サイバーパンクと青春記録   作:水面どり

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ドラゴンボールおもれぇー、え? もう一週間経ってる? うそーん。

というわけで遅れました。 ごめんなさい。


32話 メインジョブ 『悪友/』 7

俺は泣く泣く制限速度60キロをキープしながらワカモ先輩の説教というカーラジオを流しながら輸送車を運転して、ようやくお目当てのショッピングモールに到着した。

 

俺たちと正義実現委員会とのゴタゴタから少し離れた場所にある其処は、トリニティだけでなくいろんな制服を着た生徒が多種多様な店を覗き、小物やら服やらを比べ合いアレがいいコレがいいなど和気藹々とした明るい空間が広がっていた。

少なくともナイトシティのような殺伐とした物々しい空気などとは無縁の空間のようだ。

 

「流石にブローカーが訳あり品を売ってる事はないか」

 

「そういうのはブラックマーケットで探しなさい」

 

俺とワカモ先輩は風船やら電飾、看板などで色とりどりにデコレーションされたモール内を探索する事数分、俺たちが辿り着いたのは家具コーナーではなく……

 

 

 

「ワカモ先輩」

 

「はい、なんでしょう後輩?」

 

俺の声は低く、先輩の声はイキイキしていた。

 

「ここってさ」

 

「はい」

 

俺は額を指で押さえて、頭痛を感じながら重々しく口を開いた。

 

「警備室、だよな?」

 

俺たちが今いるのはショッピングモールのバックヤード、人の活気が消え失せ、ほんの少しの余裕すらないのか、ダンボールが所狭しと並んだ廊下、そこになんの装飾もない無骨な『警備室』と書かれた小さな看板。

 

「もう一度聞くぞ先輩、俺たち、家具を買いに来たんだよな?」

 

「ええ、タダで!」

 

俺たちが今いる場所、そしてタダで買う発言、そして重装甲な輸送車に取り付けられたジャミング装置、流石に頭が余りよろしくない俺でも気づいた。

 

「コレって強盗か?」

 

「YES」

 

YES、じゃねえよ。 何がタダでショッピングだ。 犯罪真っしぐらじゃねぇか。 俺は深いため息を吐いて、銀色の拳銃マロリアンアームズを腰から引き抜く。

 

「で? 俺はどうすればいいんだ」

 

「後輩って結構ノリいいですよね」

 

「ノリがいいっていうか……慣れてるというか……なんというか……慣れたくはなかったんだがなぁ……」

 

今まで引き受けた依頼がどれも一筋縄でいかないものが多過ぎたのだ。 依頼主が俺を捨て駒扱いで雇っていたり、盗む物が話に聞いていたものと全然違ったり、助ける相手がとんでもないクズだったりと、枚挙にいとまがない。

 

しまいには依頼主のところに帰ったらソイツが死んでたなんてのもあった。 

 

「ワカモ先輩、次からは全部説明してから誘ってくれよ。 ほんっとうに、頼むから」

 

その死んでた依頼主が自分の知り合いで、全部説明してくれていたら助けられたかもしれなかったのだ。

 

「まじでさ、ほんとうに、頼むからさ」

 

隣人が物言わぬ死体になるなんてナイトシティじゃよくある事だが、だからといって顔見知りが死んで何も思わない訳ではない。

 

体は確かに機械化してるが、心まで機械になってる訳ではないのだ。

 

「……わかりました。 では改めて」

 

ワカモ先輩が此方に向き直って、狐の仮面を装着し、手を伸ばした。

 

 

「私と一緒に、悪い事、しませんか?」

 

 

……もしかして気を遣われてしまったのだろうか。 確かにナイトシティの嫌な一面を思い出して感傷的になってしまったかもしれない。

 

先輩とはいえ年下に慰められるとはなんとも情けない姿だ。 ジョニーに見られたら、いや、友人達の誰かに見られたら笑われてしまうかもしれない。

 

「ああ、どうせなら派手にやってやろう」

 

俺は気を取り直して、差し出された手を握り返した。

 

俺だって別に、悪事を許せない正義の味方、みたいな精神はしていない。 なんだったらケリーユーロダインと一緒にやんちゃをした事だってあるし、なんだったら発電所をオーバーロードさせて超大規模なEMPバーストを引き起こした挙句、ナイトシティを停電させた事だってある。

 

「こういうのは割と好きなんだよ」

 

俺は満面の笑みでゴリラアームをワキワキ動かしながら警備室へと乗り込んでいった。

 

 

 

「やっぱり後輩って、私と同類ですよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ」

 

ちゃちゃっとサンデヴィスタンとゴリラアームで警備のアルバイトに着いていた生徒2名を制圧し、まとめてステッカーやらシールが貼ってあるオシャレなロッカーに叩き込んだ。

安心して欲しい、全部非致死のロッカーである。 決して殺してはいけないのに冷蔵庫にぶち込んだりはしていない。

 

俺は生徒がしまわれたロッカーに手を合わせて頭を下げた。

 

「バイト代が消えたら、ごめんな」

 

「仏壇じゃないんですから手を合わせて頭を下げないでください。 本当に死んでるみたいになってますよ」

 

「別に殺してねぇよ」

 

ただゴリラアームでゲンコツしただけである。 そのせいでデカいタンコブが出来てしまったが、キヴォトス人なら一週間あれば痛みが引くだろう、たぶん。

 

「では私は……と」

 

ワカモ先輩が懐からタブレットを取り出して、液晶を指先で叩いて操作を始めた。

 

「ハッキングか」

 

「ええ、とはいってもソフトを立ち上げてアップロードするだけです。 キーボードを叩いてファイアーウォールやセキュリティシステムを突破なんてできるほどのスキルなんて持ち合わせておりませんので」

 

なるほど、マルウェアとデーモン、みたいなものだろうか。 俺もよく依頼で相手方のサーバーにコレ流してこいと頼まれた事がある。

 

「ハッキングとかネットは余り詳しくないから任せるよ、先輩」

 

「私だってソフト立ち上げてアップロードするぐらいしかできないのですが」

 

どうやらこのチームにはネットランナーは不在のようだ。

 

「いや、この世界にネットランナーがいてもどうしようもないか」

 

なにせこの世界、サイバースペースが存在しないためローカルネットに接続されたセキュリティに干渉ができない上、そもそも生徒が機械化されていないからクイックハックなんて出来るわけがないのだ。

 

出来ることがあるとすれば情報収集だが、どのみち現地に向かって下見をするのがセオリーだ。 正直ネットランナーがこの神秘の街でナイトシティ張りの大活躍を見られるとは思えない。

 

「ふむふむ、後はケーブルを挿せばよろしいのですね」

 

と、タブレットと格闘していたワカモ先輩がケーブルを伸ばし、管理用の端末に突き差した。 すると……

 

 

 

「うおあ!? なんだこりゃあ!!?」

 

「あ、あらら……」

 

突如、赤いお団子ヘアーの奇怪なキャラクターが警備室全てのスクリーンに登場し『ただいまアップロード中、ちょっと待っててね』と表示され、その下に進捗状況を示すバーのような物が現れた。

 

これには流石の俺も驚いて、というかイラストが奇怪すぎてドン引きし、ワカモ先輩すら困惑の余り停止していた。 というか首を左右に倒して動くなキモい。

 

「ワカモ先輩、コレなんだよ!? どっから持ってきたこんなソフトウェア!?」

 

「わ、私もまさかこんな代物とは……安くて性能が良ければなんだっていいと確かに申しましたが、ここまでぶっとんだものを寄越されるとは……」

 

俺とワカモ先輩は意味はないはずなのに武器を抜き、警戒態勢に移っていた。 ワカモ先輩は俺の背後でスナイパーライフルを構え、俺はいつでも先輩を庇えるように前に出ていた。

 

そして刻々と進むバー、そして動き出してカラースプレーで落書きをし出すキモいキャラクター、それをただ眺めることしかできないテロリスト。 今、トリニティショッピンモール警備室史上初のシュール空間が爆誕していた。

 

 

そして数分後、ハッキングが完了したのだろう、バーが別の色で埋め尽くされると奇怪なお団子ヘアーモンスターは此方に向けてバチコーンとウィンクをかまして画面外にフェードアウトし、最後に『小塗マキ参上!』と文字が表示された。

 

「ワカモ先輩」

 

「ええ後輩、わかってます」

 

「「コイツいつかぶちのめそう」」

 

俺と先輩は、固くそう誓い。 小塗マキという名前が、覚えられた瞬間だった。

 

 

 

 

遠いどこかでカラースプレーを持った生徒がクシャミをした気がした。




というわけで名前を覚えられたマキちゃんでした。 実はまだ引けてないキャラクターだったりします。
早く引きたいけど・・・この石は周年記念ガチャでワカモ先輩を引く為まで取っておく必要が・・・でもガチャりたい・・・うごごごご

貴方はどれくらい知識がある?

  • サイバーパンクは名前だけ知ってる
  • サイバーパンクは動画勢
  • サイバーパンクは雰囲気でプレイ済み
  • サイバーパンクはガチでやった
  • サイバーパンクで知らないことなど何もない
  • サイバーパンク? なんそれ?
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