「あ! ツルギ先輩、来てくれたんっすね!」
剣先ツルギが騒動の現場に到着すると、ショッピングモールの包囲の指揮を担当していた後輩の仲正イチカが出迎えてくれた。 だがその様子は何処かばつが悪そうで、悔しさをその表情から滲ませていた。
「すみません・・・・・・私が大通りで捕まえていればこんな事には・・・・・・」
「気にするな」
周りの正義実現委員会に所属する生徒たちは遮蔽物や弾薬やグレネードの詰まった箱を準備しながらも、心配そうな目でイチカとツルギの様子を見守っていたが、ツルギの一言で安心したように顔を明るくしていた。
「だが反省文はいる」
「う・・・・・・すみません」
トリニティ総合学園は数多くの学校を寄せ集めて形成された歴史を持ち、それ故に様々な分派に分かれている。 その分派による足の引っ張り合いや揚げ足どり、勢力増強の為に何も知らない生徒に加入を持ちかけたりと裏工作に余念がない。
当然その魔の手は正義実現委員会にも及んでいる。 生徒会組織であるティーパーティーの指揮下で活動する為、流石に直接的ではないが度々嫌がらせのような行為が行われていた。
今回の事件もまた、そう言った連中の群がるネタになってしまうだろう。
イチカの対応は間違いはなかったが、些か相手が悪すぎたというのもある上、まさかD.U.地区を襲撃したその二日後に三大校のトリニティでショッピングモール占拠という蛮行を起こすなど誰が想像できただろう。
「ハスミはどうした?」
「ハスミ先輩は連邦捜査部シャーレで手を貸していたようで、ティーパーティーから許可が降りたら先生を連れてくるとの事っす」
「そうか」
短く返事をしながら、昨日ハスミから受けた報告を思い出しながら少し考え込んでみる。
ショッピングモールを占拠、その主犯である二人、正体不明の生徒V、七囚人の孤坂ワカモ。
連邦生徒会長と入れ替わるように立ち上げられた組織、連邦捜査部シャーレと先生という存在。
頭の痛い話だ。 今までゲリラ屋である孤坂ワカモの被害を抑える事ができた要因として、強力な武力を持たない事にあった。 故に私やゲヘナの風紀委員長、噂に聞くミレニアムの特殊部隊などが現場に出張ればスタコラサッサと逃亡していたのだが・・・・・・
「V」
奴の登場でその方法では対処しきれない可能性が出てきた。
ハスミ曰く、圧倒的な速度、精密な早撃ち、高度なステルス技術、全力を込めた一撃を頭に受けて尚戦える頑丈さ、不良たちを魅せるカリスマ、その戦闘能力の高さは
「私以上かもしれない、か・・・・・・」
ああ、周りに味方がいるというのに歪んだ笑顔が溢れそうになる。 胸を打つ焦燥感と高揚感は私に言いようのない心地よさをもたらしてくる。
「キヒヒ・・・・・・ヒヒヒ・・・・・・」
「あー、ツルギ先輩、周りの子達がビビっちゃうんで落ち着いてもらえるっすか?」
「・・・・・・フゥ」
軽く深呼吸して気持ちを落ち着かせる。 私だって好き好んでこんな怖い顔や声で後輩たちを驚かせたいわけではない。 できるものなら普通に、例えば目の前の出来た後輩であるイチカのように生徒たちと気楽な会話とかしたい。
そんな思いを秘めながら、イチカと現場の情報を交換するのだった。
「いってくる」
後輩との情報交換をほどほどに切り上げ、愛用のショットガンであるブラッドを肩にかけガンパウダーを手にぶら下げる。
「了解っす。 私達はどうしましょう?」
「包囲を継続、ティーパーティーの指示だ」
「・・・・・・どういうつもりっすかね?」
「おそらく、実力を見たいのだろう」
「Vっすか」
未知の存在V、その詳細を他の学園より早く知るチャンスだとでも考えてるのだろう。 おそらくだがVという存在はキヴォトスの新しい台風の目になると予想し、その情報で他学園との交渉に活かすつもりなのだろうか?
「それだけじゃないと思うっすけどね。 ティーパーティーの連中が何企んでるかなんて見当もつかないっす」
イチカの言葉に内心頷きながら、私はショッピングモールへと足を踏み入れるのだった。
パキリッと入り口に散らばったガラスを踏み砕きながら、周りを観察しつつ前へと進む。
確かこの辺りはフードコートが並ぶ区域だが、とてもそうとは思えない惨状になっていた。
中心には黒ずんだなにかの骨組みに、あちこちに散らばるように残る弾痕、スプリンクラーが作動したのか床が濡れた店舗、二階を支える支柱は大きなものでもぶつかったのか大きく抉れ鉄筋が顔を覗かせ、骨組みの周りは強力な爆発でも起きたのか小さなクレーターのような物が出来上がっていた。
「イチカの報告通り、Vが現地の不良と戦闘した」
コレはその痕跡だろう。 だがコレはVの戦闘痕であり、ワカモの代物ではない。
「入り口に散らばったガラスは外に出ていない、内側にばら撒かれていた」
つまり車か何かで突入したのだろう。 おそらくだがコレはワカモの仕業だろう。
「Vとワカモは二手に分かれて何かをしていた」
言葉にしながら状況を整理しつつも頭を回し、敵の戦力を分析していく。
「Vはハンドガン、ワカモは・・・・・・記録が間違ってなければスナイパーライフル」
Vという生徒はどのようにしてこんな戦場を作ったのだろうか。 少なくともハンドガン一丁でできる惨状ではない。
「ヒヒヒ・・・・・・ウハハハハァ・・・・・・」
Vの強さを想像し、また興奮が胸を叩き始める。 目が冴え渡り、口の中が唾液で満たされていく。
その様子を、ショッピングモール内に設置された監視カメラが追いかけていた。
ツルギがフードコートから続くタイヤの跡を追いかけていると見覚えのある噴水が視界に入った。
ショッピングモールの中央区、インフォメーションセンターや迷子の預かり場などが並べられた休憩スペースにたどり着いた。
普段は活気のある場所がスクリーンに避難案内が映され、虚しく音楽が鳴っている光景はなんとも言えない不気味さを醸し出していた。
「・・・・・・?」
噴水の周りに設置されたベンチ、そこに仰向けに転がされている人影を見つけた。 見つけてしまった。
少なくともこの辺りの生徒ではないのだろう。 普段パトロールなどで街を散策する剣先ツルギの記憶には見覚えがなかった。 イチカに見せてもらった不良生徒の名簿にも載っていなかった。
「大丈夫、か?」
だから剣先ツルギは彼女を他学園からきた旅行者や観光客だと思い助けようとしてしまった。
「ん、お兄さん頑丈だから平気」
その銀髪で犬耳が特徴的な生徒に手を伸ばしてしまったのだ。
ツルギちゃんってこういう感じだろうか? 何度も調べてみたけどコレと言った心理描写が得られず書くのに難航してしまいました。
おかしな点があればご報告頂けると幸いです。
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