1話 (DON'T FEAR) THE ANGEL/天使なんて怖くない
泉から背を向け、橋を渡り、俺は今落ちていた。
落ちる
落ちる
どこまでも落ちていく
深海のように暗く、底のない闇を落ちていく。
ブラックウォールへと、電子の世界へ落ちていく。
後悔はある。
紺碧プラザに入る前からやり直せるなら、それが一番に決まっている。
だが結末は来てしまった。残りの導火線は短かった。選ぶしか無かった。
俺が死ぬか、ジョニーが死ぬか。
俺が生きても寿命がかなり短いと告げられた。そしてジョニーが残れば人として当然の時間が得られるとも。
そんなの答えが出てるも同然じゃないか。俺が生き残る意味がまるでない。
なんでそうなる、アレは俺の体だぞ!?
頭の中が理不尽な現実に怒りと困惑が埋め尽くした。だが帰ってきた答えは、もうアレはジョニーの体に変化したという現実だった。既に俺の体に俺の居場所は無かった。
ここまで来るのに随分な苦労をかけた。時間をかけた。金もかけた。
ミスティ、ヴィク、ママウェルズ、ローグ、ジュディ、タケムラ、パナム……本当に多くの人に助けられて、御輿に辿り着いた。
なのにこんな結末なのか。みんな助かるハッピーエンドは何処にも存在しなかった。
頭を抱えて幾ら考えても解決はおろか、もう時間稼ぎすらできない。
ブラックウォールを超えた先に何があるかはわからない。もしかしたら足を踏み入れた瞬間お陀仏なんてオチかもしれない。
もしも、もしもだ。
来世というのがあるのなら、俺は今度こそ、友を失わずにメジャー入りをしてみせる。生きた伝説になってみせる。
「ジョニー、俺の体大切に使えよ」
きっとジョニーなら俺の体を使い上手くやってくれるだろう。 もしかしたら新しい伝説を打ちつけてくれるかもしれないし、全く新しい場所へ旅立って武勇伝を語るかもしれない。 もしくは、子供にギターを教えるとか……いや、アイツに限ってそれはないな。
そんな事を考えていると、気づけば未知へ旅立つ恐怖は薄れ、胸が軽くなっていた。
「俺の事、忘れるなよ」
もう聞こえていないだろう俺の相棒に言葉を残し、俺の意識はオルトと共に電子の海へと消えていった。
「……ぁ……?」
ここは、ブラックウォールの遥か先か?それともオルトの中か?ネットやハッキングの事なんて少しもわからないが、妙な違和感を感じた。
それは俺が何かに覆われてるような感覚を受けてる事、さらにそれに嫌な身に覚えがある事だ。具体的に言うとデクスのクソ野郎に頭を打たれた後だ。
待て、コレ、ブラックウォールの先じゃないだろ絶対!!!
目が機能し始めて見えたそれは鉄だ。ゴミだ。廃材だ。俺はそれらに身を覆われガチガチに固められていた。
「またかよ、く……そ……!」
ゴリラアームを使い体を押している物を一つ一つ丁寧に、派手に崩さないように取り除いていく。
なんだ?オルトはどうした?まさか俺は捨てられたのか?何らかのイレギュラーが発生したのは間違いないだろう。
だが電子空間がこんな重さや鉄臭さを感じるものか?それに汗だって出てる。どう考えても現実としか思えない。自我が薄れているような気もしない。神輿の中にいた時よりも五感の感覚はハッキリとしている。
そしてようやく日の光が見え始めた。少なくともゴミに潰されてスクラップにされるという事態は防げたようだ。
最後の廃材をどかし、ゴミに足を乗せ立ち上がる。あの頃みたいに這いずって移動する必要がないのは幸いだ。そう思いながら顔を上げるとそこには
今までみたことのないほど綺麗な青空と、巨大な天使の輪っかがついた巨大建造物が俺の目を釘付けにした。
「ここは、何処だよ……?」
俺はただ途方に暮れるしかなかった。
頭に天使の輪っかを浮かべながら。
貴方はどれくらい知識がある?
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サイバーパンクは名前だけ知ってる
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サイバーパンクは動画勢
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サイバーパンクは雰囲気でプレイ済み
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サイバーパンクはガチでやった
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サイバーパンクで知らないことなど何もない
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サイバーパンク? なんそれ?