理解したのかスパナとドライバーを俺に投げ渡した。

 

「サンキュ」

 

ドライバーとスパナで外装を外して、中の配線やら回路の調子を見てみる。

 

「ここと、ここが古くなってるな。 だから配線をこう弄って……よし、この回路使ってもいいか? オーケー? よし」

 

パチパチと配線プラグを弄り、回路の古くなった部分を取り替えて軽い改造だけを施していく。 5分ほどして俺は輸送車から降りた。

 

「コレで多少マシになっただろ」

 

「機械にも強いのですね」

 

「こんな体だしな、ある程度の知識は必要不可欠だったのさ。 で、どうする? そろそろ行くんだろ」

 

「ええ、運転はお任せしてもよろしいでしょうか?」

 

「任せな。 こう見えてレースでの優勝……は訳あってできなかったが、いい線は言ってた筈だ」

 

思い出されるのはクレアからの依頼。 ナイトシティのあちこちの公道レースに出場し、優勝を目指していた筈だが……紆余曲折あり、復讐劇へと巻き込まれていた。 まあどうにか復讐を止めることに成功し、クレアの因縁にも決着とまでいかなかったかもしれないが、一区切りつけることができた。

 

「何だか微妙に不安ですが、お願いしますね」

 

そうして運転席に乗り込み、先輩が助手席に乗ったのを確認してエンジンに火を灯し、心地よい振動が全身に伝わってくる。

 

「流石コーポの新型車両、直ぐにエンジンがかかる上にいい音がする。 確かに捨てるには勿体無い」

 

「バカ言ってないでさっさと行きますよ」

 

自分のスナイパーライフルを抱えるように持ち、顎でシャッターへと促すと、スケバンがスイッチを押して開いてくれた。 俺は手を振って挨拶すると、向こうもサムズアップで答えてくれた。

 

「モテモテですね」

 

「何処かのテロリストと違って愛想ってのがあるんだよ」

 

「あらあらおほほ、まるでそのテロリストに可愛げがないみたいな言い方をしますね。 右に出て下さい」

 

「はいよ、右ね」

 

軽いじゃれあいをしながら俺は右へとハンドルを切り、そして

 

 

 

アクセルを全力で踏んだ

 

 

 

「へ?」

 

先輩の間抜けな声が聞こえた瞬間、ガン!! とワカモ先輩の頭が勢いよく窓ガラスへと叩きつけられた。 シートベルトしてないからだ。

 

「大丈夫か?」

 

「い、いえ、大丈夫です。 というか急にアクセルを全力で踏まないでいただけます?」

 

「いやこのくらい普通だろ」

 

「……んーー?」

 

 

 

走る背中の悪寒に孤坂ワカモはスゲー嫌な予感を感じた。 なんか致命的に選択肢を間違えたような、具体的に言えば、自分が運転すれば良かったと。

 

 

 

そうして俺はガレージを出て、輸送車を走らせたのだ。

 

右側の車線へと。

 

「後輩逆! 逆ですから!! 左車線走れ馬鹿!!?」

 

「ん? あー、そうか、逆か」

 

ナイトシティでは運転席は左側、右側走行だったので、どうにもキヴォトスの走行ルールに違和感を覚えてしまう。

 

「早く慣れないとなぁ」

 

「こ、後輩? 本当に、本当に大丈夫ですよね!? 運転出来るんですよね?!」

 

「よゆーよゆー」

 

フワフワした返事をしながら再び俺はアクセルを全力で踏み込み、隣で再び悲鳴が響いた。

 

「早い早い早い早い!!? 待って今何キロ……200!!? ここ、ハイウェイでも高速でもないのに!? というか前の信号赤! 止まれ後輩!!」

 

「? 信号程度で止まる訳ないだろ? 何言ってんだパイセン??」

 

「お前えーー! 何が運転出来るですか!! 道交法ないのかナイトシティ!!?」

 

「賄賂でどうとでもなるしなぁ」

 

この発言を聞いてワカモ先輩はカチャカチャとシートベルトを閉め、より一層強く自身の愛銃を強く抱いた。 というか若干涙目だった。

 

「先ずは、スピード、スピード落として下さい。 いいですね?」

 

「おう、舌噛むなよ」

 

「へ?」

 

アクセルと同時にブレーキも踏み、ハンドブレーキもかけハンドルを急旋回。 時速200キロの輸送車のドリフトがかまされたのである。

 

「ぎゃああああああああーーーー!!!」

 

とても乙女が放つとは思えない絶叫を聞きながら、俺はサンデヴィスタンを発動させながらハンドルをこまめに操る。 こうでもしないと流石に横転してしまうからだ。

 

「あの、後輩!? これ片輪走行してません?!?!」

 

「だからなんだよ?」

 

「バーカ! 後輩のバーーカ!!」

 

「安心しろよチーカ、直ぐに戻るから」

 

「……直ぐに?」

 

ワカモ先輩が顔を前に向けると、そこには丁度よく下り坂があった。 これならいけるだろう。 俺は躊躇なく再びアクセル全開。

 

「待って待って待って、まだ心の準備が」

 

「フライアウェイ」

 

顔を青くした先輩の静止を振り切り俺たちの乗る輸送車は、軽く宙を浮いた。

 

「ひぅ」

 

隣の座席から息を呑む音を聞きながら、いつも通りにハンドルを捌いて着地する。 取り付けたジャミング装置を改良して正解だった。 改良してなければ今の衝撃で外れていただろう。

 

「どうだワカモ先輩、なかなか面白かっただろ」

 

「……スリリング、ですね、ええとても、生命の危機を覚えるほど」

 

「ははは、大袈裟じゃないか?」

 

 

 

そんなこんなでブラックマーケットで爆走を続けて数十分後、俺達はトリニティ自治区へと入っていた。 その間、ワカモ先輩は俺の運転にビビり散らしていたが、なんだかんだで慣れてしまったようだ。 流石キヴォトス人、順応能力が高い。

 

「そういえばワカモ先輩、ショッピングに行くって言ってたがどこに向かうんだ?」

 

「トリニティ自治区にある大型ショッピングモールです。 トリニティはお嬢様学校なので、必然的に周りの店は高級品などが多くなっています」

 

「……一応言っとくが、そんなに金なんて持ってないからな?」

 

俺の所持金額はワカモ先輩から仕事の報酬として貰った3万クレジット、更にそこからアビドス連中との戦闘で消耗した弾薬やらグレネードなどの補充品分がしょっ引かれているので、懐はかなり寂しいことになっている。

 

「大丈夫ですよ。 必要ないですから」

 

やたら自信満々にそう言い切る自分の先輩に妙な違和感を覚える。 もしかしたらクーポン券とかでも持っているのだろうか?

 

「いや、流石に必要ないは言い過ぎじゃないか?」

 

「うふふ、着いてからのお楽しみです」

 

ワカモ先輩が手を口に持っていき上品に笑う様子を見て、様になってるなと素直な感想を思っていた。 その時だ。

 

後ろから戦闘車両、ジープが追いかけてきていた。

 

バックミラーに映るその車両は、脇に『J』という形をしたロゴの上に『Justice』という文字が書かれていた。

 

「ワカモ先輩、アレは?」

 

「トリニティ自治区の治安維持組織、正義実現委員会です」

 

『そこの赤い暴走車! 止まるっすよー!』

 

此方は時速200キロで走っているというのに、それに食らいついて来るとは、なかなかのドライビングテクニックだ。

 

「というか後輩、貴方が道交法守りながら走ってさえくれれば追いかけられる事もなかったのですが」

 

「60キロなんてそんなチンタラ走ってられるかよ」

 

俺はハンドルを握る手に更に力を込めて、今から行われるカーチェイスに胸を高鳴らせる。

 

「さあて、ナイトシティ仕込みの何でもあり公道カーチェイスの恐ろしさを叩き込んでやるとしよう」

 

手配度 ⭐︎

貴方はどれくらい知識がある?

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  • サイバーパンク? なんそれ?
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