サイバーパンクと青春記録   作:水面どり

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作者、ようやく花のパヴァーヌ一章を見る。

妄想がとまらねぇよ。 今はこのプロローグ編を終わらせないといけないのに花のパヴァーヌ編の事を考えてしまう・・・・・・うごご


40話 動き出す者達

偽ホシノ騒動から翌日、アビドス高等学校の廃校対策委員会はあの事件とは比べ物にならないほど平穏な日を送っていた。

毎日毎日飽きもせず襲撃に駆けてくるヘルメット団は何故か鳴りを潜め、偽ホシノ騒動によって大量に消費した銃弾分位は節約する事ができていた。

 

「まあ、結局トントンってところだけどね〜」

 

アヤネは偽ホシノこと通称ゴーストの情報を集めに行き、セリカは本人曰く野暮用で出かけ、シロコはじっとしてられないのかサイクリングも兼ねてゴースト探しに、ノノミは無茶な使い方をしたミニガンの替えパーツを買いに行った。

 

そしてホシノは愛用の枕を机に置き、うつ伏せの状態で対ゴーストの脳内シミュレートを繰り返していた・・・・・・が、だんだん微睡が思考を遮り始めた。

 

実に平和な日々である。 

 

「ホ、ホシノ先輩、大変!!」

 

訂正、平和な日々“だった”

 

そこにはドアを勢いよく開け大きな音を鳴らしたセリカがいた。 ここのドアは少々建て付けが悪いので乱暴に扱わない様にと言い出した彼女がこの有様、なかなかの厄介ごとのようだ。

 

「んー、どうしたのさセリカちゃん?」

 

ホシノが目を擦りながら上半身を起き上げると、ズイッとスマホの画面を突きつけられた。 そこには

 

『どうした? 焦ってんのか、動きが単調になってるぜ委員長!』

 

『ひひゃははははははははーーーー!!』

 

何故かトリニティの正義実現委員会の委員長、剣先ツルギと戦う愛すべき後輩、砂狼シロコが激闘を繰り広げていた。

 

「・・・・・・・・・・・・?????」

 

なんで? という言葉すら出ない。 ホシノの後ろに銀河が広がった。

 

試しに目を再度擦る。 だがそれでも見えてる画面は変わらない、愛すべき後輩からとんでもないことしてる説教確定後輩にランクダウンしたアホが映っている。

 

「な、なん、何してるのシロコちゃん!!!?」

 

寝てる場合じゃないと立ち上がる。 兎にも角にもどんな事情があるにしても先ずあのアホを止めねばなるまい。 このままではトリニティがアビドスにどんな請求をするか想像もつかない。

 

バタバタと武装を整え、みんなに連絡をしようとスマホを手に取ると再びドアが開いた。

 

「ん、みんなどうしたの、そんなに慌てて?」

 

「あっ! シロコちゃん、実は大変なの! 今シロコちゃんがトリニティで暴れてて、このままじゃアビドスが滅んじゃう!」

 

「ん、それは大変! 急いで私を止めなきゃ!」

 

「ほら、シロコ先輩銃持って!! 今は一分一秒を争う事態よ!! 早くシロコ先輩を止めなきゃ!!」

 

「アヤネちゃんとノノミちゃんにモモトーク送信! よし、みんな行くよ!」

 

「「おー!!」」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ちょっと待ってホシノ先輩シロコ先輩何かおかしい」

 

「うん、おじさんも何かおかしーなーって思ってた」

 

「? どうしたの、急ぐんじゃないの?」

 

キョトンと首を傾げるシロコに二人が首を曲げる。 次にセリカのSNSを映したスマホを、厳密にはSNSで拡散されている中継に映るシロコを見る。 そして再度首を傾げてるシロコを見る。

 

「「なんで??」」

 

「え?」

 

もう、色々意味不明だった。 何でシロコが増えてるのとか、何でシロコがトリニティで暴れてるのかとか、何でコイツは今も自分を止めに行こうとしてるかとか、ツッコミどころが多過ぎてスルーしてしまった自分たち自身にも頭を抱えてしまう。

 

セリカもホシノも頭の上でヒヨコがピヨピヨと回りだしていた。 大混乱である。

 

ピロンピロンと、ホシノのモモトークがなる。

 

 

『大変! シロコちゃんがトリニティで暴れてて一大事だよ! 今からおじさんとセリカちゃんとシロコちゃんで向かうからアビドス駅で合流ね!』

 

アヤネ・背後で宇宙が広がっている猫のスタンプ

 

ノノミ・背後で宇宙が広がっている猫のスタンプ

 

『んっと・・・・・・んーー?』

 

『どうしましょうノノミ先輩、ホシノ先輩が遂に壊れました』

 

 

 

 

 

こうして、Vの行動はトリニティだけでなくキヴォトス中で注目を集めることになった。

 

ある者は書類の山を片付けながらも耳を傾け

 

 

 

「イオリ、手が止まってるわよ」

 

「いや、委員長これ見なくていいの?」

 

「今は仕事優先よ」

 

 

 

ある者は部室でソファーの上で胡座をかきながら紅茶を飲みつつ獰猛な笑みを浮かべ

 

 

 

「へぇ、面白い奴がいるじゃねぇか」

 

 

 

そして、トリニティの自治区境界線付近で

 

 

 

「ティーパーティーから許可が降りました!」

 

“よし、みんな行こう”

 

「すみません皆さん、私はゲヘナ生なのでトリニティには・・・・・・」

 

“チナツ、情報収集ありがとう”

 

「・・・・・・いえ、これくらいは当然です。 先生、ご武運を」

 

「可能な限りの対策は考えたけど、正直まだまだ底が見えないのよね・・・・・・」

 

「どうにかツルギが弱点を探し当ててくれるといいのですが」

 

 

 

連邦捜査部が動き出した。

 

 

 

 

 

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トリニティ中で生放送されたワカモの犯行声明は、瞬く間にキヴォトスの話題を独占していった。 そしてトリニティの不良生徒達はある選択を迫られた。

 

「な、なあ・・・・・・どうする?」

 

「どうするって言われてもな・・・・・・」

 

「相手はあの戦略兵器だぞ、いくら噂の銀銃でも・・・・・・」

 

「だけど・・・・・・確かにチャンスだよな」

 

トリニティはエデン条約を控えていたという事もあり、連邦生徒会長不在による混乱の最中もっとも警備やパトロールに力を入れた自治区だった。

 

だがそのせいだ。 それによって多くの不良生徒が不完全燃焼にも近い不満を抱える事になった。

 

「他の自治区の連中はあんなに暴れてたのに、アタシたちは何もできなかった・・・・・・」

 

しかもだ。 トリニティの生徒会、ティーパーティーはエデン条約を結ぶ相手、ゲヘナ学園を強く意識した警備体制を敷いてしまった。

 

「アイツさえいなけりゃ、アタシたちだって!」

 

剣先ツルギ、彼女を大活躍させるようにしたのだ。 明らかにゲヘナ最強、空崎ヒナを意識したものだった。

 

ゲヘナに空崎ヒナがいても、こっちにだって剣先ツルギがいるぞと、武力面での外交圧力をかけたかったのだろう。

 

 

 

だがそれが全部裏目に出てしまった。

 

 

 

空崎ヒナという武力的外交アプローチに対抗するためには、ツルギの強さは不動のものでなくてはならない。 故に敵を前にして逃げるなんて論外だ。

 

つまりだ。 ツルギは一時逃亡し不良生徒の鎮圧に動くことができず、Vとの千日手を繰り広げるハメになる。 そしてそんな事している間に不良生徒が暴れ回るという悪循環が生まれていく。

 

そしてもっと最悪なのがワカモがそれを扇動している事だ。 彼女は不良生徒たちの心を動かす術を心得ている。

 

「火を焚きつけるにはどうするか、答えは簡単です」

 

ワカモはタブレットを操作する。 慣れたように、いつものように、何度もやった習い事のように・・・・・・

 

「赤信号みんなで渡れば怖くない」

 

ワカモは起爆の画面をタップしたのだ。

 

 

 

トリニティの一画で、小規模な爆発が引き起こされた。

 

 

 

コレだけなら、よくある光景である。 鉛玉と手榴弾が飛び交うキヴォトスでは爆発の一つや二つなんらおかしい事ではない。

 

だがこの爆発は火に送り込まれた空気だ。 不良生徒という火が、この爆発の煽りを受けて一気に燃え広がる。

 

「今の爆発って」

 

「誰かがおっ始めたのか!?」

 

「わ、私もやってみようかな」

 

「クソ! 先越された!」

 

「みんなやるならアタシだって派手にぶちかましてやる!!」

 

ツルギという押さえ込みはなく

 

ワカモによって煽動され

 

今まで積もりに積もった不満を抱えた不良達が一気に爆発する。

 

 

 

「いたぞ!! 正義実現委員会だ!!!」

 

「アタシを退学させたティーパーティーを潰せ!!」

 

「お嬢様ってだけでチヤホヤされて、気にイラねぇんだよ!!」

 

 

 

「ふふふ、いいですねぇ。 うふふ、あははははは!」

 

もはや秩序など崩壊し、逆に治安維持機関が襲撃を受けるアベコベの状態。 あちこちで略奪と破壊が行われ、市民が逃げ惑い、生徒が自衛の為に銃を取る。

 

「これこそ私の望んだ祭りです!」

 

まさかここまで大きく出来るとは思わなかった。 当初の予定では軽く混乱を起こしてそのどさくさに紛れてEMPをばら撒きながら逃亡というプランだったのだが・・・・・・

 

 

 

「つっても、一番ヤバいのはそのツルギって奴なんだろ? そいつがいたらどの道厄介じゃないか?」

 

「ふむ、では・・・・・・」

 

 

 

と、警備室で地図を広げ、お互いにアイデアを出し合って検討を重ねた結果がコレだ。

 

「流石にいくらか妥協を入れましたが」

 

後輩が話した“前例”はいくら何でも無茶苦茶が過ぎた。

 

何で公演ライブして人を集め、不満や不平を煽ってデモを起こし、その隙に相手の本丸に突入、そこに核爆弾を仕掛ける・・・・・・

 

「いやなんでですか」

 

何がどうなればそんな発想が出てくる。 流石の『厄災の狐』狐坂ワカモもドン引きである。 あとどっから持ってくるんだ核。

 

「いやいや、実際にあったんだよ」

 

あるわけねーだろ何言ってんだ後輩。 そんな事するのは七囚人を超えたとんでもないイカれ野郎だけだ。

 

「後輩のトンチキっぷりは底が見えませんね」

 

優秀な後輩であり、最強の前衛なのだが・・・・・・もっとこう、常識とかを弁えてくれないだろうか。 もちろんキヴォトスの常識をだ。 断じてナイトシティの常識ではない。

 

「帰りの運転は私がしましょう」

 

心に固く、そう誓いながらワカモはタブレットを操作を続け、周辺の監視カメラを回していく。 そこに白い影が映った。

 

「コレは・・・・・・!?」

 

影の正体に気づき、警備室に備えてあったマイクを掴み取った。

 

「後輩、増援です! 備えてください!!」

 

その影は今まさに、ライオットシールドを掲げ、跳躍した。




ここまで大騒動になったらこの人が動かないわけないよなぁ、となったので参戦させました。 みんな大好き薩摩武士子ちゃん(偏見)

貴方はどれくらい知識がある?

  • サイバーパンクは名前だけ知ってる
  • サイバーパンクは動画勢
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  • サイバーパンクはガチでやった
  • サイバーパンクで知らないことなど何もない
  • サイバーパンク? なんそれ?
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